ジェイズ、セントラルサーキットを取得 譲渡は2026年1月末予定

セントラルサーキット取得

開催日:1月31日

セントラルサーキット取得
今回の買収でサーキットはどう変わるの?
イベント拡充やカテゴリー多様化、ピットや観戦環境のリニューアル、EV/HV対応設備の拡張、若手育成プログラム導入、将来的なコース延伸を含め、ジェイズの技術と運営ノウハウで段階的に改善される予定です。
運営はいつから変わるの?
契約は2025年12月9日に締結済みで、譲渡実行は2026年1月末(予定)。譲渡実行後にジェイズ・コーポレーションが新体制で運営を引き継ぎ、段階的に施設改修やサービス強化を進めます。

ジェイズ・コーポレーションがセントラルサーキットを取得――関西のモータースポーツ基盤を強化

2025年12月9日、ホンダ車を中心にチューニング及びパーツ開発・販売を手掛ける株式会社ジェイズ・コーポレーション(ジェイズレーシング)は、兵庫県に所在する株式会社セントラルサーキットの全株式取得に関する契約を締結した。契約締結日は2025年12月9日で、譲渡実行日は2026年1月末(予定)となっている。

セントラルサーキットは関西を代表するモータースポーツフィールドとして1996年の開業以来、多くのドライバーやチームに利用されてきた歴史あるコースであり、今回のM&Aは地域と業界の基盤を再強化する意図を持つ。取得にあたっては、両社の約30年にわたる友好関係とモータースポーツ文化に対する共通認識が背景にある。

株式会社ジェイズ・コーポレーション(ジェイズレーシング)、株式会社セントラルサーキットの全株式を取得 画像 2

背景と狙い:安全・設備・多様化への対応

セントラルサーキットは長年にわたり多くのユーザーに親しまれてきたが、近年はより高度な安全基準や設備更新、利用者層の多様化に対応するための抜本的な強化が求められていた。ジェイズ・コーポレーションは国内外のサーキットで培ってきた技術力や開発力、安全思想を運営に融合させることで、サーキット運営の常識を改めることを目指す。

今回の取得は、単なる所有移転にとどまらず、試験・開発の現場であるサーキットと製品開発を強く結び付ける同社の企業理念をサーキット運営に反映させる戦略的な取り組みである。

  • 取得対象: セントラルサーキット事業
  • 契約締結日: 2025年12月9日
  • 譲渡実行日: 2026年1月末(予定)
  • 運営体制: 譲渡後はジェイズ・コーポレーションが新体制のもと運営を引き継ぎ、段階的に施設改善・サービス強化を実施
株式会社ジェイズ・コーポレーション(ジェイズレーシング)、株式会社セントラルサーキットの全株式を取得 画像 3

具体的な施策とイベント強化の方向性

発表された計画では、イベントの種類の拡充から施設のハード面の刷新、若手育成プログラムまで多角的な施策が挙げられている。初心者からプロフェッショナルまでを対象にした走行会や耐久レース、タイムアタックなどを強化し、ユーザー層の幅を拡大する方針だ。

また、安全性向上のための設備リニューアル、ピットや観戦環境の改善に加えて、EV/ハイブリッド車両向けの設備拡張も明記されている。これは近年の自動車技術の変化に対応し、あらゆる車種が安心して走行できる場を提供するための施策である。

イベントと育成プログラムの詳細

イベント面では幅広いカテゴリーの導入を予定しており、走行会、タイムアタック、耐久レースなど異なる目的とレベルに応じた企画が進められる。これにより、これまで参加機会が限られていた層にも門戸を広げる狙いがある。

育成プログラムに関しては、次代のモータースポーツ文化を担う若手ドライバーの育成を重視。具体的なカリキュラムや育成の仕組みについては段階的に公表される見込みだが、サーキットとメーカー、チームとの連携を深める設計が想定される。

主な取り組みテーマ
・イベントの拡充とカテゴリー多様化(初心者~プロまで)
・安全性向上のための設備リニューアル、ピット・観戦環境の改善
・EV/ハイブリッド車両向け設備の拡張
・若手ドライバー育成プログラムの実施
・国際基準を視野に入れた大規模コース延伸計画

代表者コメントと企業理念の結合

取引に際して、セントラルサーキットとジェイズ・コーポレーション両社の代表者からコメントが発表されている。セントラルサーキット代表取締役社長井入宏之氏は、これまでの支援に対する感謝とともに、新体制への期待を述べている。

井入氏のコメント全文は以下の通りである。

「この度、セントラルサーキットは 株式会社ジェイズ・コーポレーションによるM&Aを通じ、新たな運営体制へと移行することとなりました。 まずは、これまで当サーキットを支えていただいたすべての皆様に、心より御礼申し上げます。

セントラルサーキットは長年にわたり、関西を代表するモータースポーツフィールドとして、多くのドライバーの皆様にご利用いただいてまいりました。 近年、より安全性の高い運営体制の構築、施設設備の刷新、そして次世代のモータースポーツ文化の創出が求められる中で、当社はサーキットの未来を見据えた大きな判断を行いました。

株式会社ジェイズ・コーポレーションは、国内外で高い評価を得る技術力と情熱を持ち、車両開発・モータースポーツ活動の両面で日本のチューニングシーンを牽引する企業です。また同社とは約30年近くに渡り友好な関係を築き、多くの困難を共に乗り越えモータースポーツ業界の繁栄に尽力して参りました。

同社がこれまで培ってきた知見をサーキット運営に生かすことで、セントラルサーキットはこれまで以上に安心・安全で魅力ある走行環境を提供できるものと確信しております。

今回のM&Aにより、 セントラルサーキットは 施設の改善、イベントの拡充、そしてユーザー体験の向上に向けた取り組みがさらに加速し、 関西、ひいては日本のモータリゼーションの発展に大きく貢献していくものと期待しております。

セントラルサーキットは、新体制のもとでさらなる飛躍を遂げてまいります。 引き続き、変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」

一方、ジェイズ・コーポレーション代表取締役社長梅本淳一氏は、自社の企業理念とサーキット運営の結合について詳述している。梅本氏のコメント全文は以下の通りである。

「この度、当社、株式会社ジェイズ・コーポレーションは、兵庫県のセントラルサーキットをM&Aにより取得し、新たな運営体制としての歩みを開始する運びとなりました。 まずは、長年にわたりサーキットを支えてこられた井入代表および関係者の皆様に深く敬意を表するとともに、今回の我々の決断にご理解いただいたことに感謝申し上げます。

ジェイズレーシングは創業以来、「パーツ開発は常にサーキットで培われる」という理念のもと、車両開発・レース活動・パーツ制作に取り組み、セントラルサーキットと共に歩み成長して参りました。

セントラルサーキットは、これまで多くのドライバーとチームに愛されてきた歴史ある場所であり、井入代表が長年にわたり築き上げてこられた素晴らしい土台があります。その歴史と意思を尊重しつつ、我々がこれまで国内外のサーキットで培ってきた知見を融合させることで、セントラルサーキットを「次のフェーズ」へと進化させて参ります。

セントラルサーキットの取得は、我々が次のステージへ進むための大きなチャレンジであり、私自身を成長させてくれたセントラルサーキット井入代表への恩返しでもあります。

今後は以下の4つのテーマを掲げ、取り組みを加速してまいります。

  1. 更なる製品開発の深化と進化
  2. 「走る歓び」と「絶対的な安心」を高次元で融合させた走行環境の整備
  3. 初心者からプロフェッショナルまで、全てのドライバーの情熱を受け止めるイベントの強化
  4. 次代のモータースポーツ文化を創造する、若手ドライバーへの継承と支援

将来的に大幅なコース延伸を計画しており、実現した暁には、セントラルサーキットはドイツのニュルブルクリンクのように、世界中のメーカーやファンが集まるエキサイティングな場所を目指します。 この場所を名実ともに「モータースポーツの聖地」として生まれ変わらせることで、地元の雇用創出、地域社会への貢献を果たすことが我々の使命であり、より一層のモータースポーツ文化繁栄に尽力してまいる覚悟です。

今後とも変わらぬご支援、ご期待を賜りますようお願い申し上げます。」

取引概要と企業情報:所在地・沿革・公的認定

取引の主要項目と両社の基本情報は発表資料に詳細が記載されている。取得対象はセントラルサーキット事業で、譲渡実行は2026年1月末を予定している。譲渡後はジェイズ・コーポレーションが運営を引き継ぎ、段階的に施設改善とサービス強化を実施する計画だ。

以下に両社の要点を整理する。

項目 内容
取得対象 セントラルサーキット事業
契約締結日 2025年12月9日
譲渡実行日 2026年1月末(予定)
ジェイズ・コーポレーション 本社 〒567-0083 大阪府茨木市彩都もえぎ1丁目3-2
ジェイズ・コーポレーション 代表者 代表取締役社長 梅本 淳一
ジェイズ・コーポレーション 創業 1989年11月
ジェイズ・コーポレーション URL https://www.jsracing.co.jp/
セントラルサーキット 所在地 兵庫県多可郡多可町中区坂本521-1
セントラルサーキット 代表者 代表取締役社長 井入 宏之
セントラルサーキット 開業 1996年
セントラルサーキット コース長 全長 2.804km(JAF公認)
セントラルサーキット URL https://central-circuit.com/

ジェイズ・コーポレーションは設立以来ホンダカー専門のチューニングとパーツ開発・販売を軸に、日本および海外(北米、アジア、オセアニア、ヨーロッパ)で評価を得てきた。製品の試作・開発段階から自社デモカーを利用するなど、サーキットでの実戦を重視する姿勢を維持している。

セントラルサーキットは四輪・二輪を問わず多様なカテゴリーの走行会やレースイベントが年間を通して開催されるJAF公認のコースであり、その地理的・技術的価値を生かした運営が期待される。

まとめ:今回の取得で期待される変化と主要事項の整理

今回の全株式取得により、セントラルサーキットはジェイズ・コーポレーションの持つ技術力や運営ノウハウを取り入れ、施設改善、イベント拡充、安全性の強化、若手育成といった領域で段階的な改革を進める予定だ。将来的には国際基準を視野に入れた大幅なコース延伸計画も構想されており、テストフィールドとしての価値向上や世界的な注目を集める拠点形成が目標に掲げられている。

以下の表に本記事で触れた主要な情報を整理する。

項目 詳細
発表日 2025年12月9日 13時00分(株式会社ジェイズ・コーポレーション 発表)
契約締結日 2025年12月9日
譲渡実行日 2026年1月末(予定)
取得対象 セントラルサーキット事業(兵庫県多可郡多可町)
主な施策 イベント拡充・カテゴリー多様化、安全設備リニューアル、EV/HV対応設備、若手育成、コース延伸構想
セントラルサーキット コース情報 JAF公認 全長2.804km、開業1996年
ジェイズ・コーポレーション 代表 代表取締役社長 梅本 淳一(創業1989年11月、本社:大阪府茨木市)
セントラルサーキット 代表 代表取締役社長 井入 宏之
関連URL https://www.jsracing.co.jp/ 、 https://central-circuit.com/

以上が、ジェイズ・コーポレーションによるセントラルサーキット全株式取得に関する発表内容の要点と詳細である。契約締結日および譲渡予定日や、両社の代表コメント、具体的な改善計画や将来的なコース延伸構想など、発表資料に含まれる情報を整理して伝えた。