75年目で初の異誌コラボ 芸術新潮がGOATと連動

芸術新潮×GOAT連動企画

開催日:11月25日

芸術新潮×GOAT連動企画
芸術新潮が他誌とコラボって具体的に何をするの?
1950年創刊の「芸術新潮」が文芸誌「GOAT」と初の正式連動企画を実施。両誌にそれぞれ異なる切り口の2本の記事を掲載し、併読することで内容が完結する構成になっているよ。寄稿は暮田真名と漫画家ぱらり、展覧会ルポや漫画、グラビアが含まれる。
このコラボっていつどの号で読めるの?
「芸術新潮」2025年12月号は発売日が2025年11月25日。「GOAT Winter 2026」は2025年12月03日発売。両誌を揃えて読むことでそれぞれのキーワードや表現の違いから全体像が把握できるよ。

異ジャンルが交差した瞬間――75年目にして初の雑誌間コラボレーション

1950年創刊のビジュアル月刊誌「芸術新潮」が、創刊から75年目にして初めて他誌と正式にコラボレーションを行います。発表は株式会社新潮社によるプレスリリースで、日付は2025年11月25日 11時00分。都内某所での編集者同士の偶然の出会いが端緒となり、異なる出版社・異なるジャンルの雑誌編集者二人の会話から今回の取り組みが具体化しました。

今回の相手は話題の文芸誌「GOAT」。両誌にわたる2本の特別コラボ記事を通して、アートと文芸という一見離れた領域の接続点を見せる試みです。いずれの記事も両誌の刊行形態や表現の特性を活かした別々の切り口で展開され、両誌を併読することで初めて「完結」する構成になっています。

75年前の創刊以来初、「芸術新潮」が他誌とコラボ! タッグを組んだお相手は話題の文芸誌「GOAT」 【「芸術新潮」12月号は、2025年11月25日発売】 画像 2

出会いから実現までの経緯

新潮社のプレスリリースによれば、編集者同士の会話は一見ありふれた提案のように始まりましたが、そこから実働へと移行し、前例のないコラボレーションが成立しました。異ジャンルの編集方針や読者層の違いを越えて、内容と表現の相互補完が図られています。

この取り組みは単なる対談や寄稿の寄せ集めではなく、各誌が持つ編集的な視点を交換し合うことで生まれたものです。両誌の誌面を並べて読むことで、作品や作家、展覧会の異なる側面が浮かび上がる設計になっています。

75年前の創刊以来初、「芸術新潮」が他誌とコラボ! タッグを組んだお相手は話題の文芸誌「GOAT」 【「芸術新潮」12月号は、2025年11月25日発売】 画像 3

暮田真名とNerhol――川柳とエッセイが紡ぐ宇宙的視点

1本目のコラボ記事は、若手川柳作家・暮田真名さんによる寄稿です。暮田さんは2025年9月にエッセイ集『死んでいるのに、おしゃべりしている!』(柏書房)を刊行したばかりで、今回埼玉県立近代美術館で開催された展覧会「Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness」(2025年7月12日~10月13日)を訪ね、展示に埋め込まれたメッセージを独自の視点で読み解いています。

暮田さんの文章は川柳とショート・エッセイの組み合わせで構成されており、雑誌ごとにキーワードを変えて伝達する趣向が取られています。具体的には「芸術新潮」では branch、「GOAT」では carve outがキーワードとして設定され、同じ体験を異なる言葉で分解・再構築しています。

寄稿の主題
Nerhol作品群に触発された川柳とエッセイ、展示空間のイメージを身体で受け取る視点
展示会場
埼玉県立近代美術館(2025年7月12日~10月13日)
誌面での演出
華やかなグラビア写真と暮田さんの〈宇宙人風〉ファッションを組み合わせたビジュアル構成(撮影:筒口直弘/新潮社)

暮田さんは誌面に寄せたコメントの中で、Nerholの作品が〈わたしたちの記憶とは、存在とは、まさにこのようなものだ〉と感じさせたことを挙げ、受け取ったインスピレーションを川柳、エッセイ、ファッションに込めたと述べています。両誌の読者は、それぞれのキーワードやビジュアルを手がかりに作品理解を深めることができます。

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ぱらりと諏訪敦――漫画とイラストルポで辿る画家の世界

2本目のコラボは漫画家ぱらりさんによる両誌掲載の企画です。ぱらりさんは『いつか死ぬなら絵を売ってから』(秋田書店)で知られ、『膠と油』(小学館)に登場する漫画家たちの物語性を踏まえつつ、天王洲アイルのWHAT MUSEUMで開催中の個展「諏訪敦 | きみはうつくしい」(2025年9月11日~2026年3月1日)を訪ねています。

両誌では異なる形で諏訪敦の作品と向き合う表現が採られます。「芸術新潮」誌上にはぱらりさんの漫画が掲載「GOAT」ではイラストルポが掲載

  • 展覧会:WHAT MUSEUM「諏訪敦|きみはうつくしい」(2025年9月11日~2026年3月1日)
  • 掲載構成:芸術新潮=漫画(画材・画題をめぐる考察)/GOAT=イラストルポ(物語的な展覧会ルポ)
  • 写真クレジット:展示風景撮影は広瀬達郎(新潮社)

漫画の登場人物には、〈『いつか死ぬなら絵を売ってから』の嵐山透と霧生一希〉、〈『膠と油』の辰巳柾と卯ノ原実〉が含まれ、物語と実際の展覧会体験が交差する仕組みが設けられています。ぱらりさんは諏訪作品に触れることについて、緊張と発見の混在を語っており、作品世界に直接手を触れることが創作へ与えた影響が誌面から読み取れます。

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刊行情報と関連データの整理

両誌を読むことで今回のコラボレーションはコンプリートされます。各誌の刊行情報、掲載内容、展覧会スケジュール、寄稿者の出典など、必要なデータを下に整理します。読者がどの号でどのコンテンツを確認できるかを一目で把握できるよう配慮しました。

以下の表は本記事で触れた主要情報を一覧化したものです。発売日や展覧会の会期、寄稿者名と関連書籍、写真クレジットなど、プレスリリースに示されたすべての情報を含めています。

項目 内容
発表元 株式会社新潮社(プレスリリース日:2025年11月25日 11時00分)
コラボの特徴 「芸術新潮」創刊75年目で初めて他誌(「GOAT」)と実施する特別連動企画。両誌に掲載される2本の記事が相互補完的に構成
掲載記事(1本目) 暮田真名(川柳作家)による川柳とショート・エッセイ。展示:Nerhol「種蒔きと烏 Misreading Righteousness」 会期:2025年7月12日~10月13日。撮影:筒口直弘(新潮社)。誌面キーワード:芸術新潮=branch、GOAT=carve out。
掲載記事(2本目) 漫画家ぱらりによる漫画(芸術新潮掲載)とイラストルポ(GOAT掲載)。展示:諏訪敦|きみはうつくしい 会期:2025年9月11日~2026年3月1日。展示風景撮影:広瀬達郎(新潮社)。登場人物:嵐山透、霧生一希、辰巳柾、卯ノ原実。
関連刊行・書籍 暮田真名:『死んでいるのに、おしゃべりしている!』(柏書房、2025年9月刊)/ぱらり:『いつか死ぬなら絵を売ってから』(秋田書店)、『膠と油』(小学館)
誌名と発売日 芸術新潮 2025年12月号(発売日:2025年11月25日 金曜日、定価:1,900円 税込)/GOAT Winter 2026(発売日:2025年12月3日)
公式URL https://www.shinchosha.co.jp/geishin

以上の表は本報に含まれるすべての事実情報を整理したものです。コラボレーションは雑誌ごとの表現の違いを前提に設計されており、両誌を合わせて読むことで各記事の全体像が把握できます。掲載号の購入や図書館等での閲覧を通して、両誌に展開された考察やビジュアルを対照的に確認することができます。

参考リンク: