魁力屋、三田製麺所運営会社を買収へ 1/7連結予定

魁力屋のMP子会社化

開催日:1月7日

今回の買収で何が変わるの?
魁力屋は『三田製麺所』を擁するMPを子会社化し、直営70店の店舗網や仕入れ・業務管理を統合してマルチブランド化し、販売面・供給面でのシナジーと収益基盤の強化を目指します。
買収の金額といつ子会社になるの?
取得価額は50億円で、取締役会決議と契約は2025年11月14日。株式譲渡の実行は2026年1月7日(予定)で、資金は複数金融機関からの借入で調達する見込みです。

魁力屋がMPキッチンホールディングスを子会社化へ — 意図と戦略的狙い

株式会社魁力屋(本社:京都市中京区、代表取締役社長:藤田 宗)は、2025年11月14日15時30分付の取締役会において、株式会社エムピーキッチンホールディングス(代表取締役:村上竹彦、本社:東京都渋谷区、以下「MPキッチンホールディングス」)の全株式を取得し子会社化するための株式譲渡契約を同日付で締結することを決議しました。株式譲渡契約の締結は同日実施され、株式譲渡の実行日は2026年1月7日(予定)に設定されています。

今回の取得は、魁力屋が掲げる中長期経営戦略──「加速度的な店舗展開及び収益構造の変革」と「食の総合企業への飛躍」──の一環です。とくに「マルチブランドによる持続的成長モデルの構築」を重要な成長戦略の柱と位置づけ、認知度と規模のあるブランドの獲得によって事業拡大と収益基盤の強化を図る意図が明確に示されています。

戦略的価値のポイント

MPキッチンホールディングスの子会社である株式会社エムピーキッチンは、代表ブランド「三田製麺所」を運営しており、つけ麺業態を中心に高い顧客支持と安定的な収益基盤を有しています。直営店70店舗という規模とブランド力により、魁力屋の既存事業との連携でサプライチェーンや業務管理のプラットフォーム化などのシナジーが見込まれる点が取得の主たる理由です。

外食産業におけるラーメン市場は、他業態に比べて寡占化が進んでおらずシェア拡大の余地が大きいと認識されています。魁力屋はこの市場特性を踏まえ、複数ブランドを傘下に収めることで市場占有率の向上と収益の多様化を目指します。

  • ブランド力:三田製麺所の高い認知度と顧客支持
  • 店舗基盤:直営店70店舗のネットワーク
  • 成長余地:つけ麺業態の拡大余地およびマルチブランド戦略
  • シナジー:サプライチェーン、業務管理プラットフォームの連携

MPキッチンホールディングスおよびエムピーキッチンの事業概要と業績

以下に、株式取得の対象会社である株式会社エムピーキッチンホールディングス(以下「MPホールディングス」)および同社の子会社である株式会社エムピーキッチン(以下「エムピーキッチン」)の概要・財務情報を整理します。所在地や代表者、資本金、設立年月日、大株主構成など、プレスリリースに記載された全ての基本情報を網羅します。

情報は原文の数値・名称を忠実に反映しています。特に財務数値は各期の純資産、総資産、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益を示しており、過去3年間の推移を比較できるようにしています。

MPキッチンホールディングスの基本情報

名称
株式会社エムピーキッチンホールディングス
所在地
東京都渋谷区恵比寿西二丁目6番11号
代表者
代表取締役 村上 竹彦
事業内容
グループ事業の管理
資本金
50,000千円
設立年月日
2016年2月29日
大株主及び持株比率
  • 投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズⅤ号(68.50%)
  • AP Cayman Partners Ⅲ,L.P.(23.43%)
  • Japan Fund V,L,P(6.05%)
  • アドバンテッジパートナーズ投資組合66号(2.02%)
当社との関係
人的、資本的、取引関係は無し

MPホールディングスの直近3年間の経営成績及び財政状態(数値は千円単位)を以下に記載します。

決算期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期
純資産 3,796,392 3,901,633 3,923,191
総資産 4,161,684 4,270,668 4,224,544
売上高 75,240
営業利益 △4,092 △11,391 △31,125
経常利益 △4,347 △14,234 △30,427
当期純利益 56,303 105,240 21,558

エムピーキッチンの基本情報と業績

名称
株式会社エムピーキッチン
所在地
東京都渋谷区恵比寿西二丁目6番11号
代表者
代表取締役 村上 竹彦
事業内容
「三田製麺所」を始めとするブランドを展開する飲食業
資本金
50,000千円
設立年月日
2016年6月10日
大株主及び持株比率
株式会社エムピーキッチンホールディングス(100.0%)
当社との関係
人的、資本的、取引関係は無し

エムピーキッチンの直近3年間の経営成績及び財政状態(数値は千円単位)は以下の通りです。

決算期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期
純資産 520,411 197,010 99,584
総資産 4,150,487 3,551,905 3,494,508
売上高 3,840,475 4,863,688 5,746,185
営業利益 △926,899 △481,094 △440,470
経常利益 △819,698 △346,643 △257,668
当期純利益 △385,192 △323,400 △97,426

取得条件・株式数・対価およびスケジュール

魁力屋によるMPホールディングス株式取得の詳細は、取得株式数、取得価額、取得前後の所有状況と日程に関する情報を含めて以下の通りです。これらはプレスリリースに基づく正式な数値です。

取得に際しては現時点で異動前の所有株式数は0株、取得後は普通株式およびA種優先株式を合わせて合計7,100,000株となる計画です。取得価額は5,000,000千円(5,000,000,000円)です。

  1. 異動前の所有株式数:0株(議決権の数:0、所有割合:0%)
  2. 取得株式数:普通株式 6,100,000株、A種優先株式 1,000,000株(合計 7,100,000株)
  3. 取得価額:5,000,000千円
  4. 異動後の所有株式数:7,100,000株

日程については以下の通りです。取締役会決議日と契約締結日は2025年11月14日、株式譲渡の実行日は2026年1月7日(予定)です。これに伴い魁力屋は2026年12月期第1四半期決算からMPキッチンホールディングスを連結子会社として取り込む予定です。

日程の要点

・取締役会決議日:2025年11月14日

・株式譲渡契約締結日:2025年11月14日

・株式譲渡実行日(予定):2026年1月7日

資金調達の概要と借入条件(予定)

本株式取得のための資金は金融機関からの借入により調達する予定です。現時点で複数の金融機関と融資条件について協議を進めており、一部金融機関から内諾を得ている状況です。取得価額相当額である50億円の資金調達を見込んでいますが、金利・担保設定・融資シェア等の最終条件は調整中のため、確定次第開示する旨も明記されています。

なお、正式な融資契約は譲渡実行日(2026年1月7日まで)までに締結する予定です。借入に関する現時点での主要な項目は以下の通りです。

借入金融機関 複数の取引金融機関
借入金額 50億円
借入日 2026年1月7日まで(予定)
返済期間 10年
借入金利 TIBOR+スプレッド(予定)
担保 無し(予定)

借入に関する最終的な金利や担保の有無、金融機関ごとの融資シェア等は現在調整中であり、確定次第改めて開示される予定です。現時点では一部金融機関から融資実行に関する内諾を得ているとしています。

連結化と業績への影響(現時点の取り扱い)

MPキッチンホールディングスは、魁力屋の連結子会社となることが見込まれており、具体的には2026年12月期第1四半期決算から連結の範囲に組み入れられる予定です。これに伴い、グループ全体の収益構造や販管費構成、キャッシュフローに一定の影響が想定されるため、魁力屋側では業績見通しの精査を進めており、精査完了次第速やかに開示するとしています。

現時点での業績見通しの数値的な開示は行われておらず、最終的な影響の定量化は今後の調査・精査結果に基づいて公表されます。

要点整理(本記事で取り上げた内容の一覧)

以下の表は、本件に関する主要事実を分かりやすく整理したものです。契約日、実行予定日、取得価額、取得株式数、資金調達の方針、対象会社の主要情報と財務指標を網羅しています。

項目 内容
発表会社 株式会社魁力屋(本社:京都市中京区、代表取締役社長:藤田 宗)
発表日時 2025年11月14日 15時30分
取得対象会社 株式会社エムピーキッチンホールディングス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:村上 竹彦)
子会社(事業会社) 株式会社エムピーキッチン(「三田製麺所」運営、直営店70店舗等)
取得株式数 普通株式 6,100,000株、A種優先株式 1,000,000株(合計 7,100,000株)
取得価額 5,000,000千円(5,000,000,000円)
株式譲渡契約締結日 2025年11月14日
株式譲渡実行日(予定) 2026年1月7日
資金調達方針 複数金融機関からの借入により調達予定(借入予定額:50億円)
借入主要条件(予定) 借入金額 50億円、返済期間 10年、金利 TIBOR+スプレッド、担保無し(いずれも予定)
連結化の時期 2026年12月期第1四半期決算より連結子会社化予定
関連リンク https://corp.kairikiya.co.jp/

本件は魁力屋が掲げるマルチブランド戦略に沿ったM&Aであり、認知度の高い「三田製麺所」を有するエムピーキッチンを傘下に収めることで、販売面・供給面・管理面でのシナジー創出が期待されます。資金調達は金融機関からの借入を前提としており、現在調整中の条件については確定次第開示されます。連結子会社化は2026年1月7日の譲渡実行を経て、2026年12月期第1四半期からの連結計上が予定されています。以上が本件に関する主要事項の整理です。

参考リンク: