11/15刊行、野口里佳写真集『虹』—印刷で再現した“空気感”

写真集『虹』刊行

開催日:11月15日

写真集『虹』刊行
写真集っていつ買えるの?
正式発行は2025-11-15。先行販売は11月5日からYAMADA Book Publishingのオンラインストアで開始、12月3日までは特別価格。定価は本体5,500円+税。
刊行に合わせた展示やイベントはあるの?
刊行記念イベントはbook obscuraで12月4日〜26日開催。また、札幌芸術の森美術館の展覧会「リフレクションズ」(11/15〜12/21)ではミュージアムショップで販売されます。

野口里佳が紡ぐ『虹』 — 展示から写真集へ移された瞬間

写真家・野口里佳の新作写真集『虹』が、富山の印刷会社・株式会社山田写真製版所が立ち上げた出版レーベル「YAMADA Book Publishing」第二弾として刊行されます。本書は、タカ・イシイギャラリーで発表された個展「虹」のために制作された作品群を一冊にまとめた作品集です。発行日は2025年11月15日、総28頁の上製本仕立てで構成されています。

野口は作品『虹』について、鳥取の砂丘で出会った短く、しかし強烈な印象を残す出来事を記述しています。砂の上を歩き、遠くに見えた人影が赤と白の大きな翼を広げて宙に浮き、すぐに着地するその瞬間を「消えている虹を見ているようだった」と表現しています。本書は、その瞬間の脆さや漂う空気感を紙の上で再現することを意図して制作されました。

野口里佳『虹』、印刷会社発の出版レーベル「YAMADA Book Publishing」より刊行 画像 2

個展「虹」を起点とした構成

本書に収められた写真群は、タカ・イシイギャラリーで開催された個展「虹」で発表された作品を忠実に再編集・再構成したものです。会場での展示体験を写真集という別の場に移し替える際、野口と制作チームは展示時の時間感や視線の流れを重視しました。

タカ・イシイギャラリーの展覧会情報は以下のページに記載されています。https://www.takaishiigallery.com/jp/

野口里佳『虹』、印刷会社発の出版レーベル「YAMADA Book Publishing」より刊行 画像 3

紙と製版で再現された「空気感」

本書の制作では、作品の繊細なトーンを再現するために製版の設計段階から1%単位での色調整が施されました。山田写真製版所は創業104年の技術を活かし、写真の持つニュアンスを微細に調整しています。色再現の精度は今回の制作における重要なポイントでした。

また、写真集としては珍しく用紙に「アラベール」を採用し、パラシュートの「空気感」を紙上で表現しました。アラベールの柔らかく空気を含んだ質感により、写真の軽やかさや繊細さが強調されています。製本には袋とじの手法を用いた上製本で、ページを一枚ずつ丁寧にめくる鑑賞体験を意図しています。

  • 製版での色調整:1%単位での緻密な調整
  • 用紙:アラベール採用(紙の風合いで空気感を表現)
  • 製本:袋綴じ上製本で丁寧なページ構成
野口里佳『虹』、印刷会社発の出版レーベル「YAMADA Book Publishing」より刊行 画像 4

刊行情報・価格・流通 — 購入方法とスケジュール

写真集『虹』は2025年11月15日に正式に発行されますが、先行販売が行われます。先行販売は11月5日(水)よりYAMADA Book Publishingオンラインストアにて開始され、12月3日(水)までは期間限定の特別価格で販売されます。正式発行後は全国の取次を通じて流通する予定です。

価格は本体5,500円+税、ISBNは978-4-911496-01-5、記載コードはC0072、表示価格コードは¥5500Eです。取次はツバメ出版流通が担当します。印刷は株式会社山田写真製版所、製本は株式会社渋谷文泉閣が担当しています。

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書籍の基本データ

本書のサイズや仕様など、書誌情報は以下の通りです。書籍の形態は写真集として考慮された物理的な仕様が多く盛り込まれており、所有すること自体が作品鑑賞の延長となる作りになっています。

書名
『虹』
発行日
2025年11月15日
著者・写真
野口里佳
ブックデザイン
林琢真
サイズ
縦285mm×横225mm
仕様
袋綴じ上製本
頁数
総28頁
印刷
株式会社山田写真製版所
製本
株式会社渋谷文泉閣
協力
斉藤篤(roshin books)
取次
ツバメ出版流通
定価
本体5,500円+税(ISBN978-4-911496-01-5 C0072 ¥5500E)
野口里佳『虹』、印刷会社発の出版レーベル「YAMADA Book Publishing」より刊行 画像 6

刊行記念イベントと関連展示の詳細

刊行を記念したイベント「野口里佳 × 山田写真製版所『虹』」がbook obscuraにて開催されます。会期は2025年12月4日(木)〜12月26日(金)、会場はbook obscura galleryスペースです。イベントの詳細はYAMADA Book PublishingのInstagramやオンラインストア、book obscuraの案内にて順次告知されます。

本書は札幌芸術の森美術館で開催される現代美術展「リフレクションズ―いつかの光」にあわせて、同館ミュージアムショップでも取り扱われます。展示に関連しての販売となるため、展覧会の会期中に館内での販売が行われます。

札幌芸術の森美術館での展示と販売

「リフレクションズ―いつかの光」は札幌芸術の森美術館にて、2025年11月15日(土)から12月21日(日)まで開催されます。開館時間は午前9時45分から午後5時までで、入館は閉館の30分前までとなります。会場は札幌芸術の森美術館です。展覧会情報は以下のページに掲載されています。https://artpark.or.jp/tenrankai-event/reflections/

この期間中、同館ミュージアムショップで写真集『虹』を取り扱います。展覧会のテーマと連動した書籍販売として、会場での鑑賞と同時に写真集に触れることができます。

刊行記念イベントの案内先

刊行記念イベントの最新情報は以下の各所で案内されます。詳細発表を順次確認できます。

  • YAMADA Book Publishing オンラインストア: https://yamada-book-publishing.com/
  • YAMADA Book Publishing Instagram: @yamada_book_publishing
  • book obscura ニュースページ: https://bookobscura.com/news/5aee9d995f78663de0001937

関係者プロフィールと出版社・印刷会社の概要

本書にかかわった主要な人物と組織のプロフィールをまとめます。野口里佳の長年にわたる制作活動と林琢真によるブックデザイン、そして山田写真製版所の技術が結実した一冊です。ここではそれぞれの経歴や活動内容を整理して記載します。

また、YAMADA Book Publishingは富山県富山市にある印刷会社・株式会社山田写真製版所が2025年に立ち上げたアートブックに特化した出版レーベルです。印刷の技術と想像力を生かし、良質なアートブックを順次刊行する方針を掲げています。

著者:野口里佳(プロフィール)

野口里佳は1971年生まれ、埼玉県出身で沖縄県在住。1992年より写真作品の制作を始め、国内外で展覧会を中心に活動しています。主な個展には「予感」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川、2001)、「飛ぶ夢を見た」(原美術館、東京、2004)、「光は未来に届く」(IZU PHOTO MUSEUM、静岡、2011~2012)、「不思議な力」(東京都写真美術館、2022-23)などがあります。

彼女の作品は国立近代美術館、国立国際美術館、グッゲンハイム美術館、ポンピドゥー・センターなどに所蔵されています。オンライン情報は公式サイトとInstagramで確認できます。https://noguchirika.com/ Instagram: @noguchi_rika

ブックデザイン:林琢真(プロフィール)

林琢真はアートディレクター。中島英樹に師事し、林琢真デザイン事務所を主宰しています。美術や建築分野の展覧会ビジュアルや書籍のアートディレクションを中心に活動しており、代表作には「田根剛: Archaeology of the Future」(TOTOギャラリー・間)や「名和晃平: Author」(Sandwich and Pace Gallery)などがあります。

近年の関与作品には「ホセ・ダヴィラ:私は目を閉じて見るほうがいい。」(群馬県立近代美術館、2025)、「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」(東京都写真美術館、2025)などがあり、ニューヨークADC、東京ADCなどの受賞歴があります。公式サイト: https://htdo.jp/ Instagram: @hayashi__takuma

YAMADA Book Publishing(発行元)については以下の通りです。所在地は富山県富山市太田口通り2-1-22、電話番号は076-421-1136。オンラインストアはhttps://yamada-book-publishing.com/、Instagramは@yamada_book_publishingです。

株式会社山田写真製版所(印刷会社)は1921年創業、富山県富山市に本社を置く印刷会社です。単に印刷するだけでなく、作品の魅力を最大限に引出し「刷ったその先」を見据えた制作を目指しています。本社所在地は富山県富山市太田口通り2-1-22、TEL 076-421-1136、ホームページはhttps://www.yppnet.co.jp/、Instagramは@yamada_photo_processです。

書誌情報の要約表

以下の表に、本記事で触れた主要な書誌情報、刊行・販売スケジュール、関連イベントおよび関係者情報を整理しました。展示、販売、連絡先などを一目で確認できます。

項目 内容
書名 『虹』
著者 野口里佳
発行日 2025年11月15日
先行販売開始 2025年11月5日(YAMADA Book Publishing オンラインストア)
先行販売の特別価格期間 2025年11月5日〜2025年12月3日
定価 本体5,500円+税
ISBN等 ISBN978-4-911496-01-5 C0072 ¥5500E
サイズ 縦285mm×横225mm
仕様・頁数 袋綴じ上製本、総28頁
印刷 株式会社山田写真製版所
製本 株式会社渋谷文泉閣
協力 斉藤篤(roshin books)
取次 ツバメ出版流通
刊行記念イベント book obscura galleryスペース(2025年12月4日〜12月26日)
関連展示(ミュージアムショップ販売) 札幌芸術の森美術館「リフレクションズ―いつかの光」2025年11月15日〜12月21日(開館9:45〜17:00、入館は閉館30分前まで)
公式ストア・情報 YAMADA Book Publishing オンラインストア: https://yamada-book-publishing.com/ Instagram: @yamada_book_publishing
発行元 YAMADA Book Publishing(株式会社山田写真製版所内)所在地: 富山県富山市太田口通り2-1-22 TEL:076-421-1136

以上が本書『虹』に関する刊行・販売・イベント・関係者の詳細な情報です。本書は展示で提示された視覚的体験を紙という媒体に移すための多岐にわたる技術的選択を伴って制作されています。刊行と同時に始まる先行販売や展示に関連した取り扱いを含め、読者はさまざまな形で本書に触れることができます。

参考リンク: