土偶の日 (記念日 10月9日)
- 制作時代
- 縄文時代(約1万年以上前〜約2,300年前)
- 国宝指定数
- 5体(すべて東日本出土)
- 初の国宝指定
- 縄文のビーナス(1995年・長野県茅野市)
- 代表的な土偶
- 縄文のビーナス、遮光器土偶、合掌土偶
- 記念日認定年
- 2016年(日本記念日協会認定)
- 日付の由来
- 「ど(10)ぐう(9)」の語呂合わせ
土偶は、今から約1万年以上前に始まる縄文時代につくられた素焼きの人形です。その多くが意図的に壊された状態で出土することが知られており、「なぜ壊されているのか」という謎は現代の考古学者たちを今もなお悩ませています。完全な形で発見されるケースは極めて稀で、バラバラになった破片が集落の異なる場所から出てくることさえあります。この不思議な事実が、土偶の用途をめぐる議論を一層深めています。
土偶の用途については、主にふたつの説が有力です。ひとつは「呪術・祈祷の道具」とする説で、病気や厄災を土偶に移し、それを壊すことで悪しきものを払おうとしたと考えられています。もうひとつは「豊穣・安産の祈り」とする説で、多くの土偶が女性をかたどっていることから、子孫繁栄や食料の豊かさを願う対象として機能したとされています。どちらの説も決定的な証拠には欠け、縄文人の精神世界の奥深さを感じさせます。
土偶の形は時代や地域によって多様で、それぞれに個性的な名称がついています。長野県茅野市の棚畑遺跡から出土した「縄文のビーナス」は、粘土に金色の雲母を混ぜた独特の光沢を持ち、1995年に縄文時代の出土品として初めて国宝に指定されました。青森県つがる市の亀ヶ岡遺跡を代表とする「遮光器土偶」は、北極圏のスノーゴーグルを思わせる巨大な目が特徴で、日本の土偶の中でも最も知名度の高いビジュアルといえるでしょう。青森県八戸市から出土した「合掌土偶」は体育座りで両手を合わせた姿が印象的で、縄文晩期の土偶として唯一完全な形で発見されたことでも知られています。
現在、縄文時代の土偶で国宝に指定されているのは全国で5体。いずれも東日本で出土しており、縄文文化の中心が東日本にあったことを示しています。各地の博物館や資料館に分散して所蔵されているため、一堂に会する機会は限られており、2018年に東京国立博物館で開催された「縄文―1万年の美の鼓動」展では史上初めて国宝土偶6件が揃い、大きな話題となりました。
10月9日は「土偶の日」です。「ど(10)ぐう(9)」の語呂合わせにちなみ、「土偶の日運営委員会」が制定し、2016年に日本記念日協会が認定しました。同委員会は土偶と縄文文化のポータルサイト「どぐぽた。」を運営し、広く縄文文化の魅力を発信しています。9月と10月を「土偶/縄文の文化推進月間」と位置づけ、考古学をより身近なものとして楽しんでもらう活動を続けています。遠い縄文人が土をこねて込めた祈りに、現代の私たちが思いを馳せる日として、この記念日はあります。
10月9日の他の記念日
10月9日のカレンダー情報
10月の二十四節気・雑節
- 寒露(かんろ) 10月8日(木)
- 霜降(そうこう) 10月23日(金)
- 秋の土用(どよう) 10月20日(火)