12月16日販売開始 トムラウシ産鹿肉カレーが駅で登場

トムラウシ鹿肉カレー発売

開催日:12月16日

トムラウシ鹿肉カレー発売
いつどこで買えるの?
2025年12月16日から、JR東日本クロスステーションの飲食店舗とJR北海道フレッシュキヨスクで販売開始。新得町の「とくとく」でも扱う予定だが日程・価格は未定。販売は約15,000食の数量限定で、なくなり次第終了。
鹿肉って安全?味はどうなの?
原料は新得町トムラウシで捕獲・養鹿・加工されたエゾシカで、適切な処理で臭みを抑えています。栄養的には低カロリーで鉄分が豊富。JR系企業の取り組みでトレーサビリティや持続可能性にも配慮されています。

2025年12月16日より首都圏と北海道の店舗で提供される北海道トムラウシ産の鹿肉カレー

2025年12月10日14時、株式会社JR東日本クロスステーション(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:西野 史尚)とJR北海道フレッシュキヨスク株式会社(本社:北海道札幌市/代表取締役社長:戸川 達雄)は、北海道上川郡新得町で捕獲・養鹿・加工された鹿肉を用いたカレーの販売を、2025年12月16日(火)から開始すると発表しました。

発表によれば、この鹿肉は北海道新得町の古川建設株式会社ドリームヒル・トムラウシ事業所で鳥獣被害対策の一環として扱われたエゾシカ(蝦夷鹿)を原料とします。販売は株式会社JR東日本クロスステーションの飲食店舗と、JR北海道フレッシュキヨスクの店舗で行われるほか、新得町内の新得駅前地域交流センター「とくとく」でも販売予定ですが、とくとくでの販売日・価格は未定としています。

北海道トムラウシ産の鹿肉を使った”鹿肉カレー”の販売について 画像 2

発表日時と公表元

本件はJR-Crossより2025年12月10日14時に公表されました。発表元として名前が挙がっているのは株式会社JR東日本クロスステーションとJR北海道フレッシュキヨスク株式会社です。

両社は今回の販売を数量限定・期間限定の取り組みとして位置づけており、持続可能性や地域貢献を意識した商品展開であることを明示しています。

北海道トムラウシ産の鹿肉を使った”鹿肉カレー”の販売について 画像 3

原料の出所と生産過程:トムラウシでの捕獲、養鹿、加工の流れ

鹿肉の原料は、北海道上川郡新得町にある古川建設株式会社ドリームヒル・トムラウシ事業所で取り扱われています。ここでは鳥獣被害対策として捕獲されたエゾシカが、現地での処理・養鹿・加工という流れで食肉化されています。

トムラウシは北海道大雪山系南部にある百名山で標高2,141mの山名です。地理的背景と現地での取扱いは、地域資源の利活用と被害対策を両立する取り組みとして位置づけられています。

捕獲の目的
農林業被害の抑制(鳥獣被害対策)を目的とした管理捕獲。
養鹿・加工の場所
北海道上川郡新得町・古川建設株式会社ドリームヒル・トムラウシ事業所
取り扱う種類
エゾシカ(蝦夷鹿) — 日本に生息するニホンジカの一種で、北海道に生息する大型の個体
  • 捕獲→搬送→処理・養鹿→食肉加工という地域内の連携で利活用率を高める。
  • 地域の農林業被害軽減を目的とした資源循環の一環として実施される。
北海道トムラウシ産の鹿肉を使った”鹿肉カレー”の販売について 画像 4

ジビエ(鹿肉)の味わいと栄養価、背景にある課題と解決の意図

プレスリリースは鹿肉の栄養的利点と味わいを具体的に示しています。エゾシカは体が大柄で脂がのり、弾力があり肉の旨味が濃いという特徴があります。こうした味わいは適切な処理と調理で引き出され、カレーという親しみやすい料理を通じて広く提供されます。

栄養面では鹿肉は低カロリーである点が強調されています。比較データとして、和牛サーロイン(赤肉、生)に対してカロリーは半分以下、脂質はおよそ5分の1、鉄分は約1.7倍という数値が示されています。特にヘム鉄が豊富で、貧血や冷え性の予防に寄与するとされます。出典はジビエポータルサイト「ジビエト」と文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参照して編集されています。

比較項目 鹿肉(にほんじか/えぞしか、赤肉、生) 牛肉(和牛サーロイン、赤肉、生)
カロリー 牛肉の半分以下 基準値(比較対象)
脂質 約1/5 基準値(比較対象)
鉄分(ヘム鉄) 約1.7倍 基準値(比較対象)
  1. 出典:ジビエポータルサイト「ジビエト」。
  2. 栄養データ参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」。

一方で国内のジビエ利用には課題もありました。具体的には「中山間地での野生鳥獣による農林業被害の深刻化」「捕獲された鳥獣肉の利活用率の低さ」「野生鳥獣肉のイメージ(臭いや固さ)」「調理方法の不明確さ」などが挙げられています。これらの課題に対処するため、今回のような流通・商品開発を通じた普及活動が行われます。

販売計画、数量・価格、これまでの取り組みの経緯

販売はJR東日本クロスステーションが中心となり、販売目標数は約15,000食(なくなり次第終了)としています。販売は数量限定で提供され、期間や在庫に応じて終了する旨が明示されています。

JR北海道フレッシュキヨスクでも販売計画があり、加えて新得町の新得駅前地域交流センター「とくとく」でも販売が予定されています。ただし、とくとくでの販売日や価格等は未定です。

JR東日本クロスステーションのジビエ取り組み(16年間の歩み)

JR東日本クロスステーション フーズカンパニーは、JR東日本グループの「地域再発見プロジェクト」の一環として2010年からジビエメニューの商品開発と販売に取り組んでおり、2025年で16年目を迎えます。過去の主な取り組みは以下のとおりです。

  • 2010年:「信州食材フレンチおつまみ」を販売(当時:株式会社 日本レストランエンタプライズ)
  • 2011年:東京・上野駅のカフェ店舗で「信州ジビエカレー」などを販売(当時:ジェイアール東日本フードビジネス株式会社)
  • 2014年:農林水産省 第22回優良外食産業表彰 地域社会貢献・環境配慮部門 大臣賞受賞(「鹿肉バーガー/ベッカーズ」。当時:ジェイアール東日本フードビジネス株式会社)
  • 2025年:北海道旅客鉄道株式会社の紹介により、北海道産の鹿肉を使用した商品を販売

これらの取り組みは、野生鳥獣肉の利活用率向上と、消費者のジビエに対するイメージ改善を目指すものです。農林水産省の調べによれば、野生鳥獣による農作物被害額は依然として大きく、2010年度の239億円から2023年度は164億円へと推移しています。こうした社会課題に対応するための一手として、飲食店舗での鹿肉メニュー提供が位置づけられています。

販売に関する実務的な情報

発売開始日:2025年12月16日(火)。

販売場所:株式会社JR東日本クロスステーションの飲食店舗、JR北海道フレッシュキヨスクの店舗、(予定)北海道新得町・新得駅前地域交流センター「とくとく」。

要点の整理と結語:主要情報の一覧表

以下に、本記事で扱った内容を表形式で整理します。主要な日付、提供主体、原料の出所、販売数量目標、栄養面の特徴、参照元などをまとめました。

項目 内容
発表日時 2025年12月10日 14:00(JR-Cross発表)
販売開始日 2025年12月16日(火)
提供企業 株式会社JR東日本クロスステーション(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:西野 史尚)、JR北海道フレッシュキヨスク株式会社(本社:北海道札幌市/代表取締役社長:戸川 達雄)
原料(鹿肉)の出所 北海道上川郡新得町・古川建設株式会社ドリームヒル・トムラウシ事業所(捕獲・養鹿・加工)
販売場所 JR東日本クロスステーションの飲食店舗、JR北海道フレッシュキヨスクの店舗、新得駅前地域交流センター「とくとく」(販売日・価格は未定)
販売目標数 約15,000食(なくなり次第終了)
栄養的特徴 牛肉(和牛サーロイン)に比べてカロリーは半分以下、脂質は約1/5、鉄分は約1.7倍(ヘム鉄が豊富)
背景課題 中山間地の野生鳥獣被害、捕獲肉の利活用率の低さ、ジビエに対するマイナスイメージ、調理方法の普及不足
参考・出典 ジビエポータルサイト「ジビエト」、文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」、農林水産省の被害額データ
関連リンク https://www.jr-cross.co.jp/

本記事は、発表資料にあるすべての公表情報を元に整理しました。販売は数量限定で、地域の資源利活用と被害対策に直結する取り組みとして位置づけられています。消費者にとっては栄養価の高い選択肢を提供すると同時に、地域の課題に対応する一つの手段として注目されます。

参考リンク: