ALDの日 (記念日 10月2日)
- 制定者
- ALDの未来を考える会
- 認定年
- 2017年
- 日付の由来
- 五十嵐正紘医師が1976年10月2日に世界初のALD論文を発表
- 遺伝形式
- X連鎖性劣性遺伝(主に男性が発症)
- 根治治療
- 造血幹細胞移植(早期発見が前提)
- 国内患者数
- 受給者証所持者約250人(2022年度)
1992年公開のアメリカ映画「ロレンツォのオイル/命の詩」は、難病と診断されたわが子のために両親が独自に治療法を探し続ける実話を描いた作品です。その映画が世界に伝えた疾患が、ALD(Adrenoleukodystrophy=副腎白質ジストロフィー)です。
10月2日は、この難病の啓発を目的とした「ALDの日」です。日本の五十嵐正紘医師が1976年10月2日に世界で初めてALDの研究を医学誌に発表したことにちなみ、「ALDの未来を考える会」が制定して2017年に日本記念日協会に認定されました。
ALDは、副腎と中枢神経系の白質を侵すX連鎖性の遺伝性疾患です。X染色体上のABCD1遺伝子に変異が生じることで、超長鎖脂肪酸を分解する酵素が正常に働かなくなり、体内に超長鎖脂肪酸が蓄積して神経を破壊します。X染色体を1本しか持たない男性に重篤な症状が現れやすく、国内の患者数は指定難病の受給者証所持者ベースで約250人とされていますが、保因者を含めると実態はさらに広い範囲にわたると考えられています。
臨床像は大きく三つに分かれます。3〜10歳に発症する小児大脳型は最も深刻で、発症後数年で歩行・言語・視力を失い、植物状態に至るケースが少なくありません。成人以降に発症する副腎脊髄ニューロパチー(AMN)型は比較的緩やかに進行しますが、生涯にわたる症状管理が必要です。さらに、神経症状なく副腎不全のみを呈する型もあります。同一家系内でも発症型が異なることがあり、遺伝子変異だけでは臨床経過を予測しにくい点が診療を難しくしています。
現時点で根治が期待できる唯一の治療法は造血幹細胞移植ですが、神経症状が軽微な早期段階でなければ効果は限られます。映画の題材ともなった「ロレンツォオイル」はオレイン酸とエルカ酸を混合したもので、血中の超長鎖脂肪酸値を下げる効果が確認されていますが、大脳型の発症後に病勢を止める効果は示されていません。発症前の保因者男児に投与することで脳型への移行を遅らせる可能性が研究されており、発症前診断の意義が強調される所以です。国内でも新生児マス・スクリーニングへの導入が議論されており、患者と家族が適切な医療にアクセスできる環境づくりに向けて、この記念日が果たす役割は小さくありません。
10月2日の他の記念日
10月2日のカレンダー情報
10月の二十四節気・雑節
- 寒露(かんろ) 10月8日(木)
- 霜降(そうこう) 10月23日(金)
- 秋の土用(どよう) 10月20日(火)