QPSの小型SAR「ミクラ‑Ⅰ」が5月以降に打上げへ
ベストカレンダー編集部
2026年4月10日 07:51
ミクラ‑Ⅰ打上げ計画
開催日:5月1日
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ミクラ‑Ⅰ(QPS‑SAR13号機)の打上げ計画とミッションの全容
株式会社QPS研究所は、2026年4月10日05時40分付の発表において、小型合成開口レーダー(SAR)衛星QPS‑SAR 13号機の愛称を「ミクラ‑Ⅰ(MIKURA)」とし、米国Rocket Lab社のElectronロケットにより2026年5月以降に打上げる予定であると公表しました。発表には打上げウィンドウや投入軌道、打上げ射場などの具体的な事項が含まれています。
打上げは専用ロケット(専用打上げ)として実施される予定です。日程は天候等の影響により順延する可能性があり、変更が生じた場合はQPS研究所の公式ウェブサイトや公式SNSにて随時案内されることが明記されています。
打上げに関する主要データ
発表内容から整理すると、打上げに関する主なスペックは以下のとおりです。
- 打上げロケット:Rocket Lab社 Electron
- 打上げウィンドウ:2026年5月以降(天候等により順延の可能性あり)
- 投入予定軌道:中傾斜軌道、想定高度575km
- 打上げ射場:ニュージーランド・マヒア半島 Rocket Lab Launch Complex 1
- ミッション名:“The Grain Goddess Provides”(Electron側で設定)
- ミッションページ(英文):https://www.rocketlabcorp.com/missions/launches/the-grain-goddess-provides
また、QPS研究所側の説明では衛星番号はロケットとの打上げ契約締結順で割り振られるため、今年(2026年)の13号機は、契約順序の関係で2025年に先行して打上げられた14号機・15号機より後に投入される例であることが示されています。
Electronの今回のミッションネームはQPS‑SAR13号機の愛称にちなみ「The Grain Goddess Provides」とされ、ミッションパッチには稲穂をモチーフにした図柄が採用されています。パッチ上に描かれる7つの星は、これまでElectronによって打ち上げられたQPS‑SARの数を示すと説明されています。
Rocket LabとElectronロケットの位置付け
発表には、打上げを担うRocket Lab社についての説明も含まれており、同社の沿革や運用実績が整理されています。Rocket Lab社は2006年設立で、本社はカリフォルニア州ロングビーチにあります。
Electronは2018年1月の最初の打上げ以来、米国内で年間2番目に打上げ回数が多いロケットとなっており、民間および公的機関の200機以上の衛星を軌道投入してきたことが紹介されています。現在、同社はニュージーランドに2基、バージニア州(米国)に2基の合計4つの発射台を保有しているとされています。
Rocket Labに関する箇条整理
- 設立年
- 2006年
- 本社
- カリフォルニア州ロングビーチ
- 主な実績
- 2018年1月の初打上げ以降、200機以上の衛星を投入
- 発射台
- ニュージーランド2か所、バージニア州2か所(計4か所)
Rocket Lab側は、各ミッションに固有のミッションネームとミッションパッチを設定しており、今回のミッションはQPS側の愛称を反映した命名・デザインになっています。ミッションの詳細は上記の英語公式ページで公開されています。
QPS‑SARプロジェクトの技術的特徴と命名の背景
QPS研究所は独自の展開式アンテナ(特許取得)を開発しており、これにより従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストで高精細画像が取得できる小型SAR衛星「QPS‑SAR」を実現しています。QPS‑SARは商用民間SARとして世界トップレベルの46cm分解能の画像取得が可能であると明記されています。
同社は2028年5月末までに24機、2030年には36機の衛星コンステレーションを構築し、平均10分間隔という準リアルタイム観測データ提供サービスを目指す計画を掲げています。コンステレーションは複数の人工衛星を組み合わせて高頻度な地球観測を行うシステムであると説明されています。
技術面と運用目標
- 展開式アンテナ(特許)により高出力の電波送信を実現
- 軽量・小型でありながら高解像度(46cm)を達成
- コスト効率化により多数機投入を可能にし、短間隔の観測を目標
QPS研究所は、衛星の小型化とアンテナ技術の革新により商用SARデータビジネスの競争力を高める方針を明示しています。具体的には、24機を2028年5月末までに、さらに36機体制を2030年に目指すスケジュールが示されています。
衛星の愛称とミッションマーク、会社情報
QPS‑SARプロジェクトでは日本神話の神名を衛星の愛称に採用しています。1号機は「イザナギ」、2号機は「イザナミ」と命名されており、商用機の3号機以降は軌道ごとに名前が付与される運用規則が説明されています。今回の13号機は新たな傾斜軌道に投入される1機目であるため「ミクラ(MIKURA)」と名付けられ、今回の機体は「ミクラ‑Ⅰ(ミクラ・ワン)」とされています。
ミクラは穀物・食物、豊かさを象徴する神として位置付けられており、ミッション名やミッションマークには農作物の生育を宇宙から見守るという趣旨が込められています。ミッションマークはQPS研究所のコーポレートカラーであるブルーを基調とし、食物を保管する「倉」と耕作の「畝」をモチーフにしています。さらに、傾斜軌道で観測域に多く入る大型都市圏の重要性を意識したデザインになっていることが説明されています。
ミッションマークの設計要素
- 基調色:QPS研究所のブルー
- モチーフ:倉(食物保管)・畝(耕作)
- 通算衛星数の表示:衛星底部に通算数を記載
- パッチ上の7つの星:Electronによって打ち上げられたQPS‑SARの数を示す
QPS研究所は、衛星の命名やミッションマークの設計を通じて、観測目的や軌道特性を表す視覚的な識別子を整備しています。
QPS研究所の沿革と組織、連携体制
QPS研究所は2005年6月に福岡で創業された宇宙開発企業です。社名のQPSは “Q-shu Pioneers of Space” の頭文字をとったもので、九州から宇宙産業の開拓者となるという由来が説明されています。
同社は九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、名誉教授らの経験と若手技術者・実業家が協働して衛星技術開発を進めてきました。また、北部九州を中心に全国25社以上のパートナー企業が技術継承や製造・開発に関与していることが明示されています。
会社概要(プレスリリース記載)
- 社名
- 株式会社QPS研究所
- 本社住所
- 福岡市中央区天神1-15-35 レンゴー福岡天神ビル6階
- 代表者
- 代表取締役社長 CEO 大西俊輔
- 創業
- 2005年6月
- URL
- https://i-qps.net/
- 事業内容
- 人工衛星、人工衛星搭載機器、精密機器、電子機器並びにソフトウエアの研究開発、設計、製造、販売
プレスリリースには2024年に撮影された集合写真なども言及され、同社の組織的背景と地元企業群との連携が示されています。関連の詳細はQPS研究所のニュースページ(https://i-qps.net/news/3576/)にも掲載されています。
要点の整理(表)と締めくくり
ここまでに記載した打上げ予定、軌道、ロケット、ミッション名、ミッションマーク、QPS‑SARの技術的特徴、会社情報などを表形式で整理します。以下の表は本記事で取り上げた主要事項を確認しやすくまとめたものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレスリリース発表日時 | 2026年4月10日 05時40分 |
| 衛星名(通称) | QPS‑SAR 13号機(愛称:ミクラ‑Ⅰ、MIKURA) |
| 打上げロケット | Rocket Lab社 Electron |
| 打上げウィンドウ | 2026年5月以降(天候等で順延の可能性あり) |
| 投入予定軌道 | 中傾斜軌道、想定高度575km |
| 打上げ射場 | ニュージーランド・マヒア半島 Rocket Lab Launch Complex 1 |
| ミッション名(Electron) | “The Grain Goddess Provides”(ミッションパッチは稲穂と7つの星をモチーフ) |
| QPS‑SAR技術の特徴 | 特許取得の展開式アンテナにより、従来比で質量20分の1、コスト100分の1、46cm分解能 |
| コンステレーション計画 | 2028年5月末までに24機、2030年に36機(平均10分間隔の観測を目標) |
| 会社概要(抜粋) | 株式会社QPS研究所(本社:福岡市中央区)代表:大西俊輔 創業:2005年6月 URL:https://i-qps.net/ |
| 関連リンク | Rocket Labミッション詳細(英語):https://www.rocketlabcorp.com/missions/launches/the-grain-goddess-provides QPS研究所ニュース:https://i-qps.net/news/3576/ |
上表はプレスリリースに含まれる情報を網羅的に整理したものであり、打上げ日程等に変更が生じた場合は、QPS研究所の公式発表やRocket Labのミッションページでの更新が案内される点が改めて示されています。
本記事は、QPS研究所が公表した情報に基づいて打上げ計画や技術的背景、組織情報を整理した報告です。