11月20日開始 アイキャンの冬募金で路上の子に居場所を
ベストカレンダー編集部
2025年11月19日 16:08
冬募金開始
開催期間:11月20日〜1月29日
路上で暮らす子どもたちが迎える「光の季節」の現実
認定NPO法人アイキャンは、2025年11月19日14時に発表したプレスリリースで、世界こどもの日(11月20日)を機に冬募金(クラウドファンディング)を開始すると発表しました。募集期間は2025年11月20日(木)~2026年1月29日(木)です。本稿では、フィリピンの路上の子どもたちが置かれた現状と、アイキャンが行う支援の内容、募金の具体的な方法について整理して伝えます。
フィリピンではクリスマスが家族と祝う一年で最も華やかな時期です。ショッピングモールやレストランが家族連れでにぎわい、街がきらびやかに装われます。しかし、路上で暮らす子どもたちにとっては、そんな街の輝きが逆に孤独感を深める要因となっています。彼らの多くは学校に通えず、生活のために労働を余儀なくされています。
数字で見る路上の子どもたちの規模と課題
アイキャンのリリースは、フィリピンにおける路上の子どもの推定数として37万人以上が存在すると伝えています。多くは1日に1食しか食べられない状況にあり、中には空腹をしのぐために薬物やシンナーに手を染める子どももいます。
このような状況は、単に生活の困窮だけでなく、大人からの暴力や差別、偏見といった社会的要因と結びついています。信頼できる大人が周囲にほとんどおらず、結果として同じ境遇の子ども同士が唯一の仲間になり、路上が“唯一の居場所”だと誤認してしまうケースが生じています。
- 推定路上の子ども数:37万人以上
- 主な問題:学校不就学、栄養不足、薬物乱用、暴力・差別
- 季節性リスク:クリスマス期の孤立感増加
現場の声が伝える現実——危険と排除の中で
アイキャンスタッフの実体験として届けられたエピソードには、現場で子どもたちが受ける排除や暴力の実情が記されています。深夜、コンビニ前で子どもたちと話をしていると急に大雨が降り、店内に避難しようとしたところ店員から「入るな、出て行け。水をかけるぞ」と追い出されたという事例が示されています。
避難すべき場所からも締め出され、さらに見回りの警察に追われる場面では、子どもたちは大雨の中を四方八方へ走って逃げ散りました。残念ながら、路上でただ存在しているだけで警察から暴力を受けたり、売春を強要されたりするケースもあると報告されています。
大人の不在が生む孤立
親がいても暴力を受けることを恐れて親元に戻らない子どもがいること、周囲の大人が守ってくれる存在として機能していないことが繰り返し指摘されています。こうした背景は、心理的な自尊心の低下や自己肯定感の喪失にもつながります。
この節では、現場の証言を通じて制度的、社会的な支援の必要性が明確になります。路上の子どもたちを保護し、教育と安心できる居場所を提供する取り組みの重要性が浮かび上がります。
アイキャンの取り組み:路上教育と居場所の提供
アイキャンは路上教育を通じて、子どもたちに「危険から身を守る方法」や「学ぶ楽しさ」を伝える活動を行っています。路上教育は単なる学習支援ではなく、子どもたちが「自分は一人ではない」と実感できる居場所を提供する役割を担っています。
この取り組みは、かつて自らも路上で生活していた若者たちが担い手となっているのが特徴です。彼ら自身が経験者であるため、路上の子どもたちの気持ちを理解しやすく、信頼関係を築きやすいという利点があります。
- 路上教育の主な要素
- ・危険回避や身の守り方、生活上の知識の提供
- ・学習機会の提供と学習支援
- ・安心して過ごせる場の運営(居場所づくり)
- ・同じ経験を持つ若者によるピアサポート
食事提供が果たす役割
多くの子どもは空腹のまま路上教育に参加するため、アイキャンは可能な限りその場で食事を提供してきました。子どもたちからは「勉強できて嬉しかった」という声と同じくらい「食べ物がもらえて嬉しかった」という声が聞かれます。
たった1食がもたらす安心感は大きく、今日ごはんが食べられたという実感が子どもの心を落ち着かせ、学びへの意欲を引き出す重要なきっかけになります。食事提供は学習支援と居場所提供をつなぐ要となっています。
冬募金(クラウドファンディング)詳細と寄付の方法
アイキャンは、路上で暮らす子どもたちに学びと居場所のクリスマスプレゼントを届けるべく、冬募金を実施します。募金期間は2025年11月20日(木)~2026年1月29日(木)です。寄付はクレジットカードと銀行振込で受け付けています。
クレジットカードでの寄付はクラウドファンディングページ経由で行います。銀行振込は以下の口座へお願いします。寄付金領収書を用いた確定申告での税制優遇(寄付金控除)も可能です。
寄付方法(詳細)
- クレジットカード:クラウドファンディングページ https://congrant.com/project/ican/20167 から
- 銀行振込:以下の口座へ
| 金融機関 | 支店・種類 | 口座番号/記号番号 | 名義 |
|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 支店番号:210 | 口座番号:7001258 | 特定非営利活動法人アイキャン |
| 三菱UFJ銀行 | 名古屋駅前支店(221) 普通 | 2361021 | 特定非営利活動法人アイキャン |
| ゆうちょ銀行 | — | 00850-6-78233 | 特定非営利活動法人アイキャン |
寄付金領収書の発行を希望する場合、寄付金控除を受ける方の氏名・住所をアイキャン宛に連絡する必要があります。連絡先はメール info@ican.or.jp です。
注意点として、アイキャンは名古屋市の認定を受けた認定NPO法人であり、発行する領収書を用いて確定申告を行うと税制上の優遇措置(寄付金控除)を受けることができます。
団体の背景と世界こどもの日との関連
アイキャン(認定NPO法人)は、愛知県名古屋市に拠点を置く国際協力NGOです。代表理事は鈴木真帆氏。設立のきっかけはフィリピンを訪れた一人の会社員が現地で見た子どもたちの状況に心を動かされ、友人と集めた5万円を元に活動を始めたことにあります。
団体名の「アイキャン(ICAN)」には「できることから始めよう」という思いが込められており、「誰もがもてる力を発揮し、未来を切り拓くことができる社会」を目指して活動しています。公式ウェブサイトは https://ican.or.jp/、SNSはTwitter・Instagramが @ICAN_NGO、Facebookは https://www.facebook.com/ICAN.OR.JP です。
世界こどもの日について
11月20日は国連が定める「世界こどもの日」です。1959年11月20日に「子どもの権利宣言」が、1989年11月20日に「子どもの権利条約」が採択された日付に由来します。アイキャンはこの国際的な日に合わせて募金を開始することで、子どもの権利への注目を促しています。
アイキャンの活動はこの条約の理念に基づき、フィリピンの路上の子どもたちが適切に保護され、自立へ向けて成長できる社会を目指すものです。路上教育はその中核をなす取り組みとして位置づけられています。
本稿の要点まとめ
以下の表は、本記事で取り上げた重要情報を整理したものです。募金期間や寄付方法、支援の目的や連絡先などを一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年11月19日 14:00(認定NPO法人アイキャンのプレスリリース) |
| 募金名称 | 冬募金(クラウドファンディング) |
| 募金期間 | 2025年11月20日(木)~2026年1月29日(木) |
| 目的 | フィリピンの路上の子どもたちに学びと安心できる居場所、食事などの支援を提供すること |
| 寄付方法(オンライン) | クレジットカード:クラウドファンディングページ https://congrant.com/project/ican/20167 |
| 寄付方法(銀行振込) | 楽天銀行(支店210) 口座7001258 / 三菱UFJ銀行 名古屋駅前支店(221) 普通2361021 / ゆうちょ 00850-6-78233(口座名:特定非営利活動法人アイキャン) |
| 税制優遇 | 認定NPO法人のため寄付金領収書で寄付金控除が適用可能。領収書発行希望は氏名・住所をメールで連絡(info@ican.or.jp) |
| 問い合わせ先 | 認定NPO法人アイキャン(名古屋市東区代官町39-18 日本陶磁器センタービル5F)TEL:052-253-7299(11~18時、日月祝定休) MAIL:info@ican.or.jp |
| 関連ウェブ/SNS | HP:https://ican.or.jp/ / Twitter・Instagram:@ICAN_NGO / Facebook:https://www.facebook.com/ICAN.OR.JP |
以上がプレスリリースの全体内容の整理です。クリスマス期に孤立しがちなフィリピンの路上の子どもたちに学びと安心の場を届けるため、アイキャンは路上教育と食事提供を組み合わせた支援を行い、そのための資金を冬募金で募っています。寄付や問い合わせは上記の方法で受け付けられます。