12月24日開幕 未来館で体験するAIと人の絵ゲーム

デヴィエーション・ゲーム展示

開催日:12月24日

デヴィエーション・ゲーム展示
どんな展示なの?
未来館の常設ギャラリーで12月24日から始まる参加型の展示。来場者が絵を描き、他の来場者とAIがその絵を解釈して競い合い、AIに正解されない表現で人間の創造性を問い直すゲーム型の体験です。
プレイデータってAIに使われるの?
いいえ。プレスリリースで参加者のプレイデータは同意なしにAI学習には使用されないと明記されています。会場での撮影や記録は案内に従い、同意がある場合のみ別途扱われます。

AIの予測を逸脱することで問う「人間ならではの表現」

日本科学未来館は、常設展示ギャラリー「零壱庵」において、新展示「デヴィエーション・ゲーム-人間(ひと)ならではの表現って何だろう?」を2025年12月24日(水)から公開します。本展示は、AIと人間が絵を用いたゲームで対峙することで、AIには再現し得ない人間的な創造性や表現の在り方を探索する試みです。

作品はアーティスト木原 共(きはら とも)とアート・デザインユニットPlayfoolによるもので、参加者自身が描いた絵を用いて、ほかの参加者やAIがそれをどう解釈するかを競う形で進行します。AIが高速に学習し、過去のデータからの推測を行う現在、過去の模倣に留まらない新しい表現がどのように生まれうるかを実践的に示す展示です。

AIにはない人間の創造性を探る 新展示「デヴィエーション・ゲーム」 画像 2

ゲームの基本的な仕組み

本作は「イミテーション・ゲーム(アラン・チューリングの思考実験)」から着想を得ていますが、着眼点を逆転させています。従来はAIが人間を模倣できるかが問題でしたが、本作品では人間がAIの理解から逸脱することを試みます。

参加者は指定された出題カテゴリーに従って絵を描き、別の参加者がその絵を見て何を描いたかを回答します。同じ絵に対してAIも判定を行い、「参加者が正解し、AIが不正解であれば人間の勝利」、逆にAIが正解すればAIの勝利となります。参加者は、AIが学習したインターネット上の過去のデータに存在しない表現を意図的に試みることで、AIの予測を逸脱させることを狙います。

AIにはない人間の創造性を探る 新展示「デヴィエーション・ゲーム」 画像 3

ローカルチャレンジモードとカテゴリ選択

本作では出題カテゴリーを選択できます。従来の「食べ物」「場所」などのカテゴリに加え、今回の公開から新たに採用されたのが「未来館」を出題カテゴリーとするローカルチャレンジモードです。つまり、未来館での展示体験を経た参加者ならではの視点や記憶に基づく絵が提示されることで、AIが学習していない局所的・体験的な表現が生み出される可能性が高まります。

ローカルチャレンジモードは、現地で展示を体験したことが表現に反映される例を引き出すことを目的としています。これにより、場所に根ざした表現や、観覧体験から生まれる記憶的なイメージと、汎用的に学習されたAIの予測力とのギャップが可視化されます。

AIにはない人間の創造性を探る 新展示「デヴィエーション・ゲーム」 画像 4

参加者のデータとプライバシー

展示における参加者のプレイデータについて、プレスリリースでは明確に「参加者のプレイデータは同意なしにAI学習には使用されません」と明示されています。参加者の創作とその結果が、無断で学習データとなることはないため、展示を通じて生まれる実験的な表現や対話は、来場者の同意に基づく範囲で扱われます。

データ利用や撮影、記録の取り扱いについては展示会場での案内に従うことが求められます。参加者は展示側の説明を確認した上でプレイすることが可能です。

AIにはない人間の創造性を探る 新展示「デヴィエーション・ゲーム」 画像 5

展示の基本情報と来場に関する実務的な案内

展示は日本科学未来館の3階常設展示ゾーン「未来をつくる」にて公開されます。公開初日は2025年12月24日(水)です。通常の常設展示内での公開となるため、入館には未来館の入館手続きが必要です。

開館時間および入館に関する実務的な詳細は以下のとおりです。来場を検討する際は、展示ページや未来館の最新情報を確認してください。

  • 公開日:2025年12月24日(水)
  • 展示エリア:日本科学未来館 3階常設展示ゾーン「未来をつくる」
  • 開館時間:10:00~17:00(入館券の購入および受付は16:30まで)
  • 入館料:大人 630円、18歳以下 210円
AIにはない人間の創造性を探る 新展示「デヴィエーション・ゲーム」 画像 6

企画制作と展示ページ

本展示は日本科学未来館の企画制作による常設展示の一部として行われます。展示の詳細や最新の運営情報、関連イベントやワークショップの有無については展示ページで案内されます。

展示ページのURLは次の通りです:
https://www.miraikan.jst.go.jp/exhibitions/future/zeroone/。来館前に該当ページで情報を確認することが推奨されます。

連絡先と所在地

日本科学未来館の連絡先および所在地は以下のとおりです。交通案内や施設の利用に関する問い合わせは上記の連絡先を利用してください。

所在地
〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6
TEL
03-3570-9151
FAX
03-3570-9150
URL
https://www.miraikan.jst.go.jp/

制作の背景、作家プロフィール、国際的な展示歴

「デヴィエーション・ゲーム」は、Civic Creative Base Tokyoのアートインキュベーションプログラムの一環として2022年に制作されました。その後アルスエレクトロニカ、台北デジタルアートフェスティバル、Now Play Thisなどの国際的な舞台で展示され、AIと創造性に関する議論を重ねてきた作品です。

また、将来的にはSteam(ゲーム配信プラットフォーム)での配信も予定されており、物理的展示だけでなくデジタル経由での体験提供も視野に入れられています。これにより、ローカルなギャラリー体験とオンラインで共有されるプレイ体験とが相互に参照される可能性が生じます。

アーティストとユニットの紹介

本展示に関わる主要な作家について、取り組みの特徴を紹介します。各作家はテクノロジーと遊び、参与的な場づくりを通して、人間と技術の関係を再考させる制作を行っています。

木原 共(きはら とも)
ゲーム作家。新しい問いを引き出す遊びをテーマに、実験的なゲームや都市空間へ介入するインスタレーションを制作。AIなどの新技術が社会や思考をいかに変容させるのかを多人数で探求する場を作る。発表歴にヴィクトリア&アルバート博物館、アルスエレクトロニカ、エクスプロラトリアムなど。
Playfool(プレイフール)
ダニエル・コッペン(英)とマルヤマサキ(日)によるアート・デザインユニット。遊びを媒介に人間の主体性とテクノロジーとの関係性に介入する。参加型の作品形式で鑑賞者と共にテクノロジーを想像し直す体験をつくる。

この記事の要点整理と展示情報の一覧

以下に本記事で取り扱った展示の重要事項を表形式で整理します。展示の主旨、運営情報、作者情報、そしてプレイ上の基本ルールやデータ取り扱いに関する点まで網羅しています。

項目 内容
展示タイトル デヴィエーション・ゲーム-人間(ひと)ならではの表現って何だろう?
公開日 2025年12月24日(水)
展示場所 日本科学未来館 3階 常設展示ゾーン「未来をつくる」
開館時間 10:00~17:00(入館券購入・受付は16:30まで)
入館料 大人 630円、18歳以下 210円
アーティスト 木原 共(きはら とも)、Playfool(ダニエル・コッペン、マルヤマサキ)
企画制作 日本科学未来館
主な趣旨 AIの学習データに存在しない表現を試みることで、人間独自の創造性を問い直すゲーム型プロジェクト
ローカルチャレンジ 「未来館」を出題カテゴリーとするモードを初導入。来館体験に基づいた局所的表現を誘発
データ利用 参加者のプレイデータは同意なしにAI学習には使用されない
過去の展示歴 Civic Creative Base Tokyo(2022)制作、アルスエレクトロニカ、台北デジタルアートフェスティバル、Now Play Thisなど世界各地で展示
今後の配信予定 Steamでの配信予定(全世界配信予定)
連絡先 日本科学未来館 〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6 TEL:03-3570-9151 FAX:03-3570-9150
展示ページ https://www.miraikan.jst.go.jp/exhibitions/future/zeroone/

今回の展示は、参加型の遊びを通じてAIと人間の表現の差異を具体的に提示する構成になっています。来場者は絵を描き、他者とAIの解釈を比較することで、機械学習に依存する予測と人間の経験に基づく逸脱的表現の関係を実感することができます。展示の詳細や当日の運営については、展示ページおよび日本科学未来館の公式案内を参照してください。