4月1日発効予定 ノバレーゼとエスクリ合併へ

ノバレーゼとエスクリ合併

開催日:4月1日

ノバレーゼとエスクリ合併
TKPがエスクリを子会社化すると何が変わるの?
TKPの連結化によってノバレーゼとエスクリが一体運営され、全国で68施設・売上見込み450億円規模を目指す。施設ネットワーク統合や内製化共有でコスト削減、平日の法人利用拡大による稼働最適化と利益率向上が狙い。
合併はいつから実施されるの?
合併の効力発生日は、両社の株主総会承認を前提に2026年4月1日を予定している。発表日は2025年11月14日で、同日には3社合同の記者発表がライブ配信された。

TKPがエスクリを連結子会社化、ノバレーゼと経営統合を決定

株式会社ティーケーピー(以下、TKP)は、2025年11月14日付で保有する株式会社エスクリのA種種類株式に付与される普通株式を対価とする取得請求権の一部を行使し、エスクリを連結子会社化しました。これに伴い、TKPの連結子会社である株式会社ノバレーゼ(以下、ノバレーゼ)とエスクリは経営資源の最適化と事業シナジーの最大化を目的に合併することを決定しています。

合併の効力発生日は、両社の株主総会での承認を条件に2026年4月1日を予定しています。発表当日である2025年11月14日16時からは、3社合同の記者発表が実施され、ライブ配信が行われました。配信URLは以下の通りです。

配信URL: https://youtube.com/live/jCKxEH5cCRw?feature=share

TKP、エスクリを子会社化し、ノバレーゼと経営統合 国内最大級のブライダルグループ誕生へ 画像 2

取得の手続きと日付

TKPによる取得は、A種種類株式に付与される普通株式を対価とする取得請求権の一部行使によって行われました。この手続きにより、エスクリはTKPの連結子会社となり、グループ内での一体的な事業運営が可能になります。

発表日は2025年11月14日であり、合併の効力発生予定日は2026年4月1日(株主総会承認が前提)となっています。これらのスケジュールはプレスリリース発表時点の情報です。

統合に至った背景と各社の強み

ブライダル業界はライフスタイルの多様化や消費行動の変化により再編と効率化が求められる環境にあります。TKPはこうした環境変化を「新たな成長のチャンス」と位置づけ、業界内での連携を進めてきました。TKPは遊休資産であるオフィスビル、宿泊施設、ホール等の空間再生ノウハウを有しており、これをブライダル分野にも展開する方針です。

ノバレーゼは2000年設立以来、「Rock your life ― 世の中に元気を与え続ける会社でありたい」という理念のもと、地方都市を中心にシンプルで洗練された婚礼施設を展開してきました。ドレスや引き出物などのアイテムを内製化することで高品質なサービスを提供してきた点が特徴です。エスクリは2003年設立で、東京23区や政令指定都市における駅直結型や利便性の高い立地で婚礼施設を運営し、さらに設計施工や建材販売など建築・不動産領域にも事業を展開しています。

各社の主要ポイント

  • TKP:空間再生ノウハウ、法人顧客基盤(3万社規模)、再生・再編・地方創生を成長戦略の柱。
  • ノバレーゼ:地方中心の施設展開、内製化による高品質提供、2000年設立。
  • エスクリ:大都市圏での利便性高い施設、建築・不動産関連事業を展開、2003年設立。

TKPは2024年12月にノバレーゼを連結子会社化しており、今回のエスクリの連結子会社化と経営統合によりグループ内での事業連携をさらに進める狙いがあります。

統合で見込まれる具体的なシナジーと運営モデル

発表資料では統合によって生まれるシナジーを4つの観点で整理しています。各観点は施設ネットワークの強化、内製化の相互活用による利益率向上、コスト削減とスケールメリット、そして人材・ノウハウの融合と新領域展開です。これらを通じて、ブライダル事業の競争力向上と安定した収益基盤の確立を目指します。

また、ブライダル施設の稼働最適化を図るため、TKPの法人顧客基盤を活用した法人利用の拡大やSNSを活用した集客戦略の導入など、従来の情報誌依存型広告からの脱却を掲げています。

主なシナジーの内容

  1. 全国を網羅する婚礼ネットワークの構築:エスクリの都市型施設とノバレーゼの地方施設を組み合わせ、自社運営の婚礼施設は1都2府28県で合計68施設に拡大。売上規模は450億円に達する見込みで、ブライダル事業の売上規模では国内最大級を目指す。
  2. 内製化の相互活用と利益率向上:ドレス、装花、映像などの内製化体制を相互に活用し、商品・サービスの付加価値向上と建設・施工コストの抑制を図る。
  3. コスト削減とスケールメリット:広告宣伝、仕入れ、システム、人材採用などを一体化することで経営効率を高め、共同調達や本社機能の統合によるコスト低減を進める。
  4. 人材・ノウハウの融合:教育・研修プログラムの統合、グループ採用・人材交流の促進により接客力・提案力を強化。TKPグループの不動産・M&A情報を活用して周辺事業(レストラン、ハネムーン、フォトウエディング等)を拡大する。

運用モデルとしては、ブライダル施設を「平日は法人利用、週末はウエディング」という形で二軸の稼働モデルにより平日の稼働率向上と収益の安定化を図ります。共同ブランド「CIRQ(シルク)」の下、法人向け利用を拡大する取り組みも進められます。

合併後の数値見通しと関連資料・会社概要

発表資料によれば、合併後の連結売上高は450億円に達する見込みで、事業規模は業界最大級となる試算です。自社運営施設数は1都2府28県で68施設に拡大することが示されています。これらの数値は発表日現在の見込みで、今後の承認手続きや事業環境により変動する可能性があります。

関連する公式発表資料やプレスリリースのURLは以下に示されており、詳細はそちらで確認できます。

  • TKP 11月14日発表「持分法適用関連会社の連結子会社化に関するお知らせ」: https://pdf.irpocket.com/C3479/lAG8/aObG/cdU8.pdf
  • TKP 11月14日発表「当社連結子会社間の合併契約締結に関するお知らせ」: https://pdf.irpocket.com/C3479/lAG8/aObG/Rud2.pdf
  • ノバレーゼ・エスクリ 11月14日発表「株式会社ノバレーゼと株式会社エスクリの合併契約締結に関するお知らせ」
  • 合同記者発表 ライブ配信: https://youtube.com/live/jCKxEH5cCRw?feature=share

各社の会社概要(プレスリリース記載)

以下はプレスリリースに記載された各社の会社概要情報です。数値や所在地、代表者などは発表日現在の記載内容で示されています。

株式会社ノバレーゼ
代表者:代表取締役社長 荻野洋基
本社所在地:東京都中央区銀座一丁目8番14号 銀座YOMIKOビル4F
設立:2000年11月1日
資本金:100 百万円(2024年12月末現在)
決算期:12月
連結売上高:19,299百万円(2024年12月期)
事業内容:ブライダル事業(婚礼プロデュース部門、婚礼衣裳部門、レストラン部門)・レストラン特化型事業
URL: https://www.novarese.co.jp/
株式会社エスクリ
代表者:代表取締役社長 CEO 渋谷守浩
本社所在地:東京都中央区日本橋小網町6番1号 山万ビル
設立:2003年6月19日
資本金:50 百万円(2025年3月末現在)
決算期:3月
連結売上高:26,179百万円(2025年3月期)
事業内容:挙式・披露宴の企画・運営を行うブライダル事業
URL: https://www.escrit.jp/
株式会社ティーケーピー(TKP)
代表者:代表取締役社長 河野 貴輝
本社所在地:東京都新宿区市谷八幡町8番地 TKP市ヶ谷ビル2F
設立:2005年8月15日
資本金:16,388 億円(2025年2月末現在)
決算期:2月
連結売上高:59,208 億円(2025年2月期)
事業内容:フレキシブルスペース事業、ホテル・宿泊研修事業、イベントプロデュース事業、BPO事業、料飲・バンケット事業
URL: https://www.tkp.jp/

主要点の整理と本件の位置付け

以下の

で、本記事で扱った主要事項を整理します。発表日、合併の効力発生日、合併による想定施設数・売上見込み、各社の連結売上高や資本金といった定量情報をまとめました。プレスリリースの情報は発表日現在の記載内容であり、今後の承認手続きや事業環境等により変更される可能性があります。

項目 内容(プレスリリース記載)
発表企業 株式会社ティーケーピー(TKP)、株式会社ノバレーゼ、株式会社エスクリ
発表日 2025年11月14日(16時10分発表)
取得・子会社化 TKPがエスクリのA種種類株式に付与される普通株式を対価とする取得請求権の一部を行使し、エスクリを連結子会社化
合併予定日(効力発生) 2026年4月1日(両社株主総会での承認が条件)
運営施設数(合併後想定) 1都2府28県 68施設
合併後の連結売上高(見込み) 450億円(ブライダル事業の売上規模で国内最大級)
ノバレーゼ 連結売上高 19,299百万円(2024年12月期)
エスクリ 連結売上高 26,179百万円(2025年3月期)
TKP 連結売上高 59,208 億円(2025年2月期)
関連資料 TKP資料(PDF)、ノバレーゼ・エスクリ発表、ライブ配信URL(上記参照)

本件はTKPが持つ空間再生・法人顧客基盤と、ノバレーゼ・エスクリそれぞれが持つ地方拠点および都市型施設を統合することで、施設稼働の最適化と事業の多角化を図るものです。合併は業界再編の一例として注目されると同時に、平日の法人利用と週末の婚礼という二本柱の稼働モデルを用いて、ブライダル施設の新たな価値創造を目指す動きと位置付けられます。

参考リンク: