渋谷院の診療データが示す梅毒の実態と予防法
ベストカレンダー編集部
2025年12月9日 18:32
渋谷院の梅毒診療データ
開催期間:7月1日〜10月31日
渋谷院の診療データが示す、梅毒報告の現況と問題意識
医療法人社団OURSは、KARADA内科クリニック渋谷院の診療データを集計し、梅毒感染に関する傾向を公表しました。リリース日時は2025年12月9日11時04分で、厚生労働省の公表(「日本の性感染症の発生動向(令和7年8月7日)」)に示されるように、梅毒患者報告数は2022年以降3年連続で1万人を超える高い水準で推移しています。
本稿ではKARADA内科クリニック渋谷院の匿名化した問診票の集計結果(対象期間:2024年7月1日〜2025年10月31日、対象人数:289人)をもとに、具体的な感染経路・受診動機・防御行動などの実態を整理し、感染リスクを減らすための知識を分かりやすく提示します。データは当該クリニックの診療実績に基づくものであり、集計方法は問診票の内容を匿名化したうえで行われています。
診療データから見えた三つの重要な傾向
渋谷院で診断・治療を受けた289人の患者データから、梅毒感染に関わる傾向が三点明らかになりました。以下では各傾向を数値とともに示し、背景となる医学的な解説や受診につながった事例なども併せて紹介します。
各項目は問診で得られた回答を集計したもので、感染が疑われる行為に関して「相手または自分がコンドームを利用していたか」「性交・経口・両方か」「受診のきっかけ」などの設問に基づいています。
傾向①:コンドーム使用下でも感染した例が30.4%
コンドーム使用の有無についての回答では、289人中88人が「あり」と回答し、割合は30.4%でした。コンドームは性感染症の予防において重要な手段ですが、梅毒は口や外陰部周辺など、コンドームで覆われない部位からの感染が起こり得るため、コンドーム使用でリスクを完全にゼロにできない点が示されています。
コンドーム着用で防げる感染と、コンドームで覆われない部位から生じる感染リスクの違いを理解することが重要です。以下に感染経路の特徴を整理します。
- コンドームで防ぎやすい感染経路
- 陰茎と膣・肛門の直接接触による粘膜間の感染(例:HIV、淋病、クラミジアの一部)
- コンドームで防ぎにくい感染経路
- 口唇や口腔、外陰部周辺など、コンドームが覆わない部位での接触(例:咽頭梅毒、皮膚同士の接触による梅毒)
傾向②:経口のみの性行為で感染した例が8.3%
性的接触の種類について「経口のみ」と回答した方は289人中24人で、割合は8.3%でした。梅毒には咽頭梅毒という表現型があり、のどから感染することがある点がデータでも裏付けられています。オーラルセックスに加え、キスのみでも感染する可能性があることに留意が必要です。
実際に渋谷院では「喉の違和感が続いている」といった相談から検査を行い、梅毒と診断されたケースが複数報告されています。経口接触による感染は自覚症状が軽いこともあり、受診や検査に繋がるまで時間がかかる場合があります。
傾向③:症状があって来院した人は54.7%に留まる
受診のきっかけについて「症状がある」と回答したのは289人中158人で、割合は54.7%でした。残る45.3%は、感染が疑われる相手との性行為で不安になった方、健康診断や人間ドック、他の検査の採血などで陽性になった方などが含まれます。
梅毒には自覚症状がない「無症候期」があり、感染に気付かないまま進行するケースがあります。無症候期でも感染力はあり、性的接触があれば相手に感染を広げる可能性があるため、症状の有無にかかわらず検査が有用です。
検査・治療・予防の体制と具体的な選択肢
KARADA内科クリニック渋谷院では、プライバシー配慮のある問診・検査体制を整備しており、Web予約やオンライン診療にも対応しています。症状の有無に関わらず「心配だから一度検査を受けたい」という要望にも対応可能と明記されています。
また、保険適用での検査や治療に対応しており、検査で陽性となった場合は治療薬の処方が可能です。当院では「検査」「治療」「予防」を三本柱として性感染症対策を行っています。
事後予防(DOXY PEP)と事前予防(HIV PrEP)の提供
薬による予防の選択肢について、当院は性行為後72時間以内の内服で梅毒・淋病・クラミジアを一定確率で防ぐ事後予防薬「DOXY PEP(ドキシペップ)」と、性行為前に服用することでHIV感染を防ぐ事前予防薬「HIV PrEP(HIVプレップ)」を処方しています。いずれも医師の診断に基づく処方となります。
詳細は以下のページで案内されています(当該リリース内での参照リンク)。
- ドキシペップの詳細:https://sti-check.com/medical/doxy-pep-lp/
- HIV PrEPの詳細:https://sti-check.com/medical/prep-generic/
受診を検討すべき具体的なケース
リリースは、次のような状況に該当する方に検査の検討を促しています。非常に具体的な条件が示されており、早期発見・早期治療につながる指針となります。
- 新しいパートナーとの性行為があった
- コンドームなし、もしくは途中まで不使用での性行為をした
- マッチングアプリや風俗店など、不特定の相手との接触があった
- パートナーから「性病かもしれない」と言われた
- 口や性器、肛門周囲にしこり・潰瘍・発疹などが出たが放置している
プライバシーに配慮した対応やオンライン診療、Web予約の利用が可能であることが強調されています。
院長のコメントとクリニックプロフィール、診療拠点
KARADA内科クリニック渋谷 院長 田中雅之は、梅毒について次のようにコメントしています。梅毒は適切な抗菌薬で治療が可能である一方、放置すると数年〜数十年後に神経・心血管などに重い合併症を起こすことがあり、妊娠中の感染は先天梅毒のリスクにつながるため無視できない、との指摘です。田中院長は「コンドームをしているから安心」「軽い接触だけだから問題ない」「症状がないから大丈夫」といった誤解を避け、心配な接触があれば早めに医療機関で検査を受けることを推奨しています。
総院長の佐藤昭裕は、日本感染症学会専門医・指導医として多数の感染症診療・研究・啓発に携わっており、メディア出演歴もある感染症専門医です。田中雅之院長は感染症診療に長年従事し、学会や論文での発信も続けている医学博士であり、複数の専門資格を有しています。
| 名称 | 医療法人社団OURS KADADA内科クリニック |
|---|---|
| 五反田院 | 〒141-0031 東京都品川区西五反田 1-2-8 FPG links GOTANDA 10F |
| 渋谷院 | 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-23-13 丸大ビル6F |
| 中野院 | 〒164-0001 東京都中野区中野5丁目64-5 中野サンピオーネビル 7階 |
| 福岡天神院 | 〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神2丁目3-37 FPG links TENJIN 3F |
| 診療科 | 内科/感染症内科(他、院ごとに診療科が異なります) |
| ホームページ | https://sti-check.com/ |
報道や転載時の出典明記については、本リリースで示されたとおり「KARADA内科クリニック」およびホームページURLの明記が求められています。また、取材申込み先に関する案内はリリース内の「(メディア関係者さま)取材のお申込み先はこちら」に準じます。
本記事の要点整理(データと主要情報のまとめ)
最後に、本文で触れた主要な数値・期間・連絡先・診療方針などを表形式で整理します。本文で示した診療データや医療提供体制を改めて確認できるようにしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース発表 | 医療法人社団OURS(KARADA内科クリニック) 2025年12月9日 11時04分 |
| 集計対象期間 | 2024年7月1日〜2025年10月31日 |
| 対象人数 | 289人(渋谷院で梅毒と診断され治療を受けた患者) |
| 集計方法 | 問診票の内容を匿名化して集計 |
| 傾向①(コンドーム) | 30.4%(88人/289人)がコンドームを使用していたと回答。コンドームで覆われない部位からの感染リスクは残る。 |
| 傾向②(経口のみ) | 8.3%(24人/289人)が経口のみの性行為で感染。咽頭梅毒やキスによる感染の可能性がある。 |
| 傾向③(症状の有無) | 54.7%(158人/289人)が症状ありで来院。無症候期でも感染力がある点に注意。 |
| 治療・予防の対応 | 検査・治療・予防の三本柱。保険適用での検査・治療対応。DOXY PEP(事後予防)とHIV PrEP(事前予防)の処方あり。 |
| 関連リンク | DOXY PEP(ドキシペップ)詳細 HIV PrEP(プレップ)詳細 クリニックホームページ |
| 出典 | 厚生労働省「日本の性感染症の発生動向(令和7年8月7日)」およびKARADA内科クリニック渋谷院の集計データ |
以上が本リリースの要点と渋谷院の診療データに基づく整理です。梅毒は治療が可能である一方で、放置すると将来的に重篤な合併症を引き起こす可能性があり、妊娠中の感染は先天梅毒のリスクにつながります。症状の有無に関わらず心配がある場合には適切な検査の実施が重要であることが、今回の集計結果からも示されています。
参考リンク: