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6月24日発売|高畑勲と『火垂るの墓』7冊ノートを読み解く

『火垂るの墓』書籍化

開催日:6月24日

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『火垂るの墓』書籍化
この本って何が新しいの?
監督没後に見つかった「7冊の構想ノート」を詳細に読み解き、番組未収録の制作スタッフ証言や未公開資料2点、カラー口絵を収録。映画化過程の映像的仕掛けや編集の経緯が具体的に明かされる。
いつ発売でどこで買えるの?
発売は2026年6月24日。新潮社刊で定価1,980円。全国の書店や主要オンライン書店で購入可能。詳しい紹介ページや通販は新潮社の書籍ページを参照すると確実。

高畑勲の残した「7冊の構想ノート」と、そこから読み解く『火垂るの墓』の軌跡

NHKのETV特集をベースに書籍化された『高畑勲と「火垂るの墓」 ─「幻の脚本」と「7冊の構想ノート」を読み解く─』が、新潮社より2026年6月24日(水)に刊行される。発表は株式会社新潮社が2026年6月4日11時00分に行った。

本書は、没後に発見されたという高畑勲監督の「7冊の構想ノート」を中心に据え、原作小説からアニメーション映画へと移り変わる創作過程を丹念に追ったドキュメントである。監督自身が残した手書きのメモや設計図の断片、登場人物描写の変遷などを通じて、映画『火垂るの墓』がどのように練られていったのかが明らかにされる。

NHK ETV特集で大反響のドキュメンタリーが待望の書籍化――『高畑勲と「火垂るの墓」』6月24日発売 画像 2

ノート発見の背景と、その重要性

高畑監督が亡くなった後に発見されたという7冊のノートには、野坂昭如による原作短編小説から映画になるまでの構想の過程が詳細に記されていた。ノートには、場面構成の試行錯誤、登場人物の感情移入の仕方、映像表現の実験などが書き残されており、監督の思考過程を追う手がかりが豊富に含まれている。

著者の寺越陽子は、NHKのディレクターとしてETV特集『火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート』を制作した人物であり、番組で扱いきれなかった資料や証言を加筆して本書を上梓している。番組と書籍の相互関係を理解することは、映画史的な再評価にとって重要だ。

  • ノートの中身:場面メモ、イメージボード、脚本草案など。
  • 発見後の検証:制作スタッフの証言照合、既存資料との比較検討。
  • 書籍の価値:番組放送では収録できなかった詳細な分析と新事実の追加。
NHK ETV特集で大反響のドキュメンタリーが待望の書籍化――『高畑勲と「火垂るの墓」』6月24日発売 画像 3

作品に導入された「仕掛け」と、その解析

書籍では、原作小説にはない映画オリジナルの仕掛けが具体的に取り上げられている。たとえば、幽霊としての清太と節子が画面に入れ替わるように登場する演出、原作に一度だけしか出てこないサクマ式ドロップ缶を映画では要所に繰り返し登場させる構成、蛍の光による節子の表情変化などが挙げられる。その意図と効果がノートや関係者の証言を通じて分析される。

これらの「仕掛け」は、単なる脚色ではなく、観客の感覚を操作し、物語の受け取り方を変えるための映像的工夫として位置づけられる。本書は具体的な場面を参照しながら、その映像表現がどのように構築されたかを読み解いていく。

NHK ETV特集で大反響のドキュメンタリーが待望の書籍化――『高畑勲と「火垂るの墓」』6月24日発売 画像 4

代表的なオリジナル要素の具体例

  1. 幽霊の清太・節子の反復登場:ノート4冊目に記された記述を起点に解説。
  2. サクマ式ドロップ缶の反復使用:原作との対比を示し、映画的効果を論じる。
  3. 蛍を使った表情の表現:節子の微妙な表情変化に関するメモと絵コンテを提示。

これらの項目は本書の第2章、第4章、第7章などで詳述されている。書籍は章ごとにノートの該当箇所や関係する制作資料を参照しながら読み進められる構成になっている。

ETV特集の反響、配信による再評価、そして書籍化の位置づけ

ETV特集『火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート』は2025年8月に放送され、放送直後からSNS上で大きな反響を呼んだ。視聴者からは「今だからこそ観るべき素晴らしいドキュメンタリーだった」「凄い番組だった……」「高畑勲の恐ろしさを感じた」といった評価が寄せられた。

この反響は、映画『火垂るの墓』が2024年にNETFLIXで世界配信されたことを契機として、国内外で再び注目を集めた社会的背景と連動している。配信をきっかけに複数の国で劇場公開が相次ぎ、作品の受容は新たな局面を迎えている。

「反戦映画ではない」という監督の言葉

本書および放送で多く取り上げられた点の一つが、高畑監督が生前に繰り返し述べていたという「これは反戦映画ではない」という言葉である。寺越はこの発言の意味を、ノートの記述や制作現場での発言、関係者の証言を通じて検討し、監督が遺した問いかけの性格を明らかにしている。

2013年6月14日、スタジオジブリ第7スタジオのバルコニーで、監督は「ぼくは火垂るの墓を全然完成しないで封切った」と語ったという。その発言から本書は、完成の概念や編集決定、カットされたシーンとその意味についても深掘りしている。

書籍の構成、仕様、著者情報と収録資料の内容

本書は寺越陽子(NHK首都圏局ディレクター)による初の著書であり、ETV特集で扱いきれなかった制作スタッフによる証言や放送後に判明した新事実を加筆している。カラー口絵8ページには13点の画像が掲載され、そのうち2点は初公開資料となっている。

書籍の体裁は四六判224ページ、定価1,980円(税込)、ISBNは978-4-10-357081-3である。新潮社の書籍紹介ページ(https://www.shinchosha.co.jp/book/357081/)が案内ページとして設けられている。

タイトル
高畑勲と「火垂るの墓」 ─「幻の脚本」と「7冊の構想ノート」を読み解く─
著者
寺越陽子(てらこし・ようこ)
発売日
2026年6月24日(水)
造本
四六判・224ページ
定価
1,980円(税込)
ISBN
978-4-10-357081-3

目次と主な章立て

本書は冒頭のカラー口絵に続き、『はじめに』から第1章~第8章、および『おわりに』で構成される。章立ては以下の通りで、各章でノートの該当部分や制作過程の詳細が提示される。

  • 第1章 自宅に遺されていた構想ノート
  • 第2章 ノート4冊目に記された「幽霊の清太」
  • 第3章 高畑さんが「一番悩んでいたのは」
  • 第4章 「幻の脚本」
  • 第5章 戦後40年経ってのアニメーション映画
  • 第6章 高畑監督も「清太」だった
  • 第7章 土壇場でカットされた10分間と線画で公開された3つのシーン
  • 第8章 ドキュメンタリー取材を受けない三つの理由
  • おわりに――「これは反戦映画ではない」高畑さんが遺した問いかけ

書籍は資料と証言を照合しつつ、作品理解を深めるための手がかりを順序立てて提示している。特に第4章の「幻の脚本」や第7章の未公開シーンに関する記述は、これまで知られていなかった事実を含む。

著者・寺越陽子について

寺越陽子は1980年金沢市生まれ。日本大学芸術学部卒業後、フリーランスを経て東北新社入社、2018年にNHKに入局した。ETV特集をはじめとするドキュメンタリー制作の経歴を持ち、本書が初の単著である。

主な制作作品には、スタジオジブリの長編『かぐや姫の物語』の制作過程を約2年半記録した番組(2014年)、『養老センセイとまる』(2017年)、『ネコメンタリー 猫も、杓子も。』シリーズなどがある。2025年8月に放送されたETV特集が、本書刊行の出発点となっている。

記事内容の要点整理(書籍データと主要ポイントの一覧)

以下の表は、本記事で触れた刊行情報と本書の主要な特徴を整理したものだ。書籍の基本データと、収録されている主要テーマを一覧化している。

項目 内容
書名 高畑勲と「火垂るの墓」 ─「幻の脚本」と「7冊の構想ノート」を読み解く─
著者 寺越陽子(NHKディレクター)
出版社 新潮社(株式会社新潮社が発表)
発売日 2026年6月24日(水)
発表日(リリース) 2026年6月4日 11時00分
造本・頁数 四六判・224ページ(カラー口絵8ページ、画像13点、うち初公開2点)
定価 1,980円(税込)
ISBN 978-4-10-357081-3
主題 高畑勲の7冊の構想ノートを通じた『火垂るの墓』制作の全貌と新事実、未公開資料の提示
関連放送 ETV特集「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」(2025年8月放送)
関連背景 映画『火垂るの墓』は2024年にNETFLIXで世界配信が開始、以降国内外で再評価と劇場公開が相次ぐ
紹介URL https://www.shinchosha.co.jp/book/357081/

以上の内容は新潮社による書籍発表の情報に基づくものである。本書は、資料と証言をもとに高畑監督がどのようにして映画『火垂るの墓』を構想し、映像化へと結実させたかを、読者が段階的にたどることのできる構成になっている。カラー口絵や初公開資料を通じて、映像表現の細部と監督の思索の跡を視覚的にも確認できる一冊である。