高専卒向け転職サービス「EnCycle Agent」発表、寄付で高専へ還元

EnCycle Agent発表

開催日:12月9日

EnCycle Agent発表
EnCycle Agentって他の転職エージェントと何が違うの?
EnCycle Agentは高専出身者に特化した転職エージェントで、高専出身アドバイザーが技術や実務を正しく言語化し、成約時に理論年収の5%相当を出身高専やコミュニティへ還元する点が大きな特徴です。
寄付って求職者の給与に影響するの?
求職者の給与や手取りには影響しません。寄付分は株式会社プロッセルの紹介手数料から拠出され、成約時に理論年収の5%相当額が出身高専や高専コミュニティへ寄付される仕組みです。

高専出身者のキャリアを支え、出身コミュニティへ還元する新たな循環

2025年12月9日10時に発表された新サービスEnCycle Agentは、高専(高等専門学校)卒業生に特化した転職エージェントとしてリリースされました。提供元は株式会社プロッセル(本社:新潟県新潟市、代表取締役CEO:横山和輝)であり、同社が掲げるビジョンは「高専人を幸せに。そしてその周りの人へ。」です。発表文は、サービスの目的と運用の仕組み、寄付金の使途例、運営体制やグループ企業の役割までを詳細に伝えています。

EnCycle Agentの特徴は、単に個人の転職支援に留まらず、採用成立時に発生する手数料の一部を出身高専や高専コミュニティへ還元する点にあります。寄付は応募者の理論年収の5%相当額が対象で、当該金額は株式会社プロッセルの紹介手数料から拠出されるため、求職者の手取りや年収には影響しないと明記されています。こうした仕組みはサービス名に込められた「En(縁)+ Cycle(循環)」の考えに基づくものです。

高専生特化のキャリア事業を展開するプロッセルが、新サービス「EnCycle Agent」をリリース 画像 2

なぜ高専特化が必要だったのか──開発背景と課題認識

高専は中学校卒業後に5年間の一貫教育で高度な専門技術を教育する制度であり、実践的な技術力と即戦力性を備えた人材を輩出してきました。しかし、一般的な転職市場や既存の転職エージェントでは、高専で培われた専門性が十分に理解されず、適切に評価されにくいケースがあると指摘されています。EnCycle Agentはこうした課題認識を出発点として設計されました。

高専出身アドバイザーを起用することで、履歴書や職務経歴書では伝わりにくい実務経験や技術的背景を正確に言語化し、採用企業とのマッチング精度を高めることを目指しています。同時に、採用が成立した際の寄付によって出身高専や関連コミュニティに資金を還流させ、次世代の教育・研究環境の充実に寄与する循環をつくり出すことが狙いです。

高専生特化のキャリア事業を展開するプロッセルが、新サービス「EnCycle Agent」をリリース 画像 3

EnCycle Agentの仕組みと具体的な特徴

EnCycle Agentには大きく分けて三つの特徴が示されています。各特徴はサービス利用者(求職者)、採用企業、高専コミュニティの三者に対する価値提供を意識して設計されています。以下で機能と運用の詳細を整理します。

利用の流れや寄付の発生条件、アドバイザーの専門性、求人の性質といったポイントが明確に記載されており、サービス利用時に想定される影響や活用方法を理解しやすくしています。

高専生特化のキャリア事業を展開するプロッセルが、新サービス「EnCycle Agent」をリリース 画像 4

1. 業界初の「恩送り」システム:理論年収の5%を還元

EnCycle Agentを通じて求職者が希望する企業へ入社が決定した場合、当該求職者の理論年収の5%相当額が出身高専もしくは高専コミュニティへ寄付されます。この寄付分は当社の紹介手数料から拠出されるため、求職者の給与や手取りには影響しません。

寄付金の使途は具体的に想定されており、受け取る高専やコミュニティ側で次のような形で活用される予定です。

  • ロボコン・プロコンの材料費や遠征費の補助
  • 研究設備のアップデート
  • 学生奨学金の支援
  • 部活動や寮生活の環境改善

寄付がどのように配分されるか、具体的な手続きや報告の仕組みについてはプレスリリース本文に詳細なルールが明記されており、寄付先の透明性が確保される見込みです。

2. 高専出身アドバイザーによる専門サポート

担当アドバイザーは高専卒業生や高専教育の背景を深く理解しているメンバーを中心に構成されています。これにより、プロジェクトや研究、実務経験で得たスキルを適切に評価して企業側に伝えることが可能になります。

通常の転職エージェントでは伝わりにくい高専特有の経験を、企業の要望に沿って言語化するため、求職者の強みを最大限に引き出すサポートが期待されます。これにより求職者は自身の技術や経験を正しく評価される機会を得られます。

3. 高専ネットワークを生かした厳選求人の紹介

プロッセルは一般財団法人高専人会を通じた全国の高専OBOGとのネットワークを有しており、高専人材の採用支援実績も多数保有しています。そのため、厳選された優良企業の非公開求人の紹介が可能である点が強調されています。

ネットワークを通じたマッチングは、企業側にとっても高専出身者の実力を理解したうえでの採用が行いやすく、求職者のキャリア形成にもつながる点が指摘されています。無料のキャリア相談も用意されています。

株式会社プロッセルとプロッセルホールディングスの事業構成

株式会社プロッセルは長岡高専発のスタートアップであり、高専生を対象にしたキャリアパートナー事業を展開しています。具体的にはビジネスコンテストやインターンの機会提供、起業家講演のアレンジ、eラーニングアプリの提供など、教育と実践をつなげる取り組みを行っています。

また、プロッセルの事業はプロッセルホールディングスのグループ戦略の一部として位置づけられており、グループ全体で高専発の価値を最大化することを目指しています。ホールディングスはM&Aによる戦略的統合と新規事業立ち上げの両輪で高専エコシステムの成長を加速すると説明されています。

株式会社プロッセル(事業会社)
代表取締役CEO:横山 和輝
所在地:〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1-2
設立:2020年6月5日
HP:https://prossell.jp/
株式会社プロッセルホールディングス(持株会社)
代表取締役CEO:横山 和輝
所在地:〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1-2
設立:2025年11月5日
HP:https://hd.prossell.jp

ホールディングス傘下の主な三社の役割は次の通りです。

  • 株式会社プロッセル:高専生向けキャリアパートナー事業
  • 株式会社越後鐡工所:ハードウェア開発や特注製造事業
  • 株式会社プロッセルテクノロジーズ:高専出身エンジニアと連携したソフトウェア開発事業

まとめと要点整理

EnCycle Agentは高専出身者の専門性を正当に評価し、採用成立時の一部手数料を出身高専や関連コミュニティへ還元する仕組みを導入した転職エージェントです。寄付は求職者の理論年収の5%相当額であり、紹介手数料から拠出されるため求職者の受取額に影響を与えません。

高専出身アドバイザーによる専門的なサポート、一般財団法人高専人会を介したネットワークを活かした非公開求人の紹介、寄付金の具体的な活用例まで、サービス設計の主要要素が明確に示されています。以下に本記事で扱った主な情報を表形式で整理します。

項目 内容
発表日 2025年12月9日 10時00分
サービス名 EnCycle Agent
事業者 株式会社プロッセル(本社:〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1-2)
代表者 横山 和輝(代表取締役CEO)
寄付ルール 求職者の理論年収の5%相当額を出身高専または高専コミュニティへ寄付(紹介手数料から拠出)
寄付の使途例 ロボコン・プロコンの材料費・遠征費、研究設備の更新、学生奨学金、部活動・寮環境改善
アドバイザー 高専出身者や高専教育を理解した専門メンバー
ネットワーク 一般財団法人高専人会を通じた全国の高専OBOGネットワーク
関連企業 株式会社プロッセル、株式会社越後鐡工所、株式会社プロッセルテクノロジーズ(ホールディングス傘下)
プロッセル設立日 2020年6月5日
プロッセルホールディングス設立日 2025年11月5日
公式サイト https://prossell.jp/ 、 https://hd.prossell.jp

本件は高専という特殊な教育背景を持つ人材の市場評価を高めると同時に、出身校やコミュニティへの資金循環を設計した点が特徴として挙げられます。サービスの運用状況や寄付金の配分実績は今後の注目点になりますが、プレスリリースは仕組みと意図を明確に伝えています。