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Cisco Cloud Control:AIと人が共働する統合基盤

Cloud Control発表

開催日:6月2日

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いつから使えるの?
米国ではControlled Availabilityとして2026年6月2日から限定提供を開始。グローバル展開は順次予定で、一部機能は2026年7月や12月目標で段階的に提供されます。
人とAIは具体的にどう協働するの?
同一のデータレイヤと運用コンテキストを共有し、AIエージェントが検知〜修正〜検証まで支援。可視性とガバナンスを維持して最終判断は人が行います。

人とAIが同じ“運用コンテキスト”で協働する統合基盤:Cisco Cloud Controlの全体像

シスコシステムズ合同会社は、2026年6月3日午前9時に発表資料を通じて、重要ITインフラを人間のオペレーターと信頼できるAIエージェントが共同で運用・防御するための統合プラットフォーム「Cisco Cloud Control」を公表しました。発表は米国のイベント「Cisco Live US」で行われ、同製品は米国において2026年6月2日よりControlled Availabilityで限定提供を開始し、その後グローバル展開が予定されています。

Cisco Cloud Controlは、シスコが掲げる「AgenticOps(エージェントによる運用)」のビジョンを前進させる中核的な存在です。1回のログインでネットワーキング、セキュリティ、コンピューティング、オブザーバビリティ、コラボレーションといった複数ドメインを単一のセキュアな環境に統合し、人とエージェントが同一のデータレイヤーと運用コンテキストを共有することを目指します。

シスコのプレジデント兼最高プロダクト責任者であるジーツ・パテルは、「AIエージェントはソフトウェアの速度で継続的に推論し行動します。これにより、重要インフラの拡張、管理、防御する方法が根本から変わります。Cisco Cloud ControlはエージェンティックAIのためのコマンドセンターであり、チームとAIエージェントが同じ環境で、同じ情報を共有しながら協働できるプラットフォームであり、人間が最終的な意思決定を担います」と述べています。

運用と意思決定を支える主要機能:テレメトリ、専用モデル、信頼できるエージェント

Cisco Cloud Controlは領域横断的なデータ統合を重視します。複数の運用領域にまたがるクロスドメインテレメトリによって、ネットワーク、セキュリティ、オブザーバビリティ、コラボレーションといったデータがプラットフォームに集約されます。これにより、オペレーターとエージェントは同一の情報基盤に基づいて対応ができます。

また、専用設計モデルと先端モデルを組み合わせるアプローチを採用しています。シスコが40年にわたって蓄積した運用ネットワークデータに基づく『Cisco Deep Network Model』を含むモデル群により、問題の複雑さに応じて推論の精度と拡張性を確保します。これにより、単にモデル規模に依存するのではなく、課題に応じたシステムインテリジェンスが実現されます。

信頼できるエージェントの設計と運用プロセス

プラットフォーム上で動作するエージェントは、オペレーターと協働して問題検知から修正、事前検証、ユーザー体験の回復確認までを構造化されたプロセスで実行します。シスコのテレメトリと専用モデルを駆動源とし、Expanded Experience Metrics、Deep Reasoning、Digital Twin、Cisco Agentic Workflowsといった機能を活用します。

人間側は最終的な主導権を保持しつつ、可視性とガバナンスを維持した上でエージェントループを通じて運用自動化を進められます。プロセスは以下のような段階で構成されます。

  • 問題の検知
  • 原因の特定
  • 修正の実行
  • 変更の事前検証
  • ユーザー体験の回復確認

運用者とエージェントが共に作業するワークスペースと開発環境

Cisco AI Canvasは、オペレーターとエージェントが同じライブデータに基づいてリアルタイムで調査・解決を行うマルチプレイヤー型の生成AIワークスペースです。コンテキストはシフト交代やエスカレーションの間も保持され、情報の欠落や重複を防ぎます。

Cloud Control Studioは2つの設計空間を提供します。Agent Builderでは、顧客独自のポリシーやワークフローに合わせたエージェントを構築でき、ネイティブコネクタやオープンなModel Context Protocol(MCP)を通じて50以上のサードパーティプラットフォームと接続可能です。App BuilderにはOpenAI CodexのAIコーディングアシスタントが内蔵され、自然言語プロンプトからCloud Control向けのアプリやワークフローを作成して公開できます。

Studioで構築されたアセットやシスコエコシステムのアプリ・エージェントはCloud Control Marketplaceを通じて公開可能で、AWS、Linear、ServiceNow、Slackなど広範なエコシステムとの接続性が想定されています。

防御強化と量子対策:Live Protect、Hybrid Mesh Firewall、Quantum Ready Assessments

AIの普及により脆弱性の発見から悪用までの期間が短縮される中、シスコは複数のセキュリティイノベーションを合わせて発表しました。中核となるのが、リアルタイムで防御を指揮するセキュリティコマンドセンターとしてのCisco Cloud Controlです。

防御に関する主要な取り組みは次のとおりです。

Live Protect:実行時保護の拡張

Live Protectはシスコ製品のデジタル免疫システムとして機能し、サポート対象プラットフォームにおいて新たに発見され優先順位の高い脆弱性から実行時にシステムを保護します。再起動やアップグレード、メンテナンスウィンドウは不要です。現時点ではNexus 9000スイッチで利用可能であり、該当機能は製品ライセンスに含まれています。シスコは今後数ヶ月で対応製品をさらに拡大する予定としています。

Hybrid Mesh Firewallはネットワーク、アプリケーション、そしてシスコやサードパーティのファイアウォール全体に統合的な保護を拡張し、障害発生時の影響範囲(ブラストラジアス)を制限する機能を提供します。

エージェントの保護とエージェントからの保護

AIエージェントの普及に伴い、安全な実行環境が不可欠となっています。シスコはRSACでAI Defense、エージェント向けゼロトラスト、Agentic SOCなどを含むエージェント型セキュリティポートフォリオ全体にわたる新機能を発表しました。これらはAIエージェントを外部脅威から守ると同時に、エージェント自身が持ちうるリスクを低減することを目的としています。

シスコはまた、Anthropic社の「Project Glasswing」やOpenAI社の「Daybreak」に参画し、フロンティアAIモデルを用いた自社製品のストレステストを実施しています。得られた知見は独占することなく、この分野の評価基準として最近オープンソース化した『Foundry Security Spec』を通じて公開されています。

量子セキュリティとQuantum Ready Assessments

「即時収集し、後で解読する(Harvest now, decrypt later)」攻撃への対策として、シスコは量子耐性のロードマップを提示しました。主要な要点は次のとおりです。

  1. 量子耐性通信の拡大:2026年12月までにシスコの主要ポートフォリオの大部分で量子耐性通信機能を有効化することを目指す。
  2. 量子耐性を標準搭載:今後発売されるエンタープライズおよびデータセンター向けルーター、スイッチ、ファイアウォールには量子耐性のあるセキュアブートを搭載する予定。
  3. Quantum Ready Assessments:Cisco IQを通じて提供され、HNDL攻撃に対して最もリスクの高い資産を特定するサービスを2026年7月からグローバルで提供開始する計画。

これらを支える構造的アプローチとして、量子耐性通信と量子耐性製品の2つの柱に基づいた『Quantum Resilience Framework』が提示されています。

Cisco IQとResilient Infrastructure Services:サポート・評価・実装の設計

長期的なレジリエンス強化の柱として、シスコはCisco IQとResilient Infrastructure Servicesを発表しました。これらはサポートおよびプロフェッショナルサービス向けのAI活用基盤であり、ゼロトラスト原則に基づくプレイブックとサービス提供を通じて顧客の対応を支援します。

Resilient Infrastructure Servicesは3段階のアプローチを採ります。『暴露評価』『インフラの刷新』『防御レジリエンス』という段階的なプロセスによって、フロンティアモデルがもたらす脅威リスクの軽減を目指します。

Cisco IQの機能と提供形態

Cisco IQは、AI主導のインサイトとPeer Benchmarking機能を備え、匿名化されたデータを用いて同規模企業や同業他社との比較を行い、サポート終了リスクや脆弱性発生率に関するデータドリブンな視点を提供します。データ主権要件に対応するため、Cisco IQはオンプレミスでの導入オプションもサポートします。

これらのCisco IQ関連機能は2026年7月よりグローバルで提供開始予定とされています。サービスの導入にあたっては、顧客の環境や規制要件を踏まえた評価が示される想定です。

提供時期、対象製品、ライセンス、注意事項

シスコは発表資料内で、いくつかの機能や製品が開発段階にあること、提供時期は変更される可能性があることを明示しています。提供スケジュールの変更についてシスコは責任を負わない旨の注記も付記されています。

主要なスケジュール情報は以下の通りです。

2026年6月2日
米国でCisco Cloud ControlのControlled Availabilityの限定提供を開始。
2026年7月
Quantum Ready AssessmentsおよびCisco IQ関連機能をグローバルで提供開始予定。
2026年12月までの目標
シスコの主要ポートフォリオの大部分で量子耐性通信機能を有効化することを目指す。

Live Protectは既にNexus 9000スイッチで利用可能であり、該当機能は製品ライセンスに含まれています。今後数ヶ月でさらに多くのシスコ製品が対象に追加される見込みです。

なお、本発表資料は2026年6月2日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳であり、関連英文ブログや詳細資料がシスコのニュースルームに掲載されています。関連リンクは次のとおりです。

まとめ:発表内容の要点整理

以下の表は、この記事で取り上げた主要な発表点や機能、提供時期を整理したものです。各項目は発表資料に基づく情報を可能な限り忠実にまとめています。

項目 内容
製品名 Cisco Cloud Control
提供開始 米国でControlled Availabilityを2026年6月2日より開始、順次グローバル展開予定
主な機能 クロスドメインテレメトリ、専用設計モデル(Cisco Deep Network Model含む)、信頼できるエージェント、Cisco AI Canvas、Cloud Control Studio(Agent Builder、App Builder)、Cloud Control Marketplace
サードパーティ連携 AWS、Linear、ServiceNow、Slackなど、50以上のプラットフォームと接続可能(MCP対応)
セキュリティ強化 Live Protect(実行時保護、Nexus 9000で利用可能)、Hybrid Mesh Firewall、AI Defense、エージェント向けゼロトラスト、Agentic SOC
量子対策 量子耐性通信の拡大目標(2026年12月まで)、量子耐性搭載製品、Quantum Ready Assessments(2026年7月提供開始予定)、Quantum Resilience Framework
Cisco IQ / サービス Resilient Infrastructure Services(暴露評価・インフラ刷新・防御レジリエンス)、Cisco IQによるオンプレ導入オプションとPeer Benchmarking、2026年7月より関連機能提供開始予定
注記 発表に含まれる製品や機能には開発段階のものが含まれ、提供時期は変更される可能性がある。本文は2026年6月2日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳に基づく。

今回の発表は、エージェンティックAI時代における重要インフラの運用と防御を一体的に扱うことを狙った包括的な取り組みを示しています。シスコはネットワークに蓄積された知見を活用しつつ、AIエージェントの安全な運用、実行時保護、量子時代に向けた準備といった複数の側面を同時に進める方針を示しています。発表資料や関連英文ブログを参照することで、個々の機能や導入要件の詳細を確認できます。