資生堂サイエンスグラント第19回受賞者と7/24授賞式
ベストカレンダー編集部
2026年7月16日 16:50
資生堂サイエンスグラント式典
開催期間:7月24日〜7月24日
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資生堂が継続する女性研究者支援の理念と経緯
株式会社資生堂は、2007年度の創設以来、「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」を通じて、自然科学分野(理工科学系・生命科学系全般)で研究を行う女性研究者の研究継続とキャリア形成を支援してきました。本プログラントは、毎年最大10名を対象に研究助成を行う仕組みであり、受賞者には各100万円の助成金が贈られます。
助成金は研究費としての直接的な使用だけでなく、出産・育児等のライフイベントと研究活動を両立するための環境整備、たとえば学会参加時の託児費用や研究補助員の雇用などにも柔軟に充てられる点が特徴です。受賞者同士の交流や先輩研究者との対話の機会創出も本グラントの重要な要素であり、キャリア形成や研究継続の後押しに寄与してきました。
プログラム設立の背景と現状認識
日本における研究者全体に占める女性の割合は19.0%(総務省『2025年科学技術研究調査』要約)で増加傾向にあるものの、依然として諸外国と比較して低い水準です。大学の教授や学長など意思決定の場に関与する女性の比率は未だ少なく、研究組織に多様な視点を取り入れるための取り組みが求められています。
このような課題意識を背景に、資生堂は将来指導的立場を目指す意欲のある女性研究者を支援することを目的に本グラントを設けています。過去の受賞者からは、助成金そのものの価値に加え、ネットワークやロールモデルとの接点がキャリア形成に有益だったとの声が寄せられています。
第19回選考結果——受賞者10名と研究テーマの全容
2026年7月16日13時に発表された第19回受賞者は、総応募者数137名から選出された10名です。受賞者は多様な研究領域にわたり、それぞれが独自の課題設定と革新的な手法で研究に取り組んでいます。研究助成期間は2026年6月から2027年5月です。
以下に受賞者の氏名(五十音順・敬称略)、所属、職位、研究分野および受賞研究テーマ(研究概要)を漏れなく掲載します。
| 氏名 | 所属 | 職位 | 研究分野 | 受賞研究テーマ(概要) |
|---|---|---|---|---|
| 岩井 愛(いわい まな) | 北海道大学大学院 工学研究院 応用化学部門 | 助教 | 表面科学 / 電気化学 | ゲル・半固体電解液を用いた環境調和型アノード酸化技術の創出(アルミニウムの表面を「きれい」「長持ち」にする新手法の提案) |
| 笠原 朋子(かさはら ともこ) | 理化学研究所 開拓研究所 | 特別研究員 | 分子生物学 / 老化学 | RNA制御による老化の逆転と健康寿命延伸(遺伝子の「スイッチ」を操作して細胞の老化を巻き戻す研究) |
| 片山 奈理子(かたやま なりこ) | 慶應義塾大学 保健管理センター / 医学部 精神・神経科学教室 | 准教授 | 精神医学 / 認知行動療法 / 脳画像研究 | 「ことばの治療」は脳を変えるかの科学的解明(認知行動療法が脳内でどのような分子・シナプス変化を引き起こすかをPET画像を用いて解析) |
| 郭 媛元(ぐお ゆあんゆあん) | 東北大学 学際科学フロンティア研究所 | 准教授(国際卓越研究者) | ものづくり技術 / 計測工学 / ライフサイエンス / 生体材料学 | 熱延伸多機能ファイバによる脳-臓器間電気化学信号の統合解析(多機能ファイバで脳と体の電気・化学信号を同時計測) |
| 孫 ユリ(そん ゆり) | 北海道大学 遺伝子病制御研究所 幹細胞生物学分野 | 講師 | 生命科学 / 分子内分泌学 | 閉経周辺期における脂肪組織局所エストロゲンの機能変容(ホルモン変動が脂肪の働きと代謝健康へ及ぼす影響の解明) |
| 陳 君怡(ちぇん ちゅんいー) | 東京科学大学 フロンティア材料研究所 | 准教授 | 環境・エネルギー材料 / 電気化学 / ナノ材料化学 | 二機能性ヨークシェル電極触媒による高付加価値化学品と水素の共生成(ナノ触媒で水素と高付加価値化学品を同時生成する技術開発) |
| 平田 恵理(ひらた えり) | 北海道大学大学院 歯学研究院 口腔機能補綴学教室 | 助教 | バイオマテリアル / 補綴歯科学 / 歯科理工学 / ナノマテリアル | 透明ナノファイバーを用いた次世代骨再生用膜の開発(天然由来の透明ナノファイバー膜で骨再生を促進し審美性を考慮した治療法を目指す) |
| 藤川 理沙子(ふじかわ りさこ) | 福岡大学薬学部 臨床疾患薬理学 | 講師 | 神経科学 | 脳の自己回復力を支えるミクログリアの探索とアルツハイマー病治療への展開(ミクログリア制御で脳の回復力を引き出し認知症治療を目指す) |
| 皆川 智子(みなかわ さとこ) | 弘前大学 医学部附属病院 検査部 | 助教 | 臨床検査医学 / 漢方 / 皮膚科学 | 生物学的製剤で治療中の乾癬患者においてParadoxicalな反応を示すバイオマーカーの探索(血中サイトカイン解析で治療指標を提示) |
| 八木 直美(やぎ なおみ) | 兵庫県立大学 先端医療工学研究所 | 准教授 | 医用工学 | スマート生殖医療が導く個別化胚移植ナビゲーション技術の創出(AI解析による個別化胚移植ナビで胚移植の成功率向上を目指す) |
選出の概況
第19回の選考は137名の応募者から行われ、最終的に10名が選ばれました。各受賞者の研究は、基礎科学から応用・臨床、ものづくりやエネルギー、医療技術まで幅広くカバーされています。助成は研究の直接的推進に加え、研究継続のための環境整備にも使える点が強調されています。
研究助成期間は2026年6月から2027年5月で、各研究がどのように進展するかは今後のフォローアップで報告されます。また資生堂は過去の追跡調査により、本グラントの受賞者のうちキャリアの中核期にある研究者の半数以上が機関長または教授相当の指導的立場で活躍していることを報告しています。
授賞式・研究報告会の詳細と当日のプログラム
第19回の授賞式および関連する研究報告会は、2026年7月24日(金)に資生堂グローバルイノベーションセンター3Fホール(神奈川県横浜市西区高島1-2-11)で開催されます。開催時間は10:15から18:30です。
式典のテーマは「行政、アカデミア、企業、それぞれの視点から女性研究者活躍のために必要なことを考える」で、多様なステークホルダーが登壇し、産官学の視点から議論を行います。
当日の主なプログラム
- 10:15~18:30 開催(式典・研究報告・懇親会を含む)
- 挨拶、受賞楯授与:株式会社資生堂 取締役 代表執行役 社長 CEO 藤原憲太郎
- 来賓挨拶:文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課 人材政策推進室長 相原恵子様
- 基調講演:国立研究開発法人科学技術振興機構 前プログラム主管 山村康子先生
- 祝辞:株式会社資生堂 ディビジョンオフィサー グローバルブランドプレジデント 冨田千晶
- 審査講評:株式会社資生堂 執行役 チーフオフィサー チーフイノベーションオフィサー 東條洋介
- 受賞者OG講演:神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 教授/研究科長 佐藤春実先生
- 社外審査員講演:東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 教授 近藤高志先生
- 第19回受賞者による受賞コメント
- 第18回受賞者9名による研究発表および討論(研究報告会)
- 懇親会
式典では、行政側や研究機関、企業それぞれの立場からの発表・討議が予定されており、女性研究者が活躍するために必要な支援体制や組織の在り方について多面的な議論が行われます。登壇者には文部科学省や研究機関出身の有識者、現場で活躍する研究者が含まれます。
日本の研究環境の課題と本グラントの役割
日本のSTEM領域でのジェンダー・ギャップ解消への認識が高まる中、研究組織の意思決定層に多様な視点を取り入れること、そして現場で多様性を尊重する土壌を育むことが重要です。本グラントは、研究費支援にとどまらず、受賞者ネットワークや対話の機会を提供することで、長期的なキャリア形成支援を志向しています。
資生堂の追跡調査では、本グラントの過去受賞者のうち、キャリアの中核期を迎えた研究者の半数以上が指導的立場に就いていること、さらに文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞した研究者が20名以上に上ることが確認されています。これらの事実は、本グラントが個々の研究者の努力と併せてキャリア形成の一助となっていることを示しています。
関連データと出典
- 総応募者数・受賞者数
- 総応募者数137名、受賞者10名(第19回)
- 助成額
- 各受賞者に対して100万円(研究活動およびライフイベント対応の環境整備に利用可能)
- 研究助成期間
- 2026年6月~2027年5月
- 出典(参考)
- 総務省 2025年科学技術研究調査要約: https://www.stat.go.jp/data/kagaku/kekka/youyaku/pdf/2025youyak.pdf
本記事の要点整理
以下は今回のリリースで示された主要な情報をわかりやすく整理した表です。本グラントの目的、今回の受賞者情報、授賞式の日時・会場、助成内容などを一覧化しています。最後に、本件に関する出典情報も合わせて示します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表者 | 株式会社資生堂(リリース日: 2026年7月16日 13時00分) |
| プログラム名 | 資生堂 女性研究者サイエンスグラント(第19回) |
| 応募者数/受賞者数 | 137名応募/10名受賞 |
| 助成金額 | 各受賞者 100万円(研究活動および出産・育児等の環境整備に柔軟に使用可) |
| 研究助成期間 | 2026年6月~2027年5月 |
| 授賞式・研究報告会 | 名称: 資生堂 女性研究者サイエンスグラント式典2026 日時: 2026年7月24日(金)10:15~18:30 会場: 資生堂グローバルイノベーションセンター 3Fホール(神奈川県横浜市西区高島1-2-11) |
| 当日の主な登壇者 | 藤原憲太郎(資生堂 CEO)/相原恵子(文部科学省)/山村康子(JST前プログラム主管)/冨田千晶(資生堂)/東條洋介(資生堂)/佐藤春実(神戸大学)/近藤高志(東京大学) 他 |
| 受賞者一覧 | 岩井愛、笠原朋子、片山奈理子、郭媛元、孫ユリ、陳君怡、平田恵理、藤川理沙子、皆川智子、八木直美(五十音順、敬称略) |
| 参考リンク | プレスリリース(資生堂) 資生堂 企業情報 |
本稿では第19回の選考結果と授賞式の構成、受賞者の研究概要および本グラントの位置づけに関する資生堂の説明を網羅的に整理しました。出典や詳細情報は資生堂のニュースリリースおよび総務省の調査資料を参照してください。