ゲーム翻訳向けAI『訳文品質チェッカー』提供開始

訳文品質チェッカー開始

開催日:11月27日

訳文品質チェッカー開始
AIって翻訳を丸ごと自動生成するの?
いいえ。『訳文品質チェッカー』は翻訳を生成せず、原文・訳文を解析して誤訳、口調の不一致、文化適合性、倫理リスクなどを検出し、修正案付きでレポートを納品するチェック専用機能です。
料金や納期はどうなってるの?
従量制で日本語・韓国語などは0.5円/字、英語等は0.5円/word。初期システム利用料は50,000円。最短2営業日で納品。リリース記念として初回発注は30%OFF(2025/11/27〜12/12)。

ゲーム体験を損なわないためのAIによる俗説化されない品質チェック

2025年11月27日11時、株式会社Algomaticは、ゲーム翻訳に特化したAIベースのチェック機能を『AlgoGames 翻訳』内で提供開始したと発表した。新機能の名称は『訳文品質チェッカー』であり、翻訳後のテキストを多角的に検知・評価することを目的としている。

このサービスは、誤訳や訳抜けといった明白なエラーにとどまらず、流暢さ・口調の一貫性・地域文化への適合性・倫理リスクなど、ゲームローカライズ特有の細かな問題点を検出し、レポート化して納品する点が特徴である。納品は最短2営業日を謳っており、生成AIで成果物を直接作成しない「品質チェック専用」機能として設計されている。

【Algomatic】ゲーム翻訳の「細かなミス」や「一貫性の欠如」などをAIが検知。AlgoGames 翻訳、『訳文品質チェッカー』を提供開始 画像 2

『訳文品質チェッカー』が検出する項目と出力形式

本機能はアルゴマティックの独自AIが原文・訳文・関連資料を総合的に解析し、項目ごとに検知結果と修正提案を提示する。検出項目は正確さ、流暢さ、スタイル、地域・文化適合性、事実性・倫理リスクの5領域に分類される。

チェックの結果は指摘箇所、修正案、根拠、確認優先度を併記したレポートで納品される。Excel形式での納品例では、各項目ごとに列を分けるためフィルタリングが可能で、プロジェクト管理やLQA(Localization Quality Assurance)前後の工程で活用しやすいフォーマットが想定されている。

【Algomatic】ゲーム翻訳の「細かなミス」や「一貫性の欠如」などをAIが検知。AlgoGames 翻訳、『訳文品質チェッカー』を提供開始 画像 3

主なチェック項目(詳細)

  • 正確さ:誤訳、訳抜け、行ずれ(テキストのズレ)などを検出する。
  • 流暢さ:文法誤り、誤字脱字、冗長な表現などを検出する。
  • スタイル:キャラクターの口調統一やスタイルガイド違反、感情表現の欠如などを検出する。
  • 地域・文化適合性:ことわざの直訳、数値・通貨表記の不一致など、ローカライズに関する適合性を評価する。
  • 事実性・倫理リスク:事実誤認、法律規制に抵触する表現、論理的な矛盾や不要な人格攻撃表現などを指摘する。

また、AIは翻訳文を新たに生成する役割は持たず、あくまで品質チェックと改善提案に特化しているため、生成AI成果物の利用に慎重な企業にも配慮された仕様となっている。

検出事例の詳細とサンプル出力

Algomaticはプレス資料内で代表的な検出事例を5件提示している。各事例は日英双方のチェック結果を示し、具体的にどのような修正・ローカライズが必要かを明示している。

以下に提示されている検出事例は、訳文の文化的適合、口調の不一致、用語の不統一、倫理的な表現の増幅、誤字の5種類であり、いずれもゲームの没入感や一貫性に直結する問題点である。

1. 地域・文化適合性チェック(ことわざの直訳)

原文:アッパーのお嬢ちゃんが一人…カモがネギ背負って来たってことだよなぁ?

訳文:A little lady from the Upper City, all alone… Means a duck carrying green onions has walked in, eh?

検出内容(日):日本語のことわざ「カモがネギ背負って来た」が直訳されており、英語圏のプレイヤーには意味が伝わらないため、英語の同等表現(例:「a lamb to the slaughter」「a sitting duck」など)に置換する必要がある。

検出内容(英):The Japanese proverb “カモがネギ背負って来た” has been literally translated; it must be localized to an equivalent idiom conveying “a perfect, easy target”.

2. スタイルチェック(性格と口調の不一致)

原文:おい、あんたら。そのお嬢様から手を離しな。

訳文:Hey, you lot. Get your hands off the young lady.

検出内容(日):”the young lady”はぶっきらぼうなキャラクターの口調に対して丁寧すぎるため、より直接的な”her”や”the girl”が適切である。

検出内容(英):The phrase “the young lady” is too polite for a gruff character; use “her” or “the girl” to maintain personality consistency.

3. 正確さチェック(訳語の不統一)

原文:あ、ありがとうございます…。私はアリアと申します。あなたも機関技師の方ですか?

訳文:Ah, thank you… My name is Aria. Are you an Engineer as well?

検出内容(日):重要語である「機関技師」の訳語が不統一。ID 9では”Mechanist”、ここでは”Engineer”が使われており、用語の一貫性が必要である。

検出内容(英):Translation of “機関技師” is inconsistent across IDs; in-game terminology must remain consistent (e.g., choose either “Mechanist” or “Engineer” globally).

4. 事実性・倫理チェック(強い表現の検出)

原文:その遺産がどれほどの希望を秘めているか、知りもしないで!

訳文:You have no idea how much hope that legacy holds, you ignorant fools!

検出内容(日):訳文に”愚か者”という人格攻撃が追加されており、原文にない強い侮辱表現が挿入されている。原文の反発を維持しつつ過剰な攻撃性は避けるべきである。

検出内容(英):The translation introduces a personal insult (“fools”) not present in the original; it should be toned to reflect frustration without adding gratuitous abuse.

5. 流暢さチェック(誤字脱字の検出)

原文:ふむ…そこまでにしたまえ、二人とも。

訳文:Hmm… That is enouh, both of you.

検出内容(日):”enough”のスペルミス(”enouh”)が確認された。スペルミスは表示上の品質を損ねるため修正が必要である。

検出内容(英):Typo detected in “enough” (spelled “enouh”); correct spelling required.

料金体系、対応言語、納期と導入メリット

料金は従量制で、言語ごとに単価が設定されている。日本語・韓国語・繁体字・簡体字などは0.5円/字、英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・ブラジルポルトガル語・ロシア語・トルコ語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語などは0.5円/wordが基本単価となる。その他の言語は問い合わせが必要である。

初期のシステム利用料(初期設定込み)は50,000円である。納品は最短2営業日を目安とし、チェック精度の高さと速さを両立することを目指している。

導入による主なメリット

  1. コスト削減:チェック業務にかかる人件費を最適化し、収益性向上に寄与する。
  2. 業務効率の向上:担当者の負担を軽減し、クリエイティブ業務にリソースを再配分できる。
  3. 翻訳品質の安定:人間の目で見落としがちな細かなミスをAIが検出し、作品全体の品質を底上げする。

キャンペーン情報、評価基準、AlgoGamesシリーズと会社情報

リリースを記念し、新規利用の法人および個人向けに初回発注分を30%OFFで提供するキャンペーンが実施される。期間は2025年11月27日(木)〜2025年12月12日(金)である。申込は以下のWebページから行う必要がある:https://algo.games/translation#plan

評価基準は、一般社団法人日本翻訳連盟(JTF)の「翻訳品質評価ガイドライン」を基に、Algomatic所属のプロ翻訳家の知見を加えた独自基準である。JTFガイドラインはクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンス下で提供されており、該当情報は以下のリンクで公開されている:https://www.jtf.jp/tips/translation_quality_guidelines およびライセンス情報:https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja

『AlgoGames』シリーズについて

『AlgoGames』シリーズは、生成AI技術とゲーム業界の専門家の協働により、翻訳にとどまらずマーケティング、シナリオライティング、QA、パブリッシングなどゲーム開発・運営を包括的に支援するプラットフォームである。生成AIの高い生産性と、作品ごとのデータ活用を組み合わせることで、コストと速度だけでなくクリエイティブ価値の向上を目指している。

サービスの詳細は公式サイトで案内されている:https://algo.games

会社情報(報道資料より)

社名
株式会社Algomatic
所在地
東京都港区六本木三丁目2番1号
代表者
代表取締役社長 大野 峻典
設立
2023年4月13日
事業内容
大規模言語モデル等生成AI技術を活用したサービスの開発・提供
URL
https://algomatic.jp

プレスリリースは2025年11月27日付の発表であり、『訳文品質チェッカー』はゲームローカライズ工程でのレビュー精度向上と作業効率化を意図している点が明記されている。

要点の一覧と本記事のまとめ

以下の表は本記事で扱った主要項目を整理したものである。サービス名、提供開始日、主な検出項目、料金、納期、キャンペーン期間、評価基準、関連URLなどを一目で確認できる。

項目 内容
サービス名 『訳文品質チェッカー』(AlgoGames 翻訳内)
発表日時 2025年11月27日 11:00
提供者 株式会社Algomatic(本社:東京都港区、代表:大野 峻典)
主な検出項目 正確さ/流暢さ/スタイル/地域・文化適合性/事実性・倫理リスク
料金(基本) 0.5円/字(日本語・韓国語・繁体字・簡体字等)/0.5円/word(英語等)
システム利用料 50,000円(初期設定込み)
納期 最短2営業日
キャンペーン 初回発注分30%OFF(2025/11/27〜2025/12/12、初回利用の法人・個人が対象)
評価基準 JTF「翻訳品質評価ガイドライン」を基にAlgomaticの独自基準を追加
申込・詳細 https://algo.games/translation#planhttps://algo.games
会社URL https://algomatic.jp

本サービスは、ゲームのローカライズ工程における品質管理を補完するものとして設計されている。翻訳の誤りや文化的ミスマッチ、用語の不統一、過度な表現の挿入、誤字脱字など多様な問題に対して検出と修正提案を行い、ゲームタイトルのグローバル展開におけるローカライズ品質の安定化と作業の効率化を目指している。