日本酒の日 (記念日 10月1日)

日本酒の日
制定年
1978年(昭和53年)
制定者
日本酒造組合中央会
酒造年度の始まり
明治29年(1896年)の酒造税法で10月1日と制定
麹を使った酒造りの始まり
4世紀頃
清酒発祥の地
奈良・正暦寺(室町時代に三段仕込み・火入れ等を確立)
醸造方式
並行複発酵(糖化と発酵を同時進行)

「酉」という字をご存知でしょうか。十二支の10番目にあたるこの文字、実は酒壺の形をかたどった象形文字が起源とされています。細くくびれた壺に液体が満ちている様子を描いたとも言われ、古来より「酉」は酒そのものを意味してきました。10月はその「酉」の月にあたることから、日本酒造組合中央会は1978年(昭和53年)に10月1日を「日本酒の日」と定めました。

10月1日が選ばれた理由はもうひとつあります。明治時代に制定された酒造年度が、もともと10月1日始まりだったのです。秋に新米が収穫され、その米を原料に酒造りを始めるのがちょうど10月頃。製造計画を立てるうえでも都合がよいとして、明治29年(1896年)の酒造税法で「毎年10月1日から翌年9月30日」という区切りが設けられました。蔵元たちはこの日を「酒造元旦」と呼び、新しい醸造シーズンの始まりを祝う慣習が根付いていました。

日本酒の歴史は約2,000年にさかのぼります。最初期は、米を口でかんで唾液の酵素で糖化させる「口噛み酒」だったとされ、麹を使った酒造りが始まったのは4世紀頃のことです。室町時代には奈良の正暦寺が「三段仕込み」「火入れ」「諸白仕込み」などの革新的な技法を確立し、「清酒発祥の地」と呼ばれるほどの功績を残しました。現代の日本酒造りに受け継がれる製法の多くは、この時代に原型が生まれています。

日本酒の醸造が世界的にも珍しいのは、「並行複発酵」という手法を用いている点です。米のでんぷんを麹菌の力で糖に変えながら、同時に酵母がその糖をアルコールに変えていく。糖化と発酵を一つのタンクの中で並行して進めるこの技術は、ビールやワインにはない日本酒特有の高度な醸造方法で、江戸時代中期にはほぼ現代と同じスタイルが確立されており、当時の技術水準の高さがうかがえます。日本酒は飲むだけでなく、調理にも広く使われます。魚介類の臭み消しや料理に深みを加える調味料として、煮物や蒸し料理に欠かせない存在です。料理酒として流通するものとは異なり、清酒をそのまま調理に使うと素材の旨みが引き立ち、仕上がりに格別のコクが生まれます。秋の味覚が豊かな10月、新米から生まれた新酒とともに旬の食材を楽しむのは、日本酒の日にふさわしい過ごし方と言えるかもしれません。

10月1日のカレンダー情報

六曜 仏滅
吉日 一粒万倍日、天赦日、神吉日
月齢 20.0

10月の二十四節気・雑節

  • 寒露(かんろ) 10月8日(木)
  • 霜降(そうこう) 10月23日(金)
  • 秋の土用(どよう) 10月20日(火)