VITAとCarolina ReaperをHCS2025で世界初公開

VITAとCarolina公開

開催日:12月7日

VITAとCarolina公開
VITAって何がすごいの?
VITAはCLASSIC 650の648cc並列2気筒エンジンを2基並列に搭載した極めて特殊なカスタム。前側のミッションを外してクランクケースを短縮し、左右プライマリーチェーンで前後エンジンを連結する独創的な機構と、マホガニー+アルミ素地の素材表現が特徴だ。
Carolina Reaperはいつどこで実走が見られるの?
Carolina ReaperはHCS2025のHave Fun Frat Trackブースで展示され、翌日2025年12月8日(月)に埼玉・川越のオフロードビレッジで開催されるHELL FUNで実走予定。展示と走行でデザインと性能が確認できる。

ロイヤルエンフィールドが世界初公開した二つの異彩──VITAとCarolina Reaper

2025年12月7日(日)、パシフィコ横浜で開催された「33rd Annual YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2025(第33回ヨコハマ ホット ロッド カスタム ショー/HCS2025)」にて、ロイヤルエンフィールドがカスタムバイク2台を世界初公開しました。プレス発表はピーシーアイ株式会社より同日15時30分に行われています。

公開されたのはVITA(ヴィタ)Carolina Reaper(キャロライナ・リーパー)の2台。両車いずれもロイヤルエンフィールドの公式カスタムプログラム「CUSTOM WORLD」とのコラボレーションによって製作され、国内外のカスタムビルダーがそれぞれの解釈で仕上げたモデルです。

ロイヤルエンフィールド カスタムバイク「VITA」と「Carolina Reaper」を 第33回 ヨコハマ ホットロッド カスタムショー2025で世界初公開 画像 2

公開会場と展示ブースの配置

「VITA」はロイヤルエンフィールドとCUSTOM WORKS ZONの共同ブースにて展示され、「Carolina Reaper」はフラットトラックのコミュニティやマシンを集めた「Have Fun Frat Track」ブースに展示されました。

また「Carolina Reaper」はHCS2025の翌日、2025年12月8日(月)に埼玉県川越市のオフロードビレッジで開催されるイベント「HELL FUN(ヘル・ファン)」で走行する予定として発表されています。

ロイヤルエンフィールド カスタムバイク「VITA」と「Carolina Reaper」を 第33回 ヨコハマ ホットロッド カスタムショー2025で世界初公開 画像 3

VITA──二つのエンジンと職人の素材感が示す挑戦

「VITA」は滋賀県を拠点とするカスタムファクトリーCUSTOM WORKS ZON(カスタムワークス・ゾン)の吉澤 雄一(よしざわ ゆういち)氏と植田 由和(うえだ よしかず)氏が製作しました。VITAのベース車両は、ロイヤルエンフィールドのフラッグシップモデルであるCLASSIC 650(クラシック・ロクゴーマル)です。

CLASSIC 650は2024年11月のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)で発表され、2025年春の大阪・東京・名古屋モーターサイクルショーで日本初公開、国内受注は2025年9月1日から開始されています。

VITAの主な技術仕様と設計思想

VITA最大の特徴は、CLASSIC 650の排気量648ccの空冷並列2気筒エンジン(SOHC、4バルブ)を2基搭載している点です。前後に並ぶ2基のエンジンは、前側エンジンのミッションを取り外し、クランクケースを短く加工することで同軸上に納められています。

前後のエンジンは、車体左側に配置したプライマリーチェーンで連結され、独自に設計したハードテールフレームに搭載されています。さらにフロントにはクラシカルな意匠のガーダーフォークを採用し、26インチの大径ホイールを組み合わせることでクラシックとモダンの融合を目指しています。

  • ベース車両:CLASSIC 650(648cc 並列2気筒、SOHC、4バルブ)
  • エンジン構成:2基搭載(前側はミッション取り外し、クランクケース短縮)
  • 駆動連結:左側プライマリーチェーンで前後エンジンを連結
  • フレーム:独自設計ハードテールフレーム
  • フロント:クラシカルなガーダーフォーク、26インチホイール
  • 外装素材:マホガニー材をはじめ、塗装を廃したアルミの素地と木目の組合せ

外装にはマホガニー材を用い、塗装ではなくアルミの地肌と木目を活かす仕上げにしている点も特徴です。素材感と機構の両面で「見せる」カスタムを体現しています。

Carolina Reaper──フラットトラック由来のレーシング性と板金加工の美学

「Carolina Reaper」は東京を拠点に活動するCheetah Custom Cycles(チーター・カスタムサイクルズ)の大沢 俊之(おおさわ としゆき)氏が製作しました。大沢氏はカスタムビルダーであると同時にエングレービングやグラフィックなど多岐にわたるアートワークを行い、フラットトラック・イベント「Have Fun Frat Track」も主催している人物です。

Carolina Reaperのベースは、2024年7月にスペイン・バルセロナで発表されたプレミアム・モダン・ロードスターGRR 450 / Guerrilla 450(ジーアールアール・ヨンゴーマル/ゲリラ・ヨンゴーマル)です。このGRR 450はロイヤルエンフィールドのアドベンチャーモデルHIMALAYANにも搭載される452cc 水冷単気筒 DOHC 4バルブ(シェルパ450エンジン)を採用しています。ただし、GRR 450の日本導入は現時点で未定となっています。

Carolina Reaperのコンセプトと構造的特徴

Carolina Reaperのコンセプトは「レトロとモダン、準レーサーとカスタムの融合」です。1970年代のアメリカのフラットトラックレーサーや四輪レーシングカーの機能美を取り入れつつ、遊び心のあるアメリカンレーシングの要素を盛り込んでいます。

具体的にはGRR450のメインフレームを活かしつつリアフレームを新設し、外装はすべてアルミ鋼板から板金加工で製作。スイングアームはクロモリ鋼管を用い、ブラスブレージングで仕上げたオリジナル品です。リアサスペンションはセッティングの容易さを優先して直押しタイプに変更されています。

  1. ベース車両:GRR 450(452cc 水冷単気筒 DOHC 4バルブ/シェルパ450エンジン)
  2. フレーム:メインフレームは無加工、リアフレームは新設
  3. 外装:アルミ鋼板の板金加工によるワンオフパネル
  4. スイングアーム:クロモリ鋼管、ブラスブレージングによるオリジナル品
  5. サスペンション:直押しタイプのリアサスに変更(セッティングの容易化)

Carolina ReaperはHCS2025ではHave Fun Frat Trackブースで展示され、翌日のHELL FUNでの走行を通じてその性能とデザインを実際に示す計画です。

ロイヤルエンフィールドの背景、モデルラインナップ、展示・問い合わせ情報

ロイヤルエンフィールドは1901年創業の二輪ブランドで、英国にルーツを持ち1955年にマドラス(現チェンナイ)に製造拠点を設けて以来、ミッドサイズ・モーターサイクル分野で成長を牽引してきました。ブランドの理念は「Pure Motorcycling(ピュア・モーターサイクリング)」に集約されます。

プレミアムラインナップは多岐にわたり、主要モデルには以下が含まれます。

  • METEOR 350(メテオ・サンゴーマル)
  • CLASSIC 650(クラシック・ロクゴーマル)
  • SUPER METEOR 650(スーパー・メテオ・ロクゴーマル)
  • INT650(アイエヌティ・ロクゴーマル)
  • CONTINENTAL GT650(コンチネンタル・ジーティー・ロクゴーマル)
  • HIMALAYAN 450(ヒマラヤ・ヨンゴーマル)
  • GOAN CLASSIC 350(ゴアン クラシック・サンゴーマル)
  • BULLET 350(ブリット・サンゴーマル)
  • CLASSIC 350(クラシック・サンゴーマル)
  • FLYNG FLEA(フライング・フリー) — 2024年発表の都市型電動・シティカテゴリーブランド

ロイヤルエンフィールドは世界60カ国以上、約850店舗を展開し、インド国内に2000以上の販売網を有しています。インドのEicher Motors Limitedの一部門として、英国のブランティングソープとチェンナイにテクニカルセンターを置き、オラガダムとヴァラムヴァダガルに生産施設、さらに6か国にCKD組立工場を保有しています。

報道関係者向け画像ダウンロード
https://www.royalenfield.co.jp/download/
公式サイト
https://www.royalenfield.co.jp
正規販売店情報
https://www.royalenfield.co.jp/dealers/
本件問い合わせ先
ロイヤルエンフィールド ジャパン(総輸入発売元:ピーシーアイ株式会社)
https://www.royalenfield.co.jp

今回の世界初公開は、ロイヤルエンフィールドのグローバルなカスタムプログラム「CUSTOM WORLD」と国内外のクラフトマンシップが交差した事例であり、展示と実走行を通じて、それぞれのアプローチの違いが明確に示されました。

展示された両車は機械設計と素材表現の両面で対照的な特徴を持ち、同社の製品群やイベント活動(Motoverse、Himalayan Odyssey、One Rideなど)と合わせてブランドの多様性を象徴しています。

記事内容の要点整理

以下の表は、本記事で取り上げた主な情報を整理したものです。展示日、製作者、ベース車両、主要技術仕様、展示ブースや走行予定など、重要な事実を網羅しています。

項目 VITA(ヴィタ) Carolina Reaper(キャロライナ・リーパー)
世界初公開会場・日付 パシフィコ横浜/33rd Annual YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2025(2025年12月7日)
製作ビルダー CUSTOM WORKS ZON(吉澤 雄一、植田 由和) Cheetah Custom Cycles(大沢 俊之)
展示ブース ロイヤルエンフィールド × CUSTOM WORKS ZON 共同ブース Have Fun Frat Track ブース(HCS2025展示)、HELL FUN(2025年12月8日・オフロードビレッジ川越)で走行予定
ベース車両 CLASSIC 650(648cc 空冷並列2気筒 SOHC 4バルブ) GRR 450 / Guerrilla 450(452cc 水冷単気筒 DOHC 4バルブ・シェルパ450エンジン)
主要特徴(機構) CLASSIC 650エンジンを2基搭載、前側はミッション取り外し・クランクケース短縮、左側プライマリーチェーンで連結、ハードテールフレーム、ガーダーフォーク、26インチホイール メインフレーム無加工、リアフレーム新設、アルミ鋼板の板金外装、クロモリスイングアーム(ブラスブレージング)、直押しタイプのリアサスペンション
主要特徴(素材・仕上げ) マホガニー材の外装、塗装を廃したアルミ素地と木目の組合せ アルミ鋼板の板金加工による外装、金属加工技術を活かした造形と仕上げ
その他 CLASSIC 650はEICMA 2024発表、2025年春の国内ショーで日本初公開、国内受注は2025年9月1日開始 GRR 450は2024年7月バルセロナ発表、日本導入は現時点で未定

この記事では、2025年12月7日に出されたロイヤルエンフィールド(ピーシーアイ株式会社発表)のプレスリリース内容を基に、両カスタムバイクの出自、技術的な特徴、展示・走行スケジュール、そしてロイヤルエンフィールドのブランド背景と製品群を整理してまとめました。

参考リンク: