土地の日 (記念日 10月1日)

土地の日
制定年
1997年(平成9年)
制定者
国土庁(現・国土交通省)
名称の由来
「土」を分解すると「十」と「一」(=10月1日)になることから
土地利用月間
10月1日〜31日
関連法令
土地基本法(1989年制定)

「土」という一文字を分解すると、「十」と「一」になります。つまり10と1——それが10月1日を「土地の日」とする発想の根拠です。漢字の構造を日付に見立てた洒落たネーミングですが、この記念日が生まれた1997年(平成9年)の日本には、土地をめぐる深刻な社会的背景がありました。

バブル経済の絶頂期、東京圏の地価は1987年前後にピークを迎え、日本全体の地価総額がアメリカ全土の約4倍に達したとも試算されています。「土地神話」という言葉が示すように、地価は永遠に上がり続けるという信仰が社会を覆い、投機目的の売買が横行しました。しかし1990年の総量規制を契機にバブルは崩壊し、地価は急落。金融機関には膨大な不良債権が積み上がり、日本経済は長期停滞の時代へと引きずり込まれました。

こうした反省を踏まえ、国は土地の適正利用を社会全体で考える機運を高めようと、国土庁(現・国土交通省)が「土地の日」を制定しました。単なる語呂合わせではなく、投機の対象ではなく生活・産業の基盤として土地を正しく活用しようという政策的メッセージが込められています。10月1日から31日の1か月間は「土地利用月間」と定められ、全国でシンポジウムや展示会など啓発イベントが開催されます。

土地基本法は1989年(平成元年)に制定され、「土地は公共の利害に関係する」という公共性の原則を明文化しました。それまで「所有すれば必ず得をする」とされてきた土地観を転換し、適正かつ計画的な利用を求める方向へ政策の軸足を移した重要な転換点です。「土地の日」はこの理念を毎年10月に再確認する機会として位置づけられています。

現代では、人口減少や都市部への集中が進む中で、地方の空き地・空き家問題や農地の荒廃といった新たな土地問題が顕在化しています。バブル期の過熱とは逆の意味で、土地の「使われなさ」が課題となっている点は興味深い変化です。国土交通省は毎年「土地月間作品コンテスト」なども実施し、土地問題を身近に考えるきっかけを発信し続けています。

10月1日に「土」の字をふと思い浮かべたとき、その一文字の背後に、バブルと崩壊、政策の模索、そして今なお続く土地をめぐる問いが積み重なっていることに気づかされます。

10月1日のカレンダー情報

六曜 仏滅
吉日 一粒万倍日、天赦日、神吉日
月齢 20.0

10月の二十四節気・雑節

  • 寒露(かんろ) 10月8日(木)
  • 霜降(そうこう) 10月23日(金)
  • 秋の土用(どよう) 10月20日(火)