『特別じゃない日』新刊発売と池袋コラボカフェ

小さな街の小さな幸福を描き続ける理由：『特別じゃない日』が支持される背景

老夫婦や女子高生、主婦、男子小学生、バイト青年、子ねこ――特別ではない日常の中にあるささやかなつながりと温かさを描く連作短編コミックシリーズ『特別じゃない日』が、世界累計で35万部を突破しました。発行元は株式会社実業之日本社。シリーズは日本を含む5つの国と地域で読まれており、既刊すべてが発売日に『楽天ブックス エッセイ部門第1位』『honto コミックエッセイ部門第1位』を獲得するなど、書店・電子書店の評価でも高い支持を得ています。

SNSでの反響も大きく、著者が投稿する試し読みは10万を超える「いいね」や数千万のインプレッションを獲得。多くの読者が「たまらなく愛しい」「涙がこみあげた」と語る、その理由は、日常の細部に寄り添う筆致と、読み終えたあとにじんわりと残る安心感にあります。

シリーズの特徴と読者層

各巻は1つのテーマを設定して連作短編を収録する構成です。テーマに沿った登場人物たちのエピソードは、垣根の低い語り口で描かれ、年齢層を問わず共感しやすい作りになっています。

静岡県出身・在住の稲空穂（いな・そらほ）さんの作風は、幼少期の記憶や生活の匂いを丁寧に拾い上げる点が特徴で、保護猫との暮らしや地元の思い出が作品の細部に反映されています。

新刊『特別じゃない日　おばあちゃんのレシピ』――“おやつ”が紡ぐ記憶と味

2025年11月27日（木）、稲空穂著『特別じゃない日　おばあちゃんのレシピ』が刊行されます。発表は株式会社実業之日本社（本社：東京都港区、代表取締役社長：岩野裕一）。プレスリリース日時は2025年11月27日 12時18分です。

最新巻は「おやつ」をテーマに据え、カルメ焼きや豆菓子といった懐かしい和菓子から、ベトナムの伝統的デザートであるチェーまで、登場人物それぞれの記憶と結びついた“味”をめぐる物語を収録しています。各話には、実際に作れるレシピが添えられており、物語を味覚で追体験できる構成です。

収録内容と構成

本巻の目次は以下の通りです：『おばあちゃんのレシピ』『サトゴコロ』『門外不出』『おやつ便』『カッコつけたい』『ふたりのパーラー』『どれだけ経っても』。全7話、計116頁のA5判並製です。

物語は日常のささやかな場面を切り取り、そこにある温度感と懐かしさを丁寧に描写します。レシピは実際に作れる分量や手順が示されているため、読者が作って楽しめる点も本巻の特徴です。

稲空穂さんのメッセージと取材裏話

稲空穂さんからのメッセージは、本作のテーマ設定と制作過程を端的に伝えています。引用して紹介します。

「『特別じゃない日』は、毎巻ひとつのテーマを設け、それぞれのお話の主軸としています。今回のテーマ『おやつ』は、私自身も幼い頃の記憶をたどりながら描いたお話です。きっと、多くの方にも重なる思い出があるのではないかと思います。少しでも『懐かしいな』『わかるな』と感じていただけましたら、とても嬉しく思います。」

また、今巻にはベトナムからの留学生を主人公としたエピソードが収録されています。稲空穂さんはベトナム料理店で取材を行い、その過程で「文化や習慣が違っても、家族を想う気持ちや生活の温もりといった根っこの部分はどの国でも変わらない」と実感したと語っています。忙しい日々の中で忘れがちな“自分を育んでくれたもの”を大切にする気持ちを、新たにしたとのことです。

刊行記念：コラボカフェとオリジナルグッズの全容

刊行を記念して、三省堂書店池袋本店とイー・エー・グラン西武池袋店でコラボレーションが実施されます。期間は2025年11月27日（木）～12月21日（日）で、イー・エー・グラン西武池袋店の営業時間は各日10時～21時。オリジナルグッズのオンライン販売は2025年11月27日（木）12時～12月21日（日）23時59分です。

会場の内訳は次のとおりです。特別メニュー提供：イー・エー・グラン西武池袋店。オリジナルグッズ販売：三省堂書店池袋本店（東京都豊島区南池袋1-28-1）および三省堂書店ONLINESTORE。

メニューとグッズ一覧（価格は税込）

• ダンくんのホットチェー：780円
• あこがれのプリン・ア・ラ・モード　干し芋スティックのせ：1,450円（ドリンクセット 1,970円）
• 吉田家のメンチカツサンドイッチと戸塚家のキャベツサラダ：1,580円（ドリンクセット 2,100円）
• アクリルチャーム <ホットケーキ>：550円
• アクリルチャーム <干し芋>：550円
• クリアファイル <カフェ>（表面）：660円
• クリアファイル <三省堂書店>（表面）：660円

いずれも税込価格での表記です。コラボメニューは本書に登場する食べものを再現しており、物語の世界観を食で体感できる内容になっています。

開催場所と販売スケジュールのまとめ

物理開催とオンライン販売でスケジュールや取り扱いが分かれます。物販は三省堂書店池袋本店およびオンラインストア、特別メニューはイー・エー・グラン西武池袋店での提供です。

期間中の営業時間や在庫状況は各店舗・オンラインストアにより異なるため、来店や購入の際は各店舗の告知ページやオンラインストアの案内を参照する必要があります。

書誌情報とシリーズ全巻のデータ

発売される新刊の基本情報は以下の通りです。

書名

特別じゃない日　おばあちゃんのレシピ

著者名

稲空穂

発売日

2025年11月27日

定価

1,089円（税込）

体裁

A5判並製、116頁

目次

おばあちゃんのレシピ／サトゴコロ／門外不出／おやつ便／カッコつけたい／ふたりのパーラー／どれだけ経っても

ISBN

978-4-408-64186-7

電子書籍

同日発売（配信の有無や価格は各ストアにより異なります）

書籍情報ページ

https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-64186-7/

以下に、『特別じゃない日』シリーズの既刊情報もすべて記載します。シリーズの成り立ちや前作のテーマ、発行情報を確認できます。

• 『特別じゃない日』：発売日 2021年11月26日／定価 990円（税込）／A5判並製 116頁／目次：残したいもの／バレンタインチョコ売り場の店員さん／知らないきみ／なりたい自分／理想のかんけい／スマホ世代／＃猫／ひとりじめ／ISBN 978-4-408-64037-2／書籍ページ https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-64037-2/
• 『特別じゃない日　猫とご近所さん』：発売日 2022年07月21日／定価 990円（税込）／A5判並製 118頁／目次：知らないご近所さん／我が家の自慢／願いごと／ラブレター／女子トーク／おるすばん／重要文化財／構成物／ハート／あの日のはなし／ISBN 978-4-408-64060-0／書籍ページ https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-64060-0/
• 『特別じゃない日　一緒に食べよう』：発売日 2023年3月16日／定価 990円（税込）／A5判並製 116頁／目次：おいしい時間／一緒に食べよう／熱が出た日／コーヒー／あなたと一緒に／いけないごちそう／自分だけのトッピング／あの日の味／ISBN 978-4-408-64083-9／書籍ページ https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-64083-9/
• 『特別じゃない日　思い出の映画館』：発売日 2024年01月18日／定価 1,089円（税込）／A5判並製 118頁／目次：思い出のヒロイン／隣にいる人／観たい映画／観たくない映画／文化の違い／私だけのスクリーン／おてつだい／スタンド・バイ・ミー／思い出の映画館／ISBN 978-4-408-64122-5／書籍ページ https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-64122-5/
• 『特別じゃない日　はたらく理由』：発売日 2025年1月16日／定価 1,089円（税込）／A5判並製 116頁／目次：知ってたつもり／定年後のソワソワ／うちの跡継ぎ／定年後のドキドキ／はたらく理由／私たちがつくりました！／定年後のワクワク／帰る場所／あたりまえ／ISBN 978-4-408-64158-4／書籍ページ https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-64158-4/

稲空穂さんは2017年『おとぎ話バトルロワイヤル』（KADOKAWA）で漫画家デビュー。静岡県湖西市の公式キャラクター「うなぽん」のデザイナーも務めています。おやつ作りが趣味で作品にも実家の味や祖母のレシピが反映されており、保護猫と暮らす愛猫家としての一面や、執筆中のBGM嗜好（主にホラー映画、特に黒沢清監督作品）など、人物像が作品の作風にも影響しています。

本記事では、刊行情報、作者のメッセージ、コラボカフェとグッズの詳細、シリーズの既刊情報を網羅的にまとめました。公表されている日時・価格・ISBN・会場情報等は、出版社や各店舗の告知に基づいて記載しています。購入や来店の際は各販売元の最新情報を併せて確認してください。