岐阜女子大と長谷虎紡績、12/2調印でメタバース防災始動

メタバース防災プロジェクト

開催日:12月2日

メタバース防災プロジェクト
誰がこのメタバースに参加できるの?
地域住民や岐阜女子大学の学生・教職員、企業の安全担当者に加え、多言語対応で海外の研究者や一般ユーザーも参加可能。オンラインの仮想体験と公開イベント双方で利用できる予定です。
具体的にどんなことが学べるの?
工場見学モードで設備や作業工程を把握し、防災訓練モードで避難経路確認や初動対応、消火行動を体験。煙や火災拡大を再現する緊急時シミュレーションとAI解析による行動フィードバックも提供予定です。

メタバースで再現する過去の火災――目的と背景

岐阜女子大学(高口学長)と長谷虎紡績株式会社(長谷社長)は、共同研究プロジェクト「防災テキスタイルプロジェクト」を始動します。本取り組みは、昭和52年(1977年)3月7日に長谷虎紡績㈱ 平方工場(カーペット工場)で発生した火災を、メタバース空間(3次元仮想空間)で再現し、体験型コンテンツとして災害対応の知識を学べる仕組みを開発することを目的としています。

本プロジェクトは、同社の工場火災から「50年の節目」を契機として企画されたものであり、歴史的事象の再現を通じて地域産業の歴史や技術を保存・発信するとともに、防災教育の観点から学習教材化する点に特色があります。プレスリリースは長谷虎紡績株式会社より2025年11月25日 09時20分に発表されました。

覚書調印式の実施について

覚書(MOU)の調印式は下記日程で開催されます。調印は岐阜女子大学(高口学長)と長谷虎紡績株式会社(長谷社長)による連携に関する公式な手続きとして行われます。

日  時:令和7年12月2日(火)11:00
場  所:長谷虎紡績㈱平方工場 1階インテリアホール(岐阜県羽島市福寿町平方2300)

プロジェクトの具体的な内容と開発方針

本プロジェクトでは、カーペット工場を忠実に再現したメタバース空間を構築します。再現空間では工場見学と防災訓練を仮想空間上で実施し、火災などの緊急時対応をシミュレーションするプログラム群を提供します。これにより、参加者は実物の設備や危険箇所を模した環境で行動を学ぶことができます。

設計は多言語対応を前提とし、地域住民や学生だけでなく海外ユーザーも参加可能な仕組みとします。学習モジュールは段階的に実施・評価できる形式で開発され、AI技術を活用した行動解析やフィードバック機能を組み込む計画です。

主な機能と想定される利用シーン

想定する主要機能は以下の通りです。各機能は教育効果と実務的有用性を両立させる設計思想で実装されます。

  • 工場見学モード:設備配置や作業工程を把握するための仮想ツアー
  • 防災訓練モード:避難経路確認、初動対応、消火行動などの体験型シナリオ
  • 緊急時対応シミュレーション:火災拡大や煙の蔓延など動的変化を含む訓練
  • 多言語インターフェース:日本語以外の言語でのアクセスを可能にする設定
  • AIによる行動解析とフィードバック:参加者の行動を解析し改善点を提示

これらの機能は、教育機関での防災授業、地域の防災訓練、企業の安全教育、さらに海外の研究者や学生による比較研究など、様々な利用シーンを想定しています。

社会的意義と支援体制

共同研究は地域産業の魅力発信、防災意識の向上、そしてAIとメタバース技術による新しい学習体験の創出を狙いとしています。大学と企業の連携による実務知と学術知の融合は、持続可能な地域活性化モデルの提示につながることが期待されています。

長谷虎紡績㈱は研究支援として岐阜女子大学へ50万円を寄付することを決定しています。この寄付はプロジェクトの初期費用や開発資材、知見整理などに充てられる予定です。

協力体制と対象参加者

本プロジェクトは、以下のような参加者・関係者を想定しています。多様な参加層による利用と意見反映を前提に運用設計を行います。

  1. 地域住民:防災意識醸成と地域の歴史理解のための参加
  2. 大学の学生・教職員:防災教育、研究素材としての利用
  3. 企業関係者:安全対策や従業員教育のための研修活用
  4. 海外ユーザー:多言語対応により国際的な学習・研究参加を可能にする

また、研究推進にあたり双方の担当チームを編成し、継続的なコンテンツ追加と運用体制の強化を図る予定です。

今後のスケジュールと要点の整理

プレスリリースに記載された今後の主な予定は以下の通りです。短期的には2025年12月にアンケート調査を実施し、ユーザーのニーズを把握します。その結果を踏まえて2026年にメタバース空間を公開し、ユーザー参加型イベントを開催する計画です。

公開後も継続的にコンテンツを追加し、運用体制の強化を図ることが明記されています。これにより段階的に機能を拡張し、教育効果と利用性を高める方針です。

主要な日程と動作項目

下記は公表されている具体的な日程と実施項目です。調印式を皮切りに、アンケート調査、コンテンツ開発、公開イベントへと進んでいきます。

  • 2025年11月25日 09:20:長谷虎紡績㈱による本プレスリリース発表
  • 令和7年12月2日(火)11:00:岐阜女子大学と長谷虎紡績㈱による覚書調印式(平方工場 1階インテリアホール)
  • 2025年12月:長谷虎紡績社内に対するアンケート調査実施
  • 2026年:メタバース空間の公開およびユーザー参加型イベント開催予定
  • 継続:コンテンツ追加と運用体制の強化

以下に、本記事で伝えた主要項目を表形式で整理します。項目ごとに要点を明示することで、関係者や利用検討者が必要な情報を把握しやすくしています。

項目 内容
発表元 長谷虎紡績株式会社(プレス発表日時:2025年11月25日 09時20分)
連携先 岐阜女子大学(高口学長)
プロジェクト名 防災テキスタイルプロジェクト(メタバースによる体験型防災コンテンツの開発)
再現対象 昭和52年(1977年)3月7日発生の長谷虎紡績㈱ 平方工場の火災
覚書調印式 令和7年12月2日(火)11:00/長谷虎紡績㈱平方工場 1階インテリアホール(岐阜県羽島市福寿町平方2300)
研究支援 長谷虎紡績㈱から岐阜女子大学へ50万円の寄付
主な機能 工場見学、仮想防災訓練、緊急時対応シミュレーション、多言語対応、AIによる解析・フィードバック
参加対象 地域住民、学生、企業関係者、海外ユーザー等
今後の予定 2025年12月アンケート調査/2026年メタバース空間公開・ユーザー参加型イベント/継続的コンテンツ追加

上記は、岐阜女子大学と長谷虎紡績㈱が共同で進める防災教育と地域産業の記録保存を目的としたプロジェクトの要点です。本件は技術・教育・地域振興が交差する取り組みとして、今後の進捗が注目されます。