ZOZOTOWNが20年の購買データ白書を公開
ベストカレンダー編集部
2025年12月10日 17:25
ZOZOTOWN20周年白書
開催日:12月10日
ZOZOTOWNが蓄積した20年分の購買データが示す「変化の軌跡」
株式会社ZOZOは、ファッションECサービス「ZOZOTOWN」のサービス開始から20周年を迎えたことを機に、2004年のサービス開始時点から2025年7月31日までに蓄積された購買データをまとめた「ファッション通販白書 by ZOZOTOWN」を発表しました。プレスリリースは2025年12月10日12時00分に配信され、対象期間は2004年12月15日から2025年7月31日までです。
本白書は、9億点以上の購買データを基に、気候変動、物価上昇、ライフスタイルの多様化、景気変動などの社会的な変化とファッション購買行動の相関を可視化しています。ZOZOは本データを通じて、ファッションがどのように時代の気分を映し出してきたかを体系的に整理しています。
- 発表元
- 株式会社ZOZO(本社:千葉県千葉市 代表取締役社長兼CEO:澤田 宏太郎)
- 発表日
- 2025年12月10日 12:00
- 対象期間
- 2004年12月15日~2025年7月31日
- 分析データ量
- 9億点以上の購買データ
- 特設サイト
- https://zozo.jp/event/fashion-ec-whitepaper/
気候・物価・ライフスタイル──データが示す主要トレンド
白書は大きく分けて複数のトレンドを提示しています。以下では、押さえておくべき5つの主要な所見について、データの内容と解釈を整理して解説します。
各項目は、購買時期の変化や価格帯の推移、カテゴリ別の構成比の変化、色別の購買傾向、そして地域差という観点から、長期的な傾向を示しています。
気候変動と「シーズンレス化」——Tシャツ購買の季節感が広がる
気象庁の観測データによれば、この20年間で日本の平均気温は約1℃上昇しており、夏日の増加が確認されています。ZOZOTOWNの購買データを照合すると、Tシャツやカットソーの販売ピークは、2000年代前半における5月〜7月から、2020年代では4月〜8月へと前倒し・延長しました。
具体的には、Tシャツ/カットソーの販売ピーク期間は平均で約2か月以上拡大しており、アウターに関しては販売ピークが2000年代前半の10月〜1月から2020年代で11月〜1月へと約1か月短縮しています。これらの変化は、気候変動がファッションの季節感や購買タイミングに影響を与えていることを示唆しています。
価格感の変化——Tシャツは「3,000円未満」が主流に
物価全体は上昇しているものの、ファッションカテゴリでは異なる動きが見られます。ZOZOTOWNで最も売れているカテゴリーであるTシャツの購買価格帯は、2000年代後半には5,000円未満が多かったのに対し、近年は3,000円未満が主流となっています。
この価格帯の変化は、取扱いブランド数の増加やユーザー層の拡大と関連があると分析されています。より多様なブランドが出現し、デザイン性と価格のバランスに優れた商品が増えたことで、消費者が日常的に選びやすい「定番アイテム」として定着したことが背景にあります。
バッグ・シューズのカジュアル化——利便性と快適さの優先
働き方の多様化や移動行動の変化は、バッグやシューズの購買傾向にも反映されています。バッグカテゴリーでは、2010年代以降、トートバッグの販売構成比が約15ポイント減少し、一方でショルダーバッグが約20ポイント増加しました。
これは手が自由になる肩掛けスタイルの利便性が重視されていることや、スマートフォン操作の普及といった行動変化と整合しています。シューズに関してもスニーカーやサンダルの販売構成比が20年前に比べて約30ポイント増加しており、特に2020年代には通勤スタイルのカジュアル化やリカバリーサンダルの人気を背景に、快適性を重視する傾向が定着しています。
景気と色の関係——景気が上向くと「黒」が売れる傾向
内閣府の景気動向指数(CI一致指数)とZOZOTOWNの購買データを比較すると、景気が好調な局面で黒色アイテムの購入比率が上がる傾向が確認されました。黒はフォーマル性やモード感、安定した印象を与える色として幅広く支持される色です。
数値としては、黒アイテムの販売構成比が2005年〜2007年で31.6%に達していた一方、リーマンショック後の2011年〜2013年には17.6%まで低下し、その後2014年〜2019年の好景気期に26.8%まで回復しています。コロナ禍以降も増加傾向が観察され、景気動向と色選択には一定の相関があると読み取れます。
47都道府県から見える「ファッション県民性」
都道府県別の購買データ分析からは、地域ごとに特色のあるファッション傾向が浮かび上がりました。気候や文化、地域の生活様式が購買選択に反映される結果となっています。
白書では47都道府県それぞれの傾向を解析しており、その一部として以下のような特徴が挙げられています。
- 北海道:長く厳しい冬や広い居住空間を背景に、おうちファッションの進化が目立つ。
- 宮城:東北の都市型特性が反映され、コート文化(モッズ・トレンチ・ステンカラー)の存在感が強い。
- 東京:サステナブル志向と古着の活用、買い替えサイクルの速さが同居する消費先端地。
- 富山:堅実さが購買やディテール志向に現れる、独自の美意識が見られる。
- 大阪:自転車利用やサンバイザーなど、実用性とファッションが共存する傾向。
- 徳島:踊り文化に由来するパーティー志向やコスプレ的ファッションに強み。
- 沖縄:陽光や気候に対応したカラフルな色使いが地元アイデンティティとして表れる。
白書の構成・特設サイトと記念企画の詳細
「ファッション通販白書 by ZOZOTOWN」は、購買データを社会・地域・サービス・ユーザーの切り口で整理し、長期的なトレンドや地域差、価格帯やカテゴリ別の変化を可視化したものです。分析のベースとなる対象期間は2004年12月15日~2025年7月31日で、特設サイトで詳細なグラフや解説が公開されています。
特設サイトのURLは次の通りです:https://zozo.jp/event/fashion-ec-whitepaper/。サイトでは白書全文の閲覧や主要指標の時系列グラフ、都道府県別ランキングなどが確認できます。
ZOZOTOWN20周年記念「ファッション通販白書クイズ」
白書公開を記念した企画として、全3問のクイズを用意しています。クイズに正解すると抽選でZOZOポイントをプレゼントする予定で、合計で100名に当たる大規模な賞金(ポイント)付きの企画です。
賞品は第1弾から第4弾まであり、各弾で当選者に対して20万円分のZOZOポイントを用意する形式で、総勢100名に付与されます。詳細での参加方法や抽選スケジュールは特設サイトにて案内されています。
白書の利用上の注意とデータの範囲
白書はZOZOTOWNの購買データを基にした解析結果であり、社内外の参考資料として公開されています。データは実販売に基づくため、購買者構成や扱いブランドの変化が数値に影響を与える点に留意が必要です。
分析対象期間やデータ集計方法、カテゴリ定義などの詳細は特設サイトに記載されており、研究や報道、業界分析に用いる際は出典の明示を求められる場合があります。
要点の整理(表形式)
以下に、本記事で取り上げた主な情報を表で整理します。主要な数値や期間、重要な所見を一覧で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年12月10日 12:00 |
| 発表者 | 株式会社ZOZO(代表取締役社長兼CEO:澤田 宏太郎) |
| 対象期間 | 2004年12月15日~2025年7月31日 |
| データ量 | 9億点以上の購買データ |
| 主要所見1 | 気候変動によりTシャツの販売ピークが4月~8月に拡大(2000年代の5~7月から約2か月の延長)。アウターのピークは短縮。 |
| 主要所見2 | Tシャツの主流価格帯が5,000円未満(2000年代後半)から3,000円未満(近年)へ移行。 |
| 主要所見3 | バッグ:トートの構成比が約15ポイント減、ショルダーが約20ポイント増。シューズ:スニーカー・サンダルが約30ポイント増。 |
| 主要所見4 | 景気と色選好の相関あり。黒アイテム構成比は31.6%(2005–2007)→17.6%(2011–2013)→26.8%(2014–2019)と変動。 |
| 主要所見5 | 47都道府県別に特徴的な「ファッション県民性」を確認(北海道、宮城、東京、富山、大阪、徳島、沖縄などの事例を掲載)。 |
| 特設サイト | https://zozo.jp/event/fashion-ec-whitepaper/ |
| 記念企画 | 全3問のクイズ。第1弾~第4弾で、それぞれ20万円分のZOZOポイントを抽選で付与、総勢100名に当選。 |
本記事では、発表された白書の主旨、分析結果の要点、及び特設サイトや記念企画の概要を整理して伝えた。詳細なグラフや都道府県別の細かなランキング、分析手法の詳細は特設サイトに公開されているため、興味がある場合は同サイトで一次資料を確認すると、より深い理解につながる。