JPYCがシリーズBで追加28億円調達、社会実装へ
ベストカレンダー編集部
2026年4月20日 20:49
シリーズBセカンドクローズ
開催日:4月20日
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シリーズBセカンドクローズで28億円を追加調達 — 累計約46億円に
JPYC株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:岡部典孝)は、2026年4月20日15時30分の発表において、シリーズBラウンドのセカンドクローズで28億円の追加資金調達を完了する予定であると明らかにしました。本ラウンドの1stクローズと合わせ、シリーズBラウンドでの累計調達額は現時点で約46億円となる見込みです。
本調達は、日本円ステーブルコイン「JPYC」の発行・運営を行うJPYCの事業フェーズが、実証段階から社会実装フェーズへ移行するタイミングで行われます。調達資金は金融とweb3の両領域におけるエコシステム拡大に活用され、資金移動業型ステーブルコインの社会実装を一層加速することが目的とされています。
発表の背景と現状
JPYCは2025年8月に資金移動業の登録を行い、同年10月に日本円ステーブルコイン「JPYC」の発行を開始しました。発行開始以降、クレジットカード払い、web3ウォレットによる決済、実店舗での決済スキーム等、複数の利用プロジェクトが稼働を開始しています。
今回のセカンドクローズは、技術的な基盤整備や事業体制の強化を通じて、ユースケースを点から面へ広げ、日本円のデジタル流通におけるデファクトスタンダードを確立するための基盤強化を目的としています。
資金の使途:システム強化、人材採用、事業推進、戦略投資の4点
JPYCは調達資金を、システム・アプリ開発、人材採用、ステーブルコイン関連事業、そして新たな成長機会への戦略投資の4点に重点投資すると明示しています。以下で各項目の目的と具体的な取り組みを整理します。
各領域は相互に連携しており、技術基盤の強化と事業推進を同時に進めることで社会実装を加速する計画です。
1. システム及びアプリケーションの開発
発行残高の急拡大に耐えうる金融機関水準のセキュリティと内部統制を備えたシステム基盤を構築します。マルチチェーン展開のさらなる拡充を図り、スマートコントラクトを活用したオンチェーンサービスの拡張を進めます。
また、AIエージェントが自律的に価値の送受信を行う「M2M(Machine to Machine)決済」のネイティブ通貨としてJPYCが機能するよう、ユーザーおよび導入企業にとって摩擦の少ない開発環境の提供に投資します。
2. 事業開発に必要な人材の採用
JPYCエコシステムを社会インフラとして定着させるため、組織体制を大幅に強化します。決済導入やユースケース開拓を牽引する事業開発人材をはじめ、金融機関との連携や法規制対応を担う法務・コンプライアンス人材、AML/CFT体制構築、ブロックチェーン専門家の採用に重点投資します。
人材採用に関する詳細は代表インタビュー(https://note.com/jpyc/n/n9dc757f50532)も参照されており、同社は“責任を力に変える”スペシャリストの採用を掲げています。
3. ステーブルコインの発行・償還等に関する事業
消費者向け決済ユースケースの開拓に加え、BtoB送金や将来的なデジタル給与払いを見据えた法人向け基盤の拡充を進めます。発行・償還、取引、決済及び管理並びにその支援に関する事業へ直接的に資金を投じ、導入支援を強化します。
この取り組みは、実店舗決済やEC決済、国境を越えた支払いなど実需に基づく利用の拡大を支えることを目的としています。
4. 新たな成長機会への戦略的投資
web3・デジタル金融の市場環境が急速に変化する中で、新たなユースケース創出や戦略的アライアンスへの柔軟かつ迅速な投資を行う方針です。これにより市場変化へ機動的に対応するとしています。
戦略的投資は、技術連携やプラットフォーム統合、AI領域でのデモや実証実験などを含む幅広い分野を想定しています。
利用実態の数字と提携先、マルチチェーン戦略
JPYCの利用は短期間で拡大しています。2026年4月15日時点で累計発行額は21億円を突破し、直近3か月で約2.6倍の成長ペースとなっています。日次の資産回転率が流通額の100%を超えるなど、決済・送金・交換のために「常に動き続けるお金」としての利用が進んでいる点が特徴です。
ユーザー面では、直接のアカウント開設数が17,000件である一方、JPYCを保有したウォレットアドレスは137,000アドレスに達しています。これは同社アカウントを介さないユーザー間での流通も活発であることを示します。
マルチチェーン対応と今後のチェーン検討
現時点でJPYCはAvalanche、Ethereum、Polygonの3つのブロックチェーンで発行されています。各チェーンはそれぞれ異なる経済圏を指し示し、用途や特性が分かれています。
- Ethereum:DeFiや大口決済の中心(金融街)
- Polygon:NFTやゲームなどエンタメ利用が活発(商業・娯楽地区)
- Avalanche:高速処理を活かした即時決済向け(高速道路・物流網)
さらに、Kaia(デジタルモール・広場)やArc(エンタープライズセンター)などのチェーン対応の追加検討も明示されています。JPYCはこれら異なる経済圏をつなぐ「共通通貨」としての地位確立を目指しています。
提携・導入事例とAI時代への取り組み
JPYCはメガプレイヤーや金融機関との提携、実店舗・国際導入などでユースケースを拡大しています。主な連携としては、ソニー銀行とのMOU締結や、LINE NEXTの次世代Web3ウォレット「Unifi」での正式採用が挙げられます。
また、次世代免税還付モデルの構築に向けて株式会社日本免税と共同で取り組みを開始しており、Hashport Walletを活用した実店舗決済の導入やECサイトでの決済も進んでいます。国外ではエルサルバドルの実店舗でのクロスボーダー決済が確認されています。
技術面では、AIエージェント同士が自律的に価値を交換するM2M決済インフラとしての位置づけを明確にし、2026年4月に開催された「AI・人工知能 EXPO」では日本円ステーブルコインによるAI決済の実演デモを国内でいち早く公開しています。
投資家一覧、代表コメント、会社概要と要点整理
セカンドクローズの引受先(順不同)は下記のとおりです。出資者リストはシリーズBの信認を示すもので、金融機関やベンチャーキャピタル、戦略投資家など多様なステークホルダーが名を連ねています。
- 株式会社NCBベンチャーキャピタル
- テクミラホールディングス株式会社
- 株式会社メタプラネット
- キャナルベンチャーズ
- SUMISEI INNOVATION FUND(住友生命保険相互会社)
- i-nest capital株式会社
- NTVP
- 株式会社北洋銀行
- 横浜キャピタル株式会社
- その他
代表コメントと投資家コメント(要旨)
代表取締役の岡部典孝氏は、今回のセカンドクローズに際して投資家への感謝を表明するとともに、JPYCがパーミッションレスな形でパブリックチェーン上での利用を広げ、AI時代における新たな金融インフラの構築と次世代の経済圏創出に挑戦し続ける意向を示しています。
出資者からは、JPYCの社会実装を支援する期待の言葉が寄せられています。テクミラホールディングスはコンシューマ領域での利用環境向上を目指す連携強化を表明し、メタプラネットはデジタル法定通貨インフラとの統合の重要性を指摘しています。キャナルベンチャーズ、SUMISEI INNOVATION FUND、i-nest capital、NTVP、北洋銀行、横浜キャピタルなどからも、それぞれ事業支援や期待を示すコメントが発表されています。
会社概要と主要情報
- 会社名
- JPYC株式会社
- 代表者
- 代表取締役 岡部 典孝
- 所在地
- 東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル4階 FINOLAB内
- 設立
- 2019年11月
- 事業内容
- 電子決済手段の発行及び償還、ステーブルコイン等ブロックチェーンに関するコンサルティング等
- 加入団体
- ブロックチェーン推進協会(BCCC)、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)、日本資金決済業協会、Fintech協会、DCC、JPCrypto-ISAC、JVCEA など
- 公式サイト
- https://corporate.jpyc.co.jp/
- X(Twitter)
- https://x.com/jpyc_official
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日時 | 2026年4月20日 15時30分 |
| 追加調達額(セカンドクローズ) | 28億円 |
| シリーズB累計調達額(見込み) | 約46億円(1stクローズと合算) |
| 資金使途(4点) | システム・アプリ開発、人材採用、ステーブルコイン関連事業、戦略的投資 |
| 累計発行額(2026/04/15時点) | 21億円 |
| 主要利用指標 | アカウント開設数:17,000件、保有ウォレットアドレス:137,000アドレス、日次資産回転率:流通額の100%超 |
| 発行チェーン | Avalanche、Ethereum、Polygon(Kaia、Arcは追加検討中) |
| 主要パートナー | ソニー銀行(MOU)、LINE NEXT(Unifi採用)、日本免税(次世代免税還付モデル)、Hashport Wallet、実店舗導入(国内外) |
| 代表者 | 岡部 典孝(代表取締役) |
今回のセカンドクローズでは、多様な投資家の参加により資金基盤が強化され、JPYCは技術基盤の強化、人材体制の拡充、事業展開の加速を通じて、日本円ステーブルコインの社会実装をさらに推し進める計画です。本記事では発表された数値、資金使途、提携関係および会社の基本情報を整理しました。