タナベコンサル新刊『成長ビジョン』実務で効く戦略書

変化の時代に求められる「成長ビジョン」とは

2025年12月9日（火）、株式会社タナベコンサルティンググループは書籍『持続可能な未来を創る成長ビジョン』を発売した。本書は、急速に変動する経営環境に対応するために、企業が長期的な成長を実現するための考え方と実践手順を示す内容になっている。発表は同日11時00分に行われている。

昨今の企業を取り巻く課題として、本書は人手不足、円安、インフレ、金利上昇などを挙げ、短期間での環境変動に対応するためには、企業自身が描くべき未来像である「成長ビジョン」を明確化し、経営の中で実装していくことが鍵であると指摘する。

「志」と「かなえたい夢」を両輪とするアプローチ

本書の中心的なメッセージは、長期にわたって成長を続ける企業に共通する2つの要素、すなわち「志（経営理念）」と「かなえたい夢（ビジョン）」に着目する点である。これらを起点に戦略の構築から運用までを一貫して行う考え方を提案している。

志とビジョンを結びつけることで、経営者と社員が一体となり、意思決定や日々の業務が長期的な方向性に沿うようになることを狙いとしている。書中では成長ビジョンを戦略や実装に結びつけるための視点と手順が示される。

本書の構成と、戦略から領域展開までの解説

本書は大きく第Ⅰ部（ストラテジー編）と第Ⅱ部（ドメイン編）に分かれている。第Ⅰ部では成長ビジョンに基づく経営戦略・事業戦略・組織戦略の構築と運用を体系的に解説し、第Ⅱ部では実際の事例に基づき業種別の展開を示している。

第Ⅱ部で扱う業種は、建設、ライフスタイル、住宅、食品、物流の主要5業種であり、タナベコンサルティンググループ（TCG）が手掛けた事例をもとに展開方法や実装上の留意点が紹介されている。

第Ⅰ部 ストラテジー（戦略）編の要点

第Ⅰ部では、成長ビジョンを基点にした戦略設計のフレームワークを提示する。経営戦略・事業戦略・組織戦略をつなげ、実行段階での運用を定着させるための手順が示される。

具体的には、ビジョンをどう経営計画に落とし込み、組織やオペレーションに定着させるか、また意思決定プロセスとの整合性をいかに保つかといった点が扱われる。

第Ⅱ部 ドメイン（領域）編の要点

第Ⅱ部は、TCGが携わった実務事例に基づき、業種別の有効な展開方法を示す章である。建設・ライフスタイル・住宅・食品・物流といった分野で、事業ドメインの再設定やビジネスモデル革新の実例が紹介されている。

これら事例は、理論のみならず現場での実務に基づく成果に立脚しており、特に現場分散型事業や多店舗展開型事業における生産性改善やビジネスデザインの再構築など、実用性の高い知見が得られる構成になっている。

著者・監修者のプロフィールとTCGの位置づけ

本書の著者は、タナベコンサルティンググループのストラテジー＆ドメインコンサルティング事業部のメンバーである山本剛史、村上幸一、高島健二の3氏で、戦略総合研究所が監修を担当している。各氏は実務経験を基に、戦略立案から実装に至るまでを支援してきた実績がある。

以下に著者の経歴と得意分野を示す。

山本 剛史（常務取締役）

大手ゼネコンでの設計・監督業務経験を経てタナベコンサルティング入社。事業ドメインから事業戦略を捉え、企業の固有技術を出発点に顧客再設定やビジネスモデル革新を行うことを得意とする。現場分散型の住宅・建築・物流、外食・小売の多店舗展開型事業で多数の生産性改善実績を有する。

村上 幸一（常務取締役）

ベンチャーキャピタルでの投資先支援を経てタナベコンサルティング入社。マーケティングを軸に経営戦略立案、ビジネスモデル再設計、組織風土改革を行い、攻守のバランスを重視したコンサルティングを多数実施している。

高島 健二（上席執行役員）

中堅・中規模企業を中心に中長期ビジョンや中期経営計画の策定から浸透・実装までを支援。マーケティング戦略構築や新規事業のフィージビリティスタディなど、多面的な新バリューチェーン構築に関する業務経験を有する。

監修：戦略総合研究所

タナベコンサルティングにおけるチームコンサルティングのナレッジ集約、メソッド開発、調査・マーケティング、DXサービス研究開発を担う組織。国内の大企業から中堅・中規模企業を中心にレビューやコンテンツを発信している。

また、タナベコンサルティンググループ（TCG）自体の概要として、1957年創業、東証プライム市場上場、グループ8社、約900名のプロフェッショナル人材を有する点が報告されており、創業以来18,900社以上の支援実績を有するコンサルティンググループとして位置づけられている。

同社は「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念を掲げ、“その決断を、愛でささえる、世界を変える。”というパーパスの下、トップマネジメントアプローチで経営戦略からDXを活用した経営オペレーション実装までを一気通貫で支援している。

発売情報、書誌データ、関連リンク

書籍の発売情報、価格、仕様などの書誌データは以下のとおりである。発行日は2025年12月9日で、同日に発売が開始されている。

流通や購入にあたっての主要な関連ページも公開されているため、購読を検討する場合はこれらのリンクを参照することができる。

• 書名：『持続可能な未来を創る成長ビジョン’
• 著者：山本 剛史／村上 幸一／高島 健二（タナベコンサルティンググループ ストラテジー＆ドメインコンサルティング事業部）
• 監修：戦略総合研究所
• 出版社：株式会社ダイヤモンド社
• 定価：1,760円（税込）
• 発行年月日：2025年12月9日
• 判型・仕様：四六判・上製・280ページ

関連ページのURLは次の通りである。書籍購入ページおよび本書の紹介記事が掲載された当社メディア『TCG REVIEW』のリンクが公開されている。

• 書籍購入ページ（https://www.tanabeconsulting.co.jp/book/）
• TCG REVIEW の書籍紹介（https://review.tanabeconsulting.co.jp/book/book-20251203115239/）

要点の整理と書誌情報の一覧表

本記事では、タナベコンサルティンググループによる新刊『持続可能な未来を創る成長ビジョン』の内容、構成、著者・監修者のプロフィール、TCGの概要および発売情報を整理してきた。以下に記事で扱った主要項目を表形式でまとめる。

上記の表は本記事で取り上げた主要な事実を整理したものである。本書は、戦略設計と領域別の実装事例を併せて提示することで、経営者や経営企画担当者が意思決定および実行の場面で参照可能な実践的なガイドを提供している。