welzoと桃山学院が共創 学生と10年後の新事業を探索
ベストカレンダー編集部
2025年12月10日 13:55
welzo×桃山学院PBL開始
開催期間:9月1日〜1月31日
農と食をめぐる転換期に向き合う産学連携の意義
株式会社welzoは、桃山学院大学ビジネスデザイン学部の授業「PBL応用Ⅰ」(2025年秋学期)に参画し、学生と共に「10年後の新しい柱となるビジネス」を共創する実践型プログラムを開始しました。プレスリリースは2025年12月10日 09時30分に発表されています。
日本では農業人口の減少、気候変動が生産に与える影響、世界的な食糧リスクの高まりなど、“食とみどり”を取り巻くマクロ環境が大きく変化しています。100年以上にわたり農業資材や園芸用品を扱ってきたwelzoにとっても、次の時代につながる新たな事業柱の創出は避けられない課題です。本取り組みは企業側の課題解決ニーズと学生の柔軟な発想を結び付けることで、将来の事業機会を探ることを目的としています。
プログラムの位置づけと期待
このPBLは、Project Based Learningの形式を採用し、学生が実際の企業課題に取り組む中で価値創造のプロセスを学ぶ授業です。welzoは自社のパーパスである「人にも、地球にも、幸せな未来を開拓する」を掲げ、学生との対話を通じて事業構想を深めます。
ビジネスデザイン学部の大阪・あべのキャンパスは、大阪中心部に近接し交通利便性が高いため、学生は都市環境の利点を活かして企業との密接なコミュニケーションを図り、社会のリアルな課題を題材に価値創造に取り組みます。
授業の進行とワークショップの詳細
授業は2025年9月から2026年1月までの全15週・30コマで実施されます。対象は桃山学院大学ビジネスデザイン学部の2年次生で、研究領域としてはAGRI PRO/FARM&FOODS(農と食の未来)とHOME&GARDEN(みどりと暮らしの未来)を想定しています。
2025年10月22日には、welzo社員と学生による対話型ワークショップが開催され、当日は複数事業分野に関わる7名の社員がメンターとして参加しました。学生のアイデアに対して現場視点からのフィードバックが行われ、活発な議論が展開されました。
ワークショップの目的と進め方
このワークショップでは「実現したい未来のあり方」や「ビジネスを通じて向き合いたい社会課題」を主題に、学生と社員が直接対話する場を設けました。現場知見を有する社員がメンターとして関わることで、学生の提案は理論的側面と実務的側面の両面から検討されます。
当日の参加構成や主な流れは以下の通りです。
- 参加メンター:AGRI PRO、FARM&FOODS、HOME&GARDENなど複数領域の社員 7名
- 主なテーマ:未来のあり方、社会課題の抽出、ビジネス化に向けた仮説設定
- 進行:学生プレゼンテーション → メンターからの現場視点のフィードバック → ディスカッション
最終発表と評価制度 “welzo賞” の導入
本プログラムの成果発表は2026年1月下旬に最終プレゼンテーションとして予定されています。授業の集大成として、すべての提案は学生チームによって発表され、評価が行われます。
今年度は新たな試みとして、最も優れた企画を発表したチームに対し「welzo賞」を授与します。受賞チームには、welzo代表取締役社長への直接プレゼンテーションの機会が提供され、提案内容についての対話・フィードバックが行われる予定です。
「welzo賞」の意義と期待される効果
企業側にとっては、学生の提案から新しい視点や技術的可能性、事業化候補を発掘する機会となります。学生側にとっては、経営トップへ直接説明を行い、事業化に向けた具体的な指摘や助言を得られる貴重な経験となります。
welzoは本PBLを通じて、将来的な事業化や実証実験の検討へとつなげる意向を示しています。評価は単なる成績付与にとどまらず、実務的な対話を通じた学びの深化を重視する設計です。
参加組織の詳細と関係者コメント
参加企業としてのwelzoは、もともとニチリウ永瀬として創業し、2022年に創業101年、2023年1月1日に社名を「株式会社welzo」へ変更しています。主に農業資材・家庭園芸用品・フラワー関連商品・飼肥料原料を取り扱う専門商社として、国内に24拠点を展開しています。
桃山学院大学は1884年発祥の教育機関をルーツに持ち、1959年に大学として開学しました。2024年に学院創立140周年、大学開学65周年を迎え、ビジネスデザイン学部は課題解決型授業を重視する学びとして知られています。2025年には桃山学院教育大学との合流により「人間教育学部」を設置し、2026年4月には初の理系学部となる「工学部」を設置する予定です。
関係者のコメント
- 後藤 基文(welzo Biz Promotion Division 取締役/本プロジェクトリーダー)
- 「農業人口の減少や気候変動など、‘農と食’の未来は多くの社会課題と結びついています。だからこそ今、次世代のみなさんと一緒に未来の可能性を考えることに大きな意味があります。学生の皆さんの既成概念にとらわれない柔軟で豊かな発想や、企業人と異なる認識の率直で直感的な問いは、私たち企業にとっても新たな気づきになります。本PBLを通じて、互いに学び合いながらより良い未来を一緒に描いていく場にしたいと考えています。」
- 藤田 勝利(桃山学院大学 ビジネスデザイン学部 特任教授/PBL応用コースリーダー)
- 「welzoさんとのPBLは、学生が実社会と深くつながりながら未来の価値創造を学ぶことができる、非常に豊かな時間になると考えています。本プログラムを通じて、学生が‘10年後の社会の姿’を思い描きながら、自分たちがそこにどう関わり、どんな価値を生み出せるのかを主体的に考えてくれることを期待しています。」
以下に、本プログラムおよび関係組織の主要情報を整理します。企業・大学双方の歴史や所在地、プログラムスケジュールなどを含め、取り組みの全体像を把握できるようにまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プログラム名 | 桃山学院大学 ビジネスデザイン学部「PBL応用Ⅰ」2025秋学期(welzo参画) |
| 実施期間 | 2025年9月~2026年1月(全15週・30コマ) |
| テーマ | “10年後の新しい柱となるビジネス” の可能性を共に探る |
| 検討領域 | AGRI PRO/FARM&FOODS(農と食の未来)、HOME&GARDEN(みどりと暮らしの未来) |
| 対象学生 | ビジネスデザイン学部 2年次生 |
| ワークショップ実施日 | 2025年10月22日(welzo社員7名がメンター参加) |
| 成果発表 | 2026年1月下旬予定(最優秀チームに「welzo賞」を授与、代表取締役社長への直接プレゼン実施) |
| 発表日時(プレスリリース) | 2025年12月10日 09時30分 |
| 参加企業(概要) | 株式会社welzo(旧ニチリウ永瀬)、農業資材・家庭園芸用品・フラワー関連商品・飼肥料原料を中心に取り扱う専門商社。国内24拠点。 |
| welzo 本社所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目 14-3 |
| welzo 代表者・設立 | 代表取締役社長 金尾佳文、設立 1952年8月(創業 1921年8月)、社名変更 2023年1月1日 |
| 企業ウェブサイト | https://www.welzo.co.jp/ |
| 大学名・キャンパス | 桃山学院大学。和泉キャンパス(大阪府和泉市)・大阪・あべのキャンパス(大阪市阿倍野区)。学生数 8,116名(2025年5月1日時点) |
| 大学の近年動向 | 2024年:学院創立140周年、大学開学65周年。2025年に人間教育学部設置(桃山学院教育大学と合流)、2026年4月に工学部を新設予定。 |
以上が本プログラムの主要な情報と関係組織の概要です。プログラムは学生と企業が互いの知見を持ち寄る場として設計されており、具体的な実務視点からのフィードバックや代表取締役への直接プレゼンといった機会を通じて、発表された提案が将来的な事業化へ結び付く可能性が検討されます。記事では、プログラムの目的、実施スケジュール、関係者のコメント、企業と大学の基本情報を整理しました。