深圳で盛況のCHTF第27回、1700億元超の商談成立

第27回CHTF閉幕

開催期間:11月14日〜11月16日

第27回CHTF閉幕
CHTFってどんなイベントなの?
中国ハイテク博覧会(CHTF)は深圳で開かれる国際的なハイテク見本市で、3日間で2,000社超・45万人超が来場。展示と商談を通じて実用化・投資につなげる大型イベントだ。
どんな企業や技術が出展してたの?
BYD、Huawei、Tencentなど大手から研究機関まで2,000社超が出展。長征ロケットやAPSTAR‑6D衛星、eVTOL、自律機、先端半導体、AIロボットや映像内蔵MRIなど多彩な先端技術が並んだ。

深圳が示したスケールと主要成果——第27回CHTFの開催概要

2025年11月16日、China Hi‑Tech Fair(CHTF)第27回大会が深圳のShenzhen World Exhibition & Convention Centerにて3日間の日程を終え閉幕しました。報告元はShenzhen Zhenwei International Exhibition Co., Ltd.(報道日時:2025年12月9日 00時38分)です。本年は、テーマに「Technology Empowering Industry, Driving Integration for a Shared Future」を掲げ、国内外の幅広いセクターからの参加を得て実施されました。

会期中は120以上の国・地域から延べ45万人を超える専門来場者が訪れ、来場者数は前年に比べ13%増となりました。会場では5,000点以上の新製品・イノベーションが披露され、会期中に行われた大規模な併催イベントは200件超1,023件1,700億元超を記録しています。

1700 億人民元が切り拓く、11月の深圳における未来 —— 第27回 中国ハイテク博覧会(CHTF)、盛況のうちに閉幕 画像 2

出展の構成と注目技術──産業横断で示された“技術の現在地”

第27回CHTFでは、戦略的産業領域を幅広くカバーする22の大型展示ゾーンが設けられ、国家レベルの装備やAI・ロボティクス、半導体・集積回路、コンシューマーエレクトロニクス、低高度経済、商業宇宙産業などが集約されました。出展されていた物理展示のうち90%超がハイエンドかつ精密・先進技術であり、そのうち20%が初公開の新作でした。

中央・国有企業から先進企業、研究機関まで合計で2,000社以上が参加し、多様な技術群が来場者の関心を集めました。特に実展示として提示された大型成果の例には、「長征ロケット」「HaiKui‑1 プラットフォーム」「華竜一号原子炉」「深圳星(APSTAR‑6D)衛星」「EH216‑S 自律型旅客機」などが含まれ、中国のイノベーション主導型ソリューションの幅広さが示されました。

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主な出展企業と研究機関

出展企業・機関は国家系企業、民間ハイテク企業、大学・研究機関まで多岐にわたりました。代表的な企業にはBYD、Tencent、Huawei、Honor、Empyrean Technology、Guangming Laboratory、Unitree Robotics、Cyberdog、Bourne Optical等が名を連ねました。

出展した研究機関・大学としては、Tsinghua University、Peking University、The Chinese University of Hong Kong、Fudan University、Hong Kong University of Science and Technology、Chinese Academy of Sciences、Shenzhen Bay Laboratory、RIOS Lab、Shenzhen Institute of Computing Sciencesなど、30を超える学術機関が最新研究成果を持ち込みました。

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注目された技術・展示一覧

会場では、多様な先端技術が展示され来場者の注目を集めました。具体的には、OpenHarmonyエコシステム、Ascend 384スーパー ノード、国内AIエコシステム、衛星を活用した遠隔ロボティック手術、世界初のビデオ撮影機能内蔵MRIなどが含まれます。

インタラクティブな体験では、ロボット同士の競演、3Dワールド生成モデル、eVTOL有人航空機、AI生成アートなどが実演され、技術が日常や産業に与える影響を来場者が直接体感できる構成となっていました。

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地域連携と産学官の協働──CHTFが担う資源配分とシナジー

本年は初めて「地域経済・技術革新成果展示ゾーン」が設けられ、中国各地域の技術成果と産業融合の現状が集約されました。北西部のクリーンエネルギー、東南のデジタル経済、東北の高端設備製造、粤港澳大湾区の先端技術など、地域ごとの特色ある成果が国家レベルの場で可視化されました。

地域代表団の出展事例として、上海代表団はCFETR(China Fusion Engineering Test Reactor)の模型や高温プラズマ処理技術、メガシティ向けモビリティデータプラットフォーム、マグネシウム系固体水素貯蔵等のデモを行いました。杭州・余杭代表団はRevo 2バイオニック工業用巧手、グラフェン複合繊維、TFT半導体技術を用いたDNAマイクロアレイ合成装置や自社開発チップを展示しました。

張家港代表団
「天龍‑3」大型液体ロケット縮尺模型、大型六ロータードローン、検査ロボット等を展示。
深圳福田区テック代表団
NAOロボット、Linglongロボット、IoTオペレーティングシステム、AIグラス、超伝導量子チップ、量子任意波形ジェネレーター、電子線露光装置等を紹介。

これら地域別の出展は、協調的かつ補完的なイノベーションエコシステムの形成に寄与しており、中国の近代化と高品質な発展への推進力として位置づけられています。

国際協力と取引成果──1,023件の成約、人民元1,700億元の意向総額

CHTFは国際化の演出にも力を入れ、今回の会期にはドイツ、米国、英国、フランス、オランダ、カナダ、スペイン、ポルトガル、ロシア、韓国、ブラジル、タイ、パキスタン、シンガポールなど120を超える国・地域から国際機関および企業が参加しました。また国際姉妹都市や「一帯一路(Belt and Road)」の協力展示エリアが設置され、国際的な成果共有が行われました。

初日には山東省に焦点を当てた新エネルギー・エネルギー貯蔵産業の特別セッションが実施され、英国、ロシア、ブルガリア、カナダ、メキシコ、オーストラリア、UAE、ヨルダン、韓国などから30を超える国際バイヤーが参加しました。参加者にはジェネラルマネジャー、CEO、CTO、購買責任者など意思決定層が含まれ、会場で直接的な意見交換が行われました。

マッチングと資金面の動向

国際ソーシング・マッチングや投資・資金調達マッチングイベントには、英国、ロシア、カナダ、インドなどから合計1,036名のバイヤー代表団3,000を超える国内外の投資機関

これらの活動の結果、CHTFは会期中に1,023件の成約人民元1,700億元超

総括と主要データ一覧(本文の要旨整理)

ここまで報じた内容を整理し、主要データと事実を表形式でまとめます。CHTFは展示・技術紹介だけでなく、地域連携、国際化、資金・商談の結実という側面でも顕著な成果を上げました。以下は本記事で触れた全データと重要事項の整理です。

項目 内容
開催名 China Hi‑Tech Fair(CHTF) 第27回大会
開催期間 2025年11月(11月16日閉幕、会期は3日間)
開催地 Shenzhen World Exhibition & Convention Center(深圳)
主催/報告元 Shenzhen Zhenwei International Exhibition Co., Ltd.(報道日時:2025年12月9日 00時38分)
テーマ Technology Empowering Industry, Driving Integration for a Shared Future
来場者数 45万人超(前年比13%増)
出展数・技術数 5,000点以上の新製品・イノベーション(うち20%が初公開)
併催イベント 200件超(フォーラム、発表会、サミット等)
成約数・意向総額 1,023件の成約、人民元1,700億元超の取引・投資意向総額
参加国・地域 120以上の国・地域(主要国例:ドイツ、米国、英国、フランス、オランダ等)
参加組織 2,000社超の企業・研究機関、30以上の大学・研究機関
主要出展企業例 China Aerospace Science and Technology Corporation、CNOOC、CGN、China Southern Power Grid、China Electric Equipment Group、BYD、Tencent、Huawei、Honor、Unitree Robotics等
金融・投資機関の動員 1,036のバイヤー代表団、3,000超の投資機関が参加(JPMorgan Chase、Goldman Sachs、Sequoia Capital等を含む)

本記事では第27回CHTFの開催概要、展示の中身、地域間の協働、国際的な参加と商談・投資の成果を整理しました。CHTFは深圳を拠点に、技術の発表と商業化を結びつける国家レベルのプラットフォームとしての機能を示し、来年も同会場での開催が予定されています。