木のあるオフィスが働き方を変える?モクコレが1/19開幕
ベストカレンダー編集部
2025年12月8日 14:48
モクコレ2026開催
開催期間:1月19日〜2月27日
木のあるオフィスが示す“心地よさ”──調査で浮かび上がった主要な印象
東京都とWOODコレクション(モクコレ)運営事務局が発表した調査では、「木のある空間」に対する感覚的な好印象が多くの働く人々に共有されていることが明らかになりました。調査は2025年11月にインターネットで実施され、有効回答数は400名、対象は20代~60代のオフィスワーカーです。
具体的には「気持ちが落ち着く」が44.8%、「安心感を感じる」が35.8%、「好印象を持てる」が22.5%と、情緒的・心理的な快適性を示す回答が上位となりました。こうした数値は、オフィス環境の評価軸が単なる機能性や効率性だけでなく、心理的安全性やウェルビーイングの要素を含むようになっていることを示唆します。
調査結果の背景にある文脈
コロナ禍以降、職場のあり方や人材の働き方に対する期待は変化してきました。今回の調査は、木材を取り入れた空間づくりがストレス軽減や集中しやすさに寄与する可能性を数値で示すものです。調査結果は、モクコレ2026で展示される建材や空間デザインの価値を読み解く手がかりとなります。
木のもつ「あたたかみ」「親しみ」が従業員の体感価値に結びつき、企業やまちづくりの視点からも意味を持つ点が本調査の中心的な発見です。
働き方への具体的な影響と世代・性別による差異
調査では「木のあるオフィスが働き方に与える影響」について尋ねた結果、最も多かった回答は「リラックスして働ける」(48.8%)でした。次いで「長時間いても疲れにくい」(24.0%)、「モチベーションが上がる」(20.8%)が上位に並び、身体的・心理的な働きやすさに関わる項目が目立ちました。
属性別の差異も確認されています。20・30代の男性では「コミュニケーションがしやすくなる」がそれぞれ35.0%、30.0%と全体(18.3%)を大きく上回る傾向が見られました。一方、20代女性では「アイデアが出やすくなる」(27.5%)と「モチベーションが上がる」(37.5%)が顕著で、世代・性別で実感する効果の種類に違いがあることが示されています。
データが示す組織的・個人的な効用
本調査からは、木材導入による効果が個々の働きやすさ(リラックス、疲労軽減、集中)にとどまらず、コミュニケーションやアイデア創出、モチベーション向上といった組織的効果にも波及する可能性が示唆されます。
こうした変化は、オフィスの素材選びが人の行動や関係性にも影響を与え得ることを示し、ウェルビーイング経営の一端として素材選定が注目される背景を裏付けます。
企業イメージと持続可能性の観点から見た木材活用の評価
「会社が木材を活用したオフィスづくりを進めた場合の企業イメージ」については、単一回答で「良くなる」(21.0%)と「やや良くなる」(35.5%)を合わせて過半数となり、木材活用が企業イメージ向上に寄与する可能性が確認されました。
また、木材活用に対する具体的なイメージでは、「あたたかみがあり、親しみやすい企業だと感じる」(44.0%)、「従業員の働きやすさを大切にしていると感じる」(26.5%)、「地域や自然環境を大切にする企業だと思う」(20.0%)、「働きやすいと感じる企業に感じる」(13.5%)といった回答が挙がっています。
サステナビリティと地域循環の観点
木材活用は単に内装の美観や快適性に留まらず、地域材の循環利用やカーボンニュートラルに資する点が強調されています。調査では企業の姿勢を示すシグナルとしても木材が受け止められており、「従業員配慮」「地域・自然への配慮」「企業姿勢の上質さ」といった価値観が結びついています。
結果として、木材は「人にやさしい」だけでなく「社会にも持続可能な選択」として期待されていることがデータで示されました。
WOODコレクション(モクコレ)2026:展示会の構成と開催情報
この調査結果は、国産木材の展示商談会「WOODコレクション(モクコレ)2026」で紹介される建材・プロダクト・空間デザインの価値を読み解く重要な鍵となります。本展示会は2016年の初開催から数えて10回目の実施です。
開催はリアル展とオンライン展を組み合わせたハイブリッド形式で、建築・デザイン・流通・行政など多様な業界間での出会いと事業マッチングを目指します。出展予定は全国約39都道府県、約300出展者となっています。
開催日時・会場・参加方法(詳細)
【リアル展】
2026年2月12日(木)10:00~17:30、2月13日(金)10:00~16:30
会場:東京ビッグサイト 西1・2ホール、アトリウム(東京都江東区有明3-11-1)
【オンライン展】
2026年1月19日(月)~2026年2月27日(金)
入場料:無料(事前登録制)
主催:東京都、WOODコレクション実行委員会
公式サイト(ティザー):https://www.mokucolle.com/
主な展示・イベントは次のとおりです。
- 全国39都道府県ごとのエリア分けによる木材製品の展示ブース
- セミナー、トークショー等の講演・対談プログラム
- 建築・デザイン・流通・行政・地域連携による実践事例の提示
調査の設計と主要データまとめ
調査は2025年11月に実施されたインターネットアンケートで、有効回答数400名、対象は20代~60代でオフィス勤務の男女です。設問は複数回答(MA)と単一回答(SA)を組み合わせて、木のある空間に対する印象、働き方への影響、企業イメージの変化、木材活用に対するイメージを尋ねています。
以下の表は、本記事で取り上げた主要項目を整理したものです。調査データとイベント概要を合わせて確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2025年11月(インターネットアンケート) |
| 有効回答数 | 400名(20代~60代のオフィス勤務者) |
| 木のある空間に対する上位印象 | 「気持ちが落ち着く」44.8%/「安心感を感じる」35.8%/「好印象を持てる」22.5% |
| 木のあるオフィスが働き方に与える影響(上位) | 「リラックスして働ける」48.8%/「長時間いても疲れにくい」24.0%/「モチベーションが上がる」20.8% |
| 世代・性別の特徴 | 20・30代男性:コミュニケーション向上(35.0%、30.0%)/20代女性:アイデア出やすさ27.5%、モチベーション37.5% |
| 企業イメージの変化(単一回答) | 「良くなる」21.0%/「やや良くなる」35.5%(合計過半数) |
| WOODコレクション(モクコレ)2026・リアル開催 | 2026年2月12日(木)10:00~17:30、2月13日(金)10:00~16:30/東京ビッグサイト西1・2ホール、アトリウム |
| WOODコレクション(モクコレ)2026・オンライン開催 | 2026年1月19日(月)~2026年2月27日(金) |
| 出展予定 | 全国約39都道府県、約300出展者 |
| 主催・参照 | 主催:東京都、WOODコレクション実行委員会/公式URL:https://www.mokucolle.com/ |
本調査は、木材を用いた空間づくりが心理的快適性や組織的価値を生む可能性を具体的数値で示しています。モクコレ2026は、こうした「なぜ今、木に注目するのか」という問いに対する実証的な裏付けを提示する場として位置づけられます。
調査結果と展示会情報を照らし合わせることで、企業のオフィス設計や自治体のまちづくり、プロダクト開発における素材選びが、従業員のウェルビーイングや地域循環、脱炭素にどのように寄与するかを検討する材料が得られます。
参考リンク: