大麦スイーツ専門メーカーの30年史と製品技術
ベストカレンダー編集部
2025年12月10日 11:29
大麦スイーツ30年の挑戦
開催日:12月10日
栃木発、麦の可能性を切り拓いた30年の挑戦
2025年12月10日午前9時50分に発表されたプレスリリースによると、株式会社大麦工房ロア(本社:栃木県足利市、代表取締役社長:浅沼誠司)は、小麦を一切使用しない「大麦スイーツ」の開発と製造を柱に事業を展開する、世界で唯一の専門メーカーであると改めて紹介されています。代表の浅沼氏は1995年から大麦を菓子素材として使えないかと研究を始め、1997年11月に小麦不使用の「大麦ダクワーズ」を完成させて以来、独自の技術で製品化を進めてきました。
状況は決して平坦ではありませんでした。大麦の栽培から加工、菓子製造、販売ルートの確立まで一貫して取り組み、農家との連携や技術的な困難を乗り越えながら成長を続けています。2008年にはNHK「小さな旅」でその歩みが紹介され、地域連携と商品開発の両面で評価を受けたことも明記されています。2025年現在の数値として、年商45億円、従業員200名にまで成長している点も公表されています。
創業から現在までの主な節目
浅沼氏が大麦で菓子を作る研究を始めたのは1995年。2年の試行錯誤の後、1997年に第1号商品が誕生しました。その後の取り組みは地域農家との協働や加工技術の確立を含み、テレビ放映や各種賞の受賞を通じて注目が高まりました。
企業としての成長過程では、東京商工会議所主催「勇気ある経営大賞」、栃木県主催「とちぎ産業活力大賞」などを受賞しており、商品の独自性と地域貢献の両立が評価されています。
製品と技術:小麦不使用で実現した大麦スイーツの世界
主な製品としては大麦ダクワーズ、大麦マカロン、大麦栗テリーヌ、焙煎麦めしが挙げられています。これらはいずれも小麦粉を使わず、原料として大麦(スーパー大麦、もち麦などを含む)を利用している点が特徴です。
大麦には小麦のようなグルテンが含まれないため、菓子やパンの「膨らみ」を出すことが難しく、製品化には独自の技術とノウハウが不可欠です。大麦の種類選定、皮の剥き方、製粉方法の最適化など細かな工程設計を重ねることで、食感や味わいを実現しています。
製品ラインナップの詳細
以下は同社が公表した代表的商品と位置づけ、用途や特徴を整理した一覧です。商品ごとに原料の扱い方や加工ポイントが異なり、製品設計が丁寧に行われている点が分かります。
- 大麦ダクワーズ:1997年に完成した同社の代表作。小麦不使用のメレンゲ生地やガナッシュ等の組み合わせで菓子として成立させている。
- 大麦マカロン:マカロン風の食感を大麦で実現した商品。食感調整のための製粉工程が鍵となる。
- 大麦栗テリーヌ:栗と大麦を組み合わせたテリーヌ。風味のバランスと保存性を考慮した配合。
- 焙煎麦めし:主食用途の製品。焙煎工程により香ばしさを引き出し、米や他の素材との二毛作活用を想定した商品。
これらの製品は菓子としての満足感に加え、グルテンフリーや地産地消といったキーワードとも結びついて注目されています。
大麦の健康価値と地域・環境への貢献
プレスリリースは大麦の健康価値についても詳述しています。現在、スーパー大麦やもち麦に続く「第3次大麦ブーム」が到来しているとされ、大麦が持つ機能性や栄養価が各種メディアで取り上げられていると述べられています。
企業側は大麦の健康価値を冊子などで広く伝える活動を行い、同時に環境的価値の発信も重視しています。大麦は強い作物であり、荒地の緑化や耕作放棄地の再生にも活用可能である点を事業の要として位置づけています。
大麦の機能性と報告されている効果
- FDAの健康強調表示
- アメリカ食品医薬品局(FDA)は大麦食品について「血中コレステロールを下げる」「食生活の改善により心臓病・糖尿病の予防ができる」といった健康強調表示を認めています。
- 機能性表示食品としての根拠
- 大麦に含まれる水溶性β-グルカンは食後血糖値の上昇を穏やかにする機能が報告され、また大麦中のGABA(ギャバ)には睡眠やストレス改善の効果が機能性表示として認められています。
- 免疫力と脳腸相関
- ヒトの免疫細胞の約70%は腸内に存在するとされ、大麦は腸内の善玉菌増加による免疫力向上が報告されています。腸を活性化することによる認知症予防や精神面の改善、老化防止への寄与も近年注目されています。
これらの機能性情報は同社が商品開発や販促で示す根拠となっており、消費者の健康訴求と地元産業の価値向上を同時に図る方針が伺えます。
地域連携・農業支援と会社概要、受賞歴、連絡先
同社は栃木県内の農家と協働し、大麦の栽培を進めるとともに、農業法人:株式会社大麦工房アグリを設立して耕作放棄地の再生に取り組んでいます。2017年から本格的に耕作放棄地の再生事業を開始し、冬は大麦、夏は米の二毛作体制を導入することで、足利市内の耕作放棄地の1割以上を農地に再生してきたと明記されています。
この取り組みは地域の雇用や農地の維持だけでなく、荒地の緑化やCO2削減といった環境貢献にもつながると位置づけられています。東日本大震災の塩害を受けた農地を大麦で再生する支援も実施した事例が紹介されています。
受賞歴とメディア露出
同社はこれまでに東京商工会議所主催「勇気ある経営大賞」、栃木県主催「とちぎ産業活力大賞」などを受賞しています。2008年にはNHK「小さな旅」で取り上げられたことも紹介されています。
これらの受賞やメディア露出は、地域産業としての意義と製品の独自性を評価された結果とされています。
会社概要とお問い合わせ
- 会社名
- 株式会社 大麦工房ロア
- 所在地
- 〒326-0005 栃木県足利市大月町3-1
- 代表取締役
- 浅沼誠司
- URL
- https://oomugi.co.jp/
- お問い合わせ
- 株式会社大麦工房ロア 企画室(担当:増田・梶田・石塚)
- 電話 / FAX / Email
- 直通電話 0284-64-9650 FAX 0284-43-2357 Email: masuda@oomugi.jp
プレスリリースにはダウンロード可能な画像素材、製品写真なども含まれており、広報関係者向けの素材提供が用意されていることが記載されています。
要点の整理
以下の表は本プレスリリースの主要情報を整理したものです。事実関係を分かりやすくまとめ、企業の活動、製品、連絡先を一目で確認できるようにしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年12月10日 09:50 |
| 会社名 | 株式会社 大麦工房ロア |
| 代表者 | 代表取締役社長 浅沼誠司 |
| 本社所在地 | 〒326-0005 栃木県足利市大月町3-1 |
| 主要製品 | 大麦ダクワーズ、大麦マカロン、大麦栗テリーヌ、焙煎麦めし 他 |
| 事業の特徴 | 小麦不使用の大麦スイーツ専門メーカー(栽培から製造・販売まで一貫) |
| 業績・規模 | 年商45億円(2025年)、従業員200名 |
| 主な受賞・メディア | NHK「小さな旅」(2008)、東京商工会議所「勇気ある経営大賞」、とちぎ産業活力大賞 他 |
| 地域貢献 | 大麦工房アグリによる耕作放棄地再生事業(2017年開始)、足利市内で1割以上の再生実績 |
| 連絡先 | 直通電話 0284-64-9650 / FAX 0284-43-2357 / Email: masuda@oomugi.jp |
| 関連リンク | https://oomugi.co.jp/ |
本稿では発表資料の記載内容をもとに、企業の沿革、製品・技術の特徴、大麦の健康価値および地域貢献の取り組みを整理して伝えた。数値や日付、連絡先などはプレスリリースに基づく情報であるため、関係者は同社の公式ウェブサイトや企画室にて詳細を確認することができる。
参考リンク: