TikTokが選ぶYear in Music 2025の受賞まとめ
ベストカレンダー編集部
2025年12月10日 05:56
TikTok音楽アワード2025
開催日:12月9日
TikTokが描いた2025年の音楽風景 — グローバル発表の要点と配信日時
ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」は、2025年にTikTok上で最も人気を集めたアーティスト、楽曲、音楽トレンドを選出する「TikTok Year in Music 2025」をグローバルで発表しました。この記事は、TikTok Japanが2025年12月9日22時00分に公開したプレスリリースの内容を基に、受賞者や関連データを整理して伝えます。
プレスリリースでは、世界規模のユーザー行動と楽曲の拡散を示す具体的な数値や、受賞アーティストの活動状況、TikTok内の機能(「音楽アプリに追加(Add to Music App)」)の影響などが詳細に示されています。以下では、グローバルの主要受賞項目と日本における最重要項目を中心に全情報を網羅します。
発表元と集計時点
本発表はTikTok Japanによるもので、プレスリリース内の数値はすべて2025年11月時点の集計値です。TikTokはグローバルで月間10億人を超えるユーザーが集うプラットフォームとして、楽曲の発見と拡散における影響力を示しています。
発表の集計方法に関しては、特に「TikTok Top Artists of the Year」が、アーティストの楽曲を使用した動画の総再生回数と、アーティスト自身の投稿の総再生回数の合算を基に算出されていることが明記されています。
グローバル受賞者と注目楽曲の詳細
グローバルの主要受賞者には、新進のアーティストから往年の名曲のリバイバル、さらにソングライターの功績まで幅広いラインナップが含まれます。以下に、それぞれの受賞項目と関連する具体的な数字、背景を列挙します。
各受賞者の活動内容やTikTok上での拡がり、主要な指標(投稿数、総再生回数、チャート成績、ノミネート状況等)を漏れなく記載します。
KATSEYE:TikTok Global Artist of the Year
2025年のTikTok Global Artist of the Yearに選ばれたのは、フォロワー数1,500万を誇るガールズグループKATSEYEです。ロサンゼルス拠点で、米国・韓国・スイス・フィリピン出身のメンバーで構成されるグローバルなグループで、2023年結成からわずか2年で大きな注目を集めています。
今年だけで、KATSEYEの楽曲の総再生回数は300億回以上、楽曲を使用した総投稿数は1,200万件を記録しています。グラミー賞には今年2部門でノミネートされ、12月18日(ロサンゼルス現地時間)開催の「TikTok Awards」ではTikTok Breakthrough Artist of the Yearにもノミネートされています。
- 代表楽曲と指標
- 『Gnarly』:関連投稿数 240万件、総再生回数 135億回。Billboard Hot 100初登場に貢献。
- 『Gabriela』:関連投稿数 280万件、総再生回数 99億回。Spotify Global Top 50で7位にランクイン、グラミー賞 Best Pop Duo/Group Performanceにノミネート。
- Gapコラボ広告のKelis『Milkshake』を用いた振り付け関連動画:総再生回数 1.51億回以上(Charli D’Amelio、Sienna Mae等の投稿含む)。
Connie Francis:TikTok Global Song of the Year
1962年リリースのConnie Francis『Pretty Little Baby』が、リリースから60年以上を経てTikTokで大きな再評価を受け、TikTok Global Song of the Yearに選出されました。TikTok上での楽曲使用回数は2,840万回以上、使用投稿の総再生回数は686億回を突破しています。
Kylie Jennerが娘Stormiと投稿した動画だけでも再生回数は1.32億回以上に達しています。Spotifyでは同曲が1億3,000万回以上再生され、Billboard Global 200では5週間、UK Official Chartでは4週間ランクインしました。これを受けて、Connie Francis本人はTikTokアカウントを開設し、楽曲の話題化を受けてTikTokへ初投稿しています。
日本のTOP SONGと国内トレンド、プラットフォーム機能の影響
日本における年間の主要賞は「TOP SONG JAPAN 2025」で、こちらには国内の楽曲拡散と振付トレンドの広がりが反映されています。TikTok内の「音楽アプリに追加(Add to Music App)」機能の影響や保存動向も重要な指標として取り上げられています。
以下は日本関連の受賞と、プラットフォーム機能による保存動向の詳細です。
TOP SONG JAPAN 2025:超ときめき♡宣伝部『超最強』
TOP SONG JAPAN 2025に選出されたのは、超ときめき♡宣伝部の『超最強』です。楽曲はキャッチーで前向きなメロディと、Bメロの「スマホのカメラロールなんて」の振付が公式投稿をきっかけにファンやクリエイターの間で広まり、数多くのコラボ動画が生まれました。
2025年11月時点での楽曲総再生回数は25億回を突破しており、TikTokトレンド大賞2025のインパクト・ソング部門を受賞しています。アーティストの受賞コメントには、楽曲が令和の推し活ソングとして幅広い層に見つけられたこと、振付の“真似しやすさ”と歌詞への共感が投稿の拡がりにつながった旨が述べられています。
「音楽アプリに追加(Add to Music App)」の保存動向
TikTokの「音楽アプリに追加(Add to Music App)」機能は、ユーザーがプラットフォーム内で見つけた楽曲やアルバムをSpotify、Apple Music、Amazon Musicなど外部の音楽配信サービスに保存できる機能です。これまでに30億曲以上が保存され、チャート動向にも影響を与えています。
2025年に本機能を通じて最も保存されたアーティストはTaylor Swiftでした。Taylor Swiftは2025年にアルバム『The Life of a Showgirl』をリリースし、TikTok内のコミュニティによる事前保存・公開後の保存の双方で大きな動きが見られました。
- 保存数トップ(2025)
- アーティスト:Taylor Swift(最も保存されたアーティスト)
- 楽曲:sombr『back to friends』 — TikTokでの使用動画数 770万件以上、総再生回数 217億回。Spotifyストリーム 11億回以上。10月にSpotify Billions Clubに加入。
- アルバム:Tate McRae『So Close To What』 — 2025年2月リリース、Billboard 200初登場1位。
音楽トレンド、ソングライターの躍進とプラットフォームの役割
2025年はTikTokが古い楽曲のリバイバルを生み出す一方で、新進アーティストやソングライターのキャリアを後押しする年でもありました。ここでは「Music Trend of the Year」「Songwriter of the Year」などの受賞項目と、それに関連する詳細をまとめます。
トレンドやソングライターの活動は、TikTok上での振付や動画コンテンツが外部チャートや配信サービスのストリーミングに直結する構図をはっきりと示しています。
Music Trend of the Year:Doechii『Anxiety』
TikTok Music Trend of the Yearには、Doechiiの『Anxiety』が選ばれました。本楽曲は元々2019年にデモがオンラインで公開されていた作品をコミュニティが発見し、2025年3月にアーティストが再録して公式リリースした経緯があります。
『Anxiety』は、テレビシリーズ「ベルエアのフレッシュ・プリンス」の象徴的な振付を基にした世界的な振付トレンドにつながり、当時の主演であるWill SmithとTatyana Aliが振付を再現した動画も投稿されました。TikTok上での投稿数は1,040万件、総再生回数は516億回を記録しています。プラットフォーム外でも広がり、Billboard Hot 100でトップ10入り、英国シングルチャートでは3位を獲得。Doechiiはグラミー賞で5部門にノミネートされました(Record of the Year、Song of the Year、Best Rap Performance、Best Rap Song、Best Music Video)。
Songwriter of the Year:EJAEとその貢献
TikTok Songwriter of the Yearは、ニューヨークを拠点に活動するソングライター兼アーティストのEJAEが受賞しました。EJAEはRed Velvetの『Psycho』(2019年共同制作)をはじめ、aespa、TWICE、LE SSERAFIM、Fifty Fiftyなど多くのK-POP主要アーティストの楽曲制作に携わってきました。
今年は映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』のサウンドトラック制作に関与し、共同制作したシングル『Golden』はTikTokでの投稿数980万件、総再生回数236億回を記録。『Golden』はBillboard Hot 100およびBillboard Global 200の1位を獲得し、Spotifyで10億回以上再生されました。映画サウンドトラックから同時に4曲がBillboard Hot 100のトップ10入りを果たすという史上例のない結果も生まれ、EJAEの制作参加が広く評価されました。
TikTok Global Head of Music Business Developmentの視点
TikTok Global Head of Music Business DevelopmentであるTracy Gardnerのコメントでは、TikTokが音楽の発見において重要な役割を果たしていること、クラシック楽曲の再評価や新しい才能の発見が同プラットフォームを通じて起きていることが指摘されています。特に2025年は女性アーティストと女性ソングライターの存在感が顕著であった点が挙げられています。
Gardnerは、KATSEYE、Connie Francis、EJAE、Doechiiらの事例を通じて、TikTokコミュニティと発見の仕組みが新たなリスナーとアーティストを結びつける力を持っていると述べています。
主要データの一覧と本記事のまとめ
以下の表は、本記事で扱った主な受賞項目と関連指標を分かりやすく整理したものです。掲載の数値はすべて2025年11月時点の集計値である点に留意してください。
| 項目 | 受賞者/楽曲 | 主な数値・備考(2025年11月時点) |
|---|---|---|
| TikTok Global Artist of the Year | KATSEYE | フォロワー 1,500万/楽曲総再生回数 300億回以上/楽曲使用投稿数 1,200万件。『Gnarly』投稿数 240万件・総再生135億回/『Gabriela』投稿数 280万件・総再生99億回。グラミー2部門ノミネート、TikTok Awardsノミネート(2025年12月18日)。 |
| TikTok Global Song of the Year | Connie Francis『Pretty Little Baby』 | 使用回数 2,840万回以上/使用投稿の総再生686億回。Kylie Jenner投稿再生1.32億回以上。Spotify再生1.3億回以上。Billboard Global 200 5週間、UKチャート4週間ランクイン。Connie FrancisがTikTokアカウントを開設。 |
| TOP SONG JAPAN 2025 | 超ときめき♡宣伝部『超最強』 | 楽曲総再生回数 25億回以上(2025年11月時点)。Bメロ振付が拡散、TikTokトレンド大賞2025 インパクト・ソング部門受賞。 |
| Music Trend of the Year | Doechii『Anxiety』 | 投稿数 1,040万件、総再生回数 516億回。Billboard Hot 100トップ10入り、UKシングルチャート3位。グラミー5部門ノミネート。 |
| Songwriter of the Year | EJAE | 映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』での制作が功績。『Golden』投稿数 980万件、総再生236億回。Billboard Hot 100/Global 200で1位、Spotify 10億回以上。 |
| 音楽アプリに追加(Add to Music App)で最も保存されたアーティスト | Taylor Swift | 2025年に最も保存されたアーティスト。アルバム『The Life of a Showgirl』リリースに伴う保存が多数。 |
| 音楽アプリに追加で最も保存された楽曲 | sombr『back to friends』 | TikTok使用動画数 770万件以上、総再生回数 217億回。Spotify 11億回以上再生、Spotify Billions Clubに加入(10月)。Billboard Hot 100初チャートイン、グラミー Best New Artistノミネート。 |
| 音楽アプリに追加で最も保存されたアルバム | Tate McRae『So Close To What』 | 2025年2月リリース。Billboard 200初登場1位。TikTokでの注目を背景にストリーミングが伸長。 |
以上の情報はすべて、TikTokが2025年11月時点で集計したデータに基づいています。TikTokは引き続き、プラットフォーム上のコミュニティを通じて古典的な楽曲の再評価や新しいアーティストの発見を促しており、音楽発見の仕組みが世界の音楽市場に影響を与えていることが改めて示されました。