JTBがYTGATE導入、決済可視化で承認率改善へ
ベストカレンダー編集部
2025年12月9日 11:21
JTBがYTGATE導入
開催日:12月9日
旅行業界が直面する決済課題とJTBの現状
国内外のパッケージ旅行、宿泊商品、MICE(会議・報奨旅行など)、地域観光イベントといった幅広い事業を展開する株式会社JTBは、EC販売の拡大に伴いオンラインチャネルでの決済重要性が高まっています。旅行業界では高額決済が多数発生するため、クレジットカード不正利用対策が不可欠です。
一方で、不正対策の副作用として正規顧客の取引がカード会社により否決されてしまう事例があり、顧客体験(UX)の低下や収益機会の損失が課題となっていました。従来の課題としては、「どのカード会社(イシュア)で、なぜ承認されなかったのか」が不明瞭で対応に時間がかかる点が挙げられ、対応が数か月遅延するケースも見られました。
承認率の見えにくさがもたらす影響
イシュアごとの承認状況や否決理由が把握できないと、現場は原因特定に時間を要し、改善アクションの優先順位付けが困難になります。旅行商品の一度きりの購入や高額取引が多いJTBにとって、承認率の可視化は収益性と顧客満足度に直結する重要な要素です。
例えば、あるカード発行会社で否決が集中している場合でも、その原因がカード会社側の審査基準や一時的なシステム要因、加盟店側の与信関連設定のいずれであるかを迅速に切り分けられなければ、正規顧客の取引再取得に遅延が生じます。こうした背景を踏まえ、JTBは決済データの可視化と承認率改善を両立する仕組みの導入を検討しました。
- 主な課題
- 高額決済のための不正リスクと正規取引否決のトレードオフ
- イシュア別の承認状況・否決理由の不透明さ
- 改善サイクルが長期化しやすい組織的な対応遅延
YTGATEの「決済承認率改善サービス」導入の経緯と選定理由
こうした背景を受け、株式会社JTBは株式会社YTGATEが提供する「決済承認率改善サービス」を導入しました。YTGATEは決済に関するコンサルティングや承認率改善支援、決済最適化SaaSを提供する企業で、決済データの可視化と改善のサイクルを短縮する機能が評価されました。
導入の決め手として、JTB側が重視したのはイシュアごとの承認状況をリアルタイムで可視化できる点、データに基づくカード会社との対話が可能になる点、不正対策とUXの両立を支援できる点、そして初期負担が小さく導入から効果測定までスムーズに進められることでした。
選定理由の詳細
YTGATEが選ばれた具体的な要因は以下のとおりです。これらはJTBが抱えていた課題に直接対応する機能とプロセスです。
- イシュア別可視化:カード発行会社ごとの承認率や否決理由をリアルタイムで把握できる仕組み。
- データ駆動の対話促進:カード会社との交渉や調整をデータを根拠に行うことで改善サイクルを迅速化。
- 不正抑止とUXの両立:不正検知を強化しつつ、誤検知による正規顧客体験の阻害を抑える設計。
- 低初期負担:導入の際の業務負担やシステム改修を最小限に抑え、短期間で効果測定に移行可能。
プレスリリースでは、これらの点が導入決定の主要因として挙げられており、導入後の効果や活用状況をまとめたインタビュー記事がYTGATE側で公開されています(公開日:2025年12月9日 10時01分)。当該記事は、導入にいたる背景やJTB内での運用体制、今後の改善サイクルについての言及を含め、具体的な活用事例を掲載しています。
事例記事のリンク:https://ytgate.jp/news/customer_stories/20251209-002/
導入後の活用状況と期待される運用フロー
YTGATEのサービス導入により、JTBは決済データの可視化を実現し、イシュア別の承認動向を短時間で把握できるようになりました。これにより、否決原因の切り分けやカード会社との対話が迅速化し、改善アクションの実行速度が高まりました。
導入後の運用は大きく分けて、データ収集・可視化→要因分析→カード会社との調整→施策実行・効果測定、という循環になります。YTGATEの支援によってこのサイクルがスピード化し、従来数か月かかっていた対応が大幅に短縮されることが期待されています。
実務での具体的な活用ポイント
実務面では、JTBの決済担当者がYTGATEのダッシュボードを通じてイシュア別承認率を確認し、否決理由(ベースラインの拒否コードなど)を特定します。そのデータをもとに、カード発行会社と技術的・運用的な調整を行うことで、承認率の改善に寄与します。
また、不正検知の設定を過度に厳しくしないことによって正規顧客の取引を守ることが重視され、UXを損なわない範囲での不正対策設計が推進されています。YTGATEはこの点について、決済効率化・安全対策・データ可視化を包括的に提供することで支援しています。
- 導入後の主な運用効果(期待される事項)
- 承認率の迅速な可視化による原因特定の短縮化
- カード会社とのデータに基づく対話による改善サイクルの高速化
- 不正抑止と顧客体験の均衡を取った施策実行
当事者の企業情報と本件の要点まとめ
本件に関わる企業の概要を整理します。JTBとYTGATE、双方の代表者・所在地・事業内容を確認することで、今回の取り組みがどのような組織的背景を持つものかが明確になります。
以下にプレスリリースで提供された情報をもとに、両社の基本情報と本件の要点を表形式でまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年12月9日 10時01分 |
| 導入サービス | 決済承認率改善サービス(株式会社YTGATE 提供) |
| 導入企業(クライアント) | 株式会社JTB(ツーリズム事業、エリアソリューション事業、ビジネスソリューション事業、グローバル領域) |
| JTB 代表者 | 代表取締役 社長執行役員 山北 栄二郎 |
| JTB 所在地 | 東京都品川区東品川二丁目3番11号 JTBビル |
| 提供企業 | 株式会社YTGATE |
| YTGATE 代表者 | 代表取締役社長 高橋 祐太郎 |
| YTGATE 所在地 | 東京都中央区新富1-8-2 Grandir Ginza East 5F |
| YTGATE 設立 | 2023年10月2日 |
| YTGATE 事業内容 | 決済関連コンサルティング事業、決済承認率改善支援、決済最適化SaaS事業 |
| YTGATE ミッション | 「決済を最適化し、世界をつなぐ。」 |
| 関連リンク | https://ytgate.jp/news/customer_stories/20251209-002/ https://ytgate.jp/ https://x.com/YTGATE_inc |
本記事では、JTBが抱えていた高額決済に伴う不正リスクと正規取引否決の課題、YTGATEの「決済承認率改善サービス」が選ばれた理由(イシュア別可視化、データに基づく対話、不正対策とUXの両立、低初期負担)、および導入後に想定される運用サイクルと効果を整理しました。公開されたインタビュー記事では導入効果や活用状況の詳細が報告されており、さらに具体的な取り組みや運用上の留意点については同記事を参照することが推奨されます。
この取り組みは、決済データの可視化を通じて承認率改善と不正抑止を両立させることを目指すものであり、旅行・観光分野におけるオンライン決済の品質向上に資するものと位置付けられます。
参考リンク: