12月始動 競技とキャリアを両立する新モデル「Dual Grit」
ベストカレンダー編集部
2025年11月28日 12:03
Dual Grit始動
開催日:12月1日
競技とキャリアを「二者択一」から「両立」へ変える必要性
2025年11月28日09時56分、株式会社Re-grit Partners(以下RGP)は、アスリートが競技活動とビジネスキャリアを同時に追求できることを目指す大規模プロジェクト「Dual Grit(デュアルグリット)」の始動を発表しました。プロジェクトは2025年12月より正式に始動する予定で、従来の「競技を主、ビジネスを副」とする枠組みを転換し、「ビジネスキャリア形成を主軸に置きながら競技活動も本気で支援する」という新たなモデルを掲げています。
この発表は、アスリートが現役・引退後を含めて直面している構造的な課題に対して、単独の取り組みではなく複数領域を連携させた仕組みで対応しようとするものであり、RGPは人材育成のノウハウをスポーツ領域へ応用する意図を明確にしています。プロジェクトの第一弾として、両立型フットボールクラブ「G.A.C(Grit Actualize Club)」の設立準備も進行中です。
現状が抱える構造的課題の詳細
RGPが指摘するアスリートを取り巻く構造的課題は大きく3領域に分類されます。これらが重なることで、多くのアスリートが競技継続とキャリア形成のどちらかを断念せざるを得ない状況に陥っています。
該当する3つの領域は以下の通りです。各項目は個人の努力だけでは解決しにくく、クラブ・地域・企業を巻き込んだ包括的な対応が必要だとされています。
- 競技の課題:環境格差、練習場所の確保、移動負担など、物理的・制度的な制約。
- キャリアの課題:ビジネス経験不足、時間制約、将来のセカンドキャリアに対する不安。
- クラブ側の課題:育成システムの不足や中長期的な投資欠如により、選手の両立支援が行き届かない構造。
これらが相互に作用すると、競技力を維持しながら社会人としてのキャリアを築く機会が限定され、競技に戻りたいと望む層にも再挑戦のハードルが高くなります。RGPはこの状況を“点”として捉えるのではなく“面”として組織的に解消する必要性を示しています。
Dual Grit構想の中身とG.A.Cが果たす役割
RGPはManagement Consulting部門での高い評価と人材育成の実績を基盤に、競技・教育・キャリア・地域連携を統合した包括的なアスリート支援プラットフォーム「Dual Grit」を立ち上げました。本構想は、競技とビジネスの双方で高いパフォーマンスを発揮する「両立型人材(Dual Grit人材)」を育成・輩出することを目的とします。
RGPはこれまで「1,000人のCxO輩出」を掲げ、個の能力を磨く育成ノウハウを蓄積してきました。そのノウハウをスポーツ領域へと横展開し、アスリートの持つGRIT(やり抜く力)をビジネス現場で発揮できるよう支援する枠組みとしてDual Gritは設計されています。
G.A.C(Grit Actualize Club)の特徴と運営モデル
Dual Gritの第一弾プロジェクトとして立ち上げを進めているのが、両立型フットボールクラブ「G.A.C」です。G.A.Cは元日本代表選手やトップコーチ陣が参画し、アマチュアカテゴリでありながらプロフェッショナル水準の運営基準と強化体制を採用する点が特徴です。
G.A.Cの主な仕組みは、選手がRGPまたは提携企業での実務(セールス、コンサルタント、エンジニアなど)に従事しつつ、競技トレーニングや試合に十分に取り組める就労モデルを提供する点にあります。これにより、競技とキャリアを両立させる“就労+競技”の標準モデルを実現し、選手の経済的安定とスキル形成を同時に支えます。
- プロフェッショナルスタンダードの導入(強化体制:栄養・トレーナー・レジェンド選手による支援)
- 両立可能な就労モデル(RGP/提携企業での実務経験の提供)
- アマチュアカテゴリにおけるプロ基準の確立と運用モデルの公開
G.A.Cは単一のクラブとしての試みを超えて、Dual Gritスタンダードを検証するための中核拠点として機能することが期待されています。詳細資料はRGPのサイトで案内されています(https://regrit-p.com/)。
展開計画とRGPの立ち位置 — 国内外への横展開を視野に
Dual Gritはフットボールを皮切りに、野球・バスケットボール・陸上・ラグビーなど他競技への横展開を計画しています。地域・自治体との連携モデルや学生向けのキャリア開発アカデミー(DualGrit Academy)の創設もロードマップに含まれ、段階的に対象とする領域と規模を拡大していく方針です。
また中期的には海外クラブとのアライアンス、短期留学や海外アスリートの受け入れなど国際連携を推進し、両立型人材育成のプラットフォームをグローバルに展開する計画も掲げられています。最終的な目標は、競技を続けたいすべてのアスリートがキャリアを諦めずに挑戦し続けられる社会構造の実現です。
代表者・責任者の発言(要旨)
取締役の大木聖也氏は、Dual GritがRGPにとってGRITが問われる挑戦であると位置づけ、アスリートが競技で培った粘り強さをビジネスの現場でも発揮できるよう設計する意向を示しています。トッププロフェッショナルと連携し、両面でキャリアを磨ける仕組みを社会に根づかせる考えです。
Dual Grit責任者の合津裕貴氏は、国内スポーツ産業が2030年代に5兆円を超える規模に拡大する見込みであり、その基盤にあるアマチュアアスリートの課題を踏まえて現状を変える必要性を説明しています。合津氏は、アマチュアアスリートの経済的不安やビジネススキル不足、時間と体調管理の難しさに対応するため、実務経験を通じた支援体制で選手のキャリア構築を後押しする計画を述べています。
Re-grit Partnersの背景と事業概要、要点の整理
Dual Gritを提案した株式会社Re-grit Partnersは2017年に設立された総合コンサルティングファームで、設立8年目時点で社員数は約450名です。RGPは英Financial Timesと独Statistaが共同実施する「High-Growth Companies Asia-Pacific」ランキングのManagement Consulting部門で3年連続日本1位に選出された実績を持ちます。
事業領域はDX推進、BPR、事業構築、人事改革など多岐にわたり、主要クライアントは売上高7,000億円以上の大手企業が中心、累計800件超のプロジェクト実績があります。さらに若手層からの支持も高く、就活クチコミプラットフォーム「ONE CAREER」の「就活人気企業ランキング2025【東大・京大編】27卒春期速報」では全業種中TOP50にランクインしています。
以下に、本記事で取り上げた主要な情報を表形式で整理します。表はプロジェクトの要点を俯瞰できるよう設計しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表者 | 株式会社Re-grit Partners(本社:東京都千代田区) |
| 発表日時 | 2025年11月28日 09:56 |
| プロジェクト名 | Dual Grit(デュアルグリット) |
| 開始予定 | 2025年12月より正式始動 |
| 目的 | 競技とビジネスキャリアの両立を支援し、両立型人材を育成・輩出するプラットフォーム構築 |
| 第一弾施策 | 両立型フットボールクラブ「G.A.C(Grit Actualize Club)」の設立準備 |
| 想定する支援領域 | 競技環境整備、栄養・トレーナー体制、就労モデル提供(RGP/提携企業での実務)、教育・地域連携 |
| 中長期の展開 | 他競技への横展開、地域・自治体連携、DualGrit Academyの創設、国際連携(海外クラブ・短期留学) |
| RGPの主な実績 | FT・StatistaのHigh-Growth Companies Asia-Pacific(Management Consulting)で3年連続日本1位、社員数約450名、累計800件超のプロジェクト |
| 代表(代表取締役社長) | 山木 智史 |
| 設立 | 2017年8月7日 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー13階 |
| URL | https://regrit-p.com/ |
以上がRGPによるDual Grit構想の要旨と関連する企業情報の整理です。競技の継続とキャリア形成を同時に可能にするため、G.A.Cを核に据えた具体的な就労・育成モデルの検証と、公的機関や地域、他競技との連携を通じた横展開が今後の鍵になります。RGPはこれまでの人材育成実績を背景に、両立型人材の育成と社会実装を進める方針です。
参考リンク: