モデュレックス演出|ヨルダン館の光・音・映像没入体験
ベストカレンダー編集部
2025年12月10日 11:36
ヨルダン館没入体験
開催日:12月10日
ヨルダンの「時間を遡る」没入体験、光と音と映像が紡ぐ空間
統合環境ソリューション事業を手掛ける株式会社モデュレックスは、2025年大阪・関西万博に出展したヨルダンパビリオンの空間演出計画から制御・施工までを一貫して担当し、パビリオン全体の演出プロデュースを行いました。プレスリリースは2025年12月10日 08時00分に発表されています。
本パビリオンは「未来を紡ぐ」をテーマに、来場者を現代から古代へと時間を遡らせながら、ヨルダンの文化・技術・自然と出会う没入型体験を提供する設計です。ぴあMOOK『大阪・関西万博ぴあ 完全攻略編』の編集部が実施した出口調査に基づく「パビリオン満足度ランキング」で第1位を獲得し、来場者から高い体験価値が評価されました。調査はぴあ株式会社がのべ2000人以上の来場者を対象に実施したものです(https://book.pia.co.jp/book/b664246.html)。
素材を生かす照明と映像の連動設計──モデュレックスの技術的アプローチ
モデュレックスは、土・砂・塩・木・羊毛といった自然素材の質感を最大限に引き立てるために、照明器具の選定、照明計画、制御、プロジェクターとの演出調整までを一貫して実施しました。空間全体が有機的に連動するエクスペリエンスデザインを目指し、映像と光、音の同期によって没入感を高めています。
照明面では、壁面の陰影を繊細に表現するウォールウォッシャー型ダウンライトや、シーンごとに色や明るさを最適化するための独自手法であるフィルターライティングデザイン™を採用しました。映像機器は360度映像対応のプロジェクターを天井内に埋め込み、視界から機器を排して空間の一体感を強める設置方法が取られています。
各エリアの演出詳細と技術的工夫
パビリオン内部は複数のエリアに分かれ、それぞれに目的と表現手法が設計されています。以下に各エリアの演出内容とそこに用いられた技術的工夫を具体的に説明します。
各エリアの説明は演出の意図、使用素材、機器や制御方式を含めて記載します。来場者の五感に訴える演出の実現には、ハード面とソフト面の細かな調整が必要でした。
エントランス:土壁と“動く光”が迎える設え
エントランスには左官職人・久住有生氏による土壁を採用しました。壁面照明には広がりのある配光を持つウォールウォッシャー型ダウンライトを用い、土壁の質感や陰影を繊細に際立たせる計画です。
光の色温度や明るさは時間とともに変化させ、壁面に緩やかな動きと奥行きを与え、ヨルダンの自然を想起させる体験を作り出しています。照明の制御は演出プログラムにより細かくタイミング調整されています。
インタラクティブ演出:言葉が浮かび上がる仕掛け
ロープに編み込まれた毛糸のスクリーン上に表示されるアラビア語の文字列が、来場者が敲く石の音によって日本語へと変化するインタラクションを採用しました。音はマイクで感知され、プロジェクターと照明が同期して映像と光が切り替わります。
この仕組みには音響センサーの入力をトリガーとして映像再生と照明シーンを同時に制御するシステムインテグレーションが用いられ、反応の遅延を極力抑えるために現場でのプログラミングと調整が重ねられました。
シアター:360度映像とワディ・ラム由来の赤い砂
シアターは360度スクリーンで空間を包み込み、映画の舞台となったヨルダン南部ワディ・ラム保護区から運ばれた赤い砂が床一面に広がる構成です。プロジェクターは天井内に埋め込まれ、視覚的な機器露出を抑えています。
照明演出にはモデュレックスのフィルターライティングデザイン™が適用され、シーンごとに最適な色や明るさをコントロールすることで、映像と実物質感(砂)の連続性を高めています。
スパ空間:死海の塩と静けさを誘う配光
スパエリアでは、死海の塩や泥を用いたマッサージ体験を組み込み、空間には死海の景観を映したプロジェクター映像を投影しています。映像に調和するよう配光制御された照明器具を使用し、落ち着いた雰囲気を作り出しています。
奥に配した塩の壁は足元から穏やかに照らされる計画で、来場者がリラックスしやすい光の重心や反射のコントロールに留意した設計が行われました。
交流ゾーン:ヨルダン文化を間近で伝える空間
交流ゾーンは土壁と木を基調とし、サンドアート体験や伝統茶の提供などヨルダンの文化や職人技を身近に感じられる場です。照明は光の重心を低く設定し、落ち着きのある雰囲気を演出しています。
天井面の仕上げに合わせダウンライトをクローム仕上げとするなど、意匠に溶け込む器具選定がなされています。空間に合わせた器具の材質・仕上げ選定も演出の一部として計画されました。
プロジェクト体制、納入概要と関係者情報
本プロジェクトの建築主はヨルダン・ハシェミット王国で、基本設計はShifa Zghoul+Ahmad Jubran、実施設計は古谷誠章+NASCA、施工は株式会社大広および株式会社日展が担当しました。空間演出・制御・施工を担ったのが株式会社モデュレックスです。
モデュレックスのプロジェクト担当は以下の通りです。プランニングディレクター:瀧川将太、チーフプランナー:遠矢亜美、システムインテグレーション:冨士莉奈、アカウントディレクター:坪拓斗が主要メンバーとして関わりました。プロジェクトに関わったチームは照明・AV設計、360度映像機器、AV機器施工などの領域で機能照明を含む納入を行っています。
- 納入概要
- 機能照明、照明/AV設計、360度映像機器、AV機器施工
- 主要設計・施工
- 建築主:ヨルダン・ハシェミット王国/設計:Shifa Zghoul+Ahmad Jubran(基本設計)、古谷誠章+NASCA(実施設計)/施工:株式会社大広、株式会社日展/空間演出・制御・施工:株式会社モデュレックス
- モデュレックス担当
- プランニングディレクター:瀧川将太、チーフプランナー:遠矢亜美、システムインテグレーション:冨士莉奈、アカウントディレクター:坪拓斗
モデュレックスの会社情報と問い合わせ
会社名は株式会社モデュレックス。所在地は東京都渋谷区恵比寿南1-20-6、代表者は代表取締役 兼 社長執行役員 曄道悟朗です。設立は1973年8月3日、資本金は1億5,700万円となっています。
事業内容は統合環境ソリューション事業として、照明環境事業、環境制御システムインテグレーション事業、エクスペリエンスデザイン事業、エネルギーソリューション事業の4つを展開しています。コーポレートサイトは http://www.modulex.jp です。
問い合わせ先は株式会社モデュレックス 戦略コミュニケーション部、電話 03-5768-3105、E-mail PR.info@modulex.jp としてプレスリリースに記載されています。プレスリリース内で使用された画像ファイルはダウンロード可能で、プレスリリース素材として提供されています。
この記事の要点整理
ここまで本文で述べた内容を簡潔に表にまとめます。表は本記事で伝えた主要事項を整理したもので、関係者・技術・受賞情報・問い合わせを一望できるように構成しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年12月10日 08時00分 |
| パビリオン名 | ヨルダンパビリオン(テーマ:「未来を紡ぐ」) |
| 満足度評価 | ぴあMOOK『大阪・関西万博ぴあ 完全攻略編』によるパビリオン満足度ランキング 第1位(調査対象:のべ2000人以上、ぴあ株式会社) |
| 主な演出要素 | 土壁、砂(ワディ・ラム由来)、塩、木、羊毛、光・音・映像の連動、360度映像、インタラクティブ体験、スパ体験、交流ゾーン |
| モデュレックスの役割 | 空間演出プロデュース、照明器具選定、照明計画、制御、プロジェクターとの演出調整、施工 |
| 設計・施工 | 基本設計:Shifa Zghoul+Ahmad Jubran、実施設計:古谷誠章+NASCA、施工:株式会社大広、株式会社日展 |
| モデュレックス担当者 | プランニングディレクター:瀧川将太、チーフプランナー:遠矢亜美、システムインテグレーション:冨士莉奈、アカウントディレクター:坪拓斗 |
| 納入概要 | 機能照明、照明/AV設計、360度映像機器、AV機器施工 |
| 会社情報 | 株式会社モデュレックス/所在地:東京都渋谷区恵比寿南1-20-6/代表:曄道悟朗/設立:1973年8月3日/資本金:1億5,700万円 |
| 問い合わせ | 戦略コミュニケーション部 TEL:03-5768-3105 E-mail:PR.info@modulex.jp |
以上が本プレスリリースに基づくヨルダンパビリオンの空間演出に関する整理です。演出の核となったのは自然素材の質感を引き出す照明設計と、映像・音響を連動させる制御技術であり、複数の専門家と施工体制が結集して実現されたことが確認できます。