11月15日開催 楽天テクノロジー賞2025の受賞者と注目点

楽天テクノロジー表彰式

開催日:11月15日

誰が受賞したの?
学術部門は江間有沙、工藤郁子、実積寿也の3氏が受賞。企業部門は半導体設計のAmpereと音声AIのKotoba Technologiesがそれぞれ受賞し、国際ガバナンスやオープンインフラ、リアルタイム音声AIでの貢献が評価されました。
表彰式はいつどこでやるの?
表彰式はRakuten Technology Conference 2025内で11月15日(土)17:00〜18:00予定。カンファレンス自体は10:00〜18:00で、会場は楽天クリムゾンハウス(東京都世田谷)。参加申込は公式サイトから。

「AI-nization with U」を掲げた第16回の選考背景と発表日時

楽天グループ株式会社は、2025年11月10日 13時02分付で「楽天テクノロジー・エクセレンスアワード2025」の受賞者決定を公表しました。本アワードは16回目の開催となり、先進的なテクノロジーを通じて社会にイノベーションをもたらした個人または組織を表彰するものです。

本年のテーマは「AI-nization with U(エーアイナイゼーション・ウィズ・ユー)」です。楽天による造語である「AI-nization」はAI化を意味し、個人に寄り添うエージェント型AIなど、人と技術の共生を進める観点を強調しています。受賞理由や表彰式は、同社が主催する技術イベント「Rakuten Technology Conference 2025」内で公表・実施されます。

発表日
2025年11月10日 13時02分
開催回
第16回
テーマ
AI-nization with U(エーアイナイゼーション・ウィズ・ユー)

受賞者一覧と各受賞の授賞理由

本アワードでは、技術の発展と社会的インパクトを軸に選考が行われ、複数の個人・組織が受賞しています。以下は発表された受賞者と、プレスリリースで示された授賞理由の全文です。

授賞は「エクセレンス賞」として扱われ、学術界の個人から国際的な半導体設計企業、音声AIのスタートアップまで、幅広い分野が含まれています。

エクセレンス賞(学術・政策寄与) — 江間 有沙氏、工藤 郁子氏、実積 寿也氏

江間 有沙氏(東京大学 東京カレッジ 准教授)、工藤 郁子氏(大阪大学 社会技術共創研究センター 特任准教授)、実積 寿也氏(中央大学 総合政策学部 教授)の3名は、国際ルール形成への貢献が評価され受賞しました。

受賞理由としては、G7広島サミットで立ち上げられた「広島AIプロセス」に関わる活動を通じて、AIに関する国際ガバナンスの理解と普及啓発に寄与した点、EU AI法の実施ガイドライン策定に対する日本からの意見取りまとめを主導し、技術的観点だけでなく人間の尊厳や公平性といった価値観を議論に導入した点が挙げられています。

受賞者
東京大学 東京カレッジ 准教授 江間 有沙氏
受賞者
大阪大学 社会技術共創研究センター 特任准教授 工藤 郁子氏
受賞者
中央大学 総合政策学部 教授 実積 寿也氏
授賞理由
国際ガバナンス枠組みの理解・普及啓発、EU AI法の実施ガイドラインに対する日本側の意見取りまとめの主導、倫理的観点の導入、知的財産・プライバシー・責任所在といった法的課題への現実的な解決策提示など。

エクセレンス賞(企業) — Ampere Computing LLC

Ampere Computing LLCは高性能かつ電力効率に優れ、持続可能なクラウドおよびAIコンピューティング向けのプロセッサ設計を行う半導体設計企業として受賞しました。

同社が2025年に発表した「Ampere® Systems Builders Program」は、複数の協力企業と共有のエンジニアリングリソース、オープンな仕様、プラットフォーム検証を活用してソリューションを共同開発するものです。これにより、データセンター向けのモジュラー・ハードウェア標準(DC-MHS)に基づくプラットフォームを構築し、相互運用性と市場投入までの時間短縮を実現しています。

受賞者
Ampere Computing LLC
授賞理由
「Ampere® Systems Builders Program」を通じた協調的なエンジニアリング、DC-MHS準拠のプラットフォーム構築、オープンな次世代AIインフラとクラウドネイティブコンピューティングの推進。

エクセレンス賞(企業) — Kotoba Technologies, Inc.

Kotoba Technologies, Inc.は、リアルタイム音声に特化した生成AI技術の研究・開発を行うスタートアップ企業で、本アワードで受賞しています。

同社のSpeech-to-Textモデルは、発話から翻訳までの遅延が平均1秒未満という超低遅延認識を実現しており、この技術を活用した同時音声翻訳アプリ「同時通訳」を2025年2月にリリースしました。さらに、大規模音声AI基盤モデル構築計画が経済産業省・NEDO主導のGENIACに3期連続で採択されるなど、リアルタイム音声AI技術の発展に取り組んでいます。

受賞者
Kotoba Technologies, Inc.
授賞理由
超低遅延のSpeech-to-Text技術、同時音声翻訳アプリの提供、GENIACによる採択を通じた大規模音声AI基盤モデル構築への取り組み。AIエージェントに不可欠な音声入出力技術の発展への貢献。

審査体制、式典日程と開催情報の詳細

審査は楽天グループの幹部をはじめとするチームで行われました。委員長および委員の氏名と役職はプレスリリースに明示されています。

表彰式は「Rakuten Technology Conference 2025」内で実施され、イベントの詳細情報や参加申込先も公開されています。以下に審査委員構成とカンファレンスの開催概要を整理します。

審査委員長
楽天グループ株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史
審査委員
楽天グループ株式会社 専務執行役員 黒住 昭仁
審査委員
楽天グループ株式会社 専務執行役員 ティン・ツァイ
運営
楽天テクノロジーカンファレンスチーム
項目 内容
イベント名称 Rakuten Technology Conference 2025
日時 2025年11月15日(土)10:00~18:00
表彰式 楽天テクノロジー・エクセレンスアワード2025 表彰式 17:00~18:00(予定)
会場 楽天クリムゾンハウス(本社) 〒158-0094 東京都世田谷区玉川1-14-1
主催 楽天グループ株式会社
公式サイト https://tech.rakuten.co.jp/
参加申し込み https://www.eventbrite.com/e/rakuten-technology-conference-2025-tickets-1653615190549
会場地図 https://corp.rakuten.co.jp/about/map/crimsonhouse/

受賞の意義と技術的な要点の整理

今回の受賞者は、AIの国際規範形成、クラウド/AIインフラのオープン化、リアルタイム音声AIの実用化という3領域にまたがっています。それぞれが社会実装や国際協調、持続可能性という観点での実務的な解決を提示している点が共通しています。

以下に、受賞理由から読み取れる主要な技術的・社会的要点を箇条書きで整理します。

  • AIガバナンス:学術者3名は国際ルール形成の場で、倫理性や人間中心の価値観を議論に導入し、知的財産やプライバシー、責任の所在に関する現実解を提示した。
  • インフラの相互運用性:Ampereの取り組みは、DC-MHS標準に基づくモジュラー設計とオープンな協調により、クラウドネイティブなAIインフラの実現を加速する。
  • リアルタイム音声AI:Kotobaの超低遅延認識や同時通訳アプリは、AIエージェントの音声入出力機能の基盤となり得る技術的進展を示している。なお、同社の大規模基盤モデル構築計画はGENIACに3期連続で採択されている(GENIACは経済産業省・NEDOの「Generative AI Accelerator Challenge」の略称)。

技術的要素の詳細

Ampereの「Ampere® Systems Builders Program」は、複数企業による共通エンジニアリングリソースとオープン仕様の採用により、プラットフォームの相互運用性と開発効率を向上させる点が特徴です。これにより市場投入までの時間短縮が図られると述べられています。

Kotobaの技術は、平均1秒未満の遅延で発話から翻訳までを行う能力に焦点があり、実運用を見据えたリアルタイム性能とスケーラビリティが評価されています。大学や研究機関と連携した大規模基盤モデル構築の継続採択も、その技術的信頼性を裏付ける要素です。

要点の整理表と締めくくり

以下の表は、本記事で取り上げた主要な情報を項目別に整理したものです。受賞者、授賞理由、イベント情報、審査委員など、プレスリリースに記載された情報を網羅しています。

項目 内容
発表日 2025年11月10日 13時02分
アワード名 楽天テクノロジー・エクセレンスアワード2025
テーマ AI-nization with U(エーアイナイゼーション・ウィズ・ユー)
受賞者(個人) 江間 有沙(東京大学)、工藤 郁子(大阪大学)、実積 寿也(中央大学)
受賞者(企業) Ampere Computing LLC、Kotoba Technologies, Inc.
主な授賞理由(個人) 広島AIプロセス等を通じた国際ガバナンスへの貢献、EU AI法ガイドラインへの意見取りまとめ、倫理的観点の導入等
主な授賞理由(Ampere) Ampere® Systems Builders Programによる協調的プラットフォーム開発、DC-MHS標準に基づく相互運用性の確保
主な授賞理由(Kotoba) 超低遅延Speech-to-Text技術、同時通訳アプリの提供、GENIAC採択による大規模音声AI基盤の構築
審査委員長 三木谷 浩史(楽天グループ株式会社 代表取締役会長兼社長)
審査委員 黒住 昭仁、ティン・ツァイ(いずれも楽天グループ株式会社 専務執行役員)
開催日時(カンファレンス) 2025年11月15日(土)10:00~18:00(表彰式 17:00~18:00予定)
会場 楽天クリムゾンハウス(〒158-0094 東京都世田谷区玉川1-14-1)
公式情報 イベント公式: https://tech.rakuten.co.jp/ 参加申込: https://www.eventbrite.com/e/rakuten-technology-conference-2025-tickets-1653615190549
注記 GENIACは経済産業省・NEDO主導の「Generative AI Accelerator Challenge」の略称。掲載情報は発表日現在の内容であり、最新情報とは異なる場合がある。

この記事は、楽天グループ株式会社の発表資料に基づいて、受賞者、授賞理由、審査体制、会期・会場情報などプレスリリースの全情報を整理・伝達することを目的として作成しました。記載した日時やURLは発表時点のものです。最新の情報は公式サイト(https://tech.rakuten.co.jp/)をご確認ください。