加能ガニ解禁初日:蟹-1グランプリで『輝』が450万円落札
ベストカレンダー編集部
2025年11月7日 05:56
ズワイガニ解禁初セリ
開催日:11月6日
解禁初日、96隻が一斉出漁──『蟹-1グランプリ』の始まり
2025年11月6日、石川県のズワイガニ漁が解禁され、3年ぶりに全地区で初日の出漁が実施されました。石川県漁業協同組合を中心としたおいしかわ県PR協議会は、同日に加能ガニと香箱ガニの初セリを、石川県漁協かなざわ総合市場および加賀支所の二か所で開催しました。発表時刻は同日23時30分です。
この日は計96隻が海へと繰り出し、昼頃から順次港へ戻ると、漁師がその日の『一番推し』と認めたカニが市場に持ち込まれました。かなざわ総合市場では39尾、加賀支所では10尾がエントリーし、合計49尾が『蟹-1グランプリ』に出揃いました。
開催の流れと会場の様子
かなざわ総合市場では重量測定や甲幅計測といった審査を経て、『一番推し』の中から1尾が最高級ブランド『輝』に認定されました。加賀支所では『輝』『輝姫』ともに認定はありませんでしたが、両会場とも石川県知事や支所運営委員長による開会宣言の下、熱気ある初セリが行われました。
初セリには2会場合わせて約30名の買い人が参加し、会場は高値・注目の取引を見ようとする活気に包まれていました。なお、この開催は被災地域の復興支援とも連動しており、会場内外で関係者の関心が高まりました。
漁師の目利きが導入した「一番推し」と、最高級ブランド「輝」の落札
2025年より新たに導入された取り組み「一番推し」は、各操業ごとに漁師がその日最も優れたズワイガニを1匹選出する制度です。選ばれた個体には船名タグと九谷焼タグが付され、漁師の自信作として市場で注目を集める仕組みになっています。11月6日にこの取り組みがデビューしました。
『蟹-1グランプリ』では、49尾の『一番推し』の中から加能ガニ1尾が最高級ブランド『輝』に認定され、歴代2位となる4,500,000円で落札されました。なお、香箱ガニの最高級ブランド『輝姫』は今回の審査で認定されませんでした。
『輝』の落札に関する詳細
かなざわ総合市場にて認定された『輝』の個体は、重量1.76kg、甲羅幅16.1cmという条件を満たしており、審査基準に基づき市場の目利きによって選定されました。初セリの結果、金額は4,500,000円に達しました。
プレス資料では落札者名がかなざわ総合市場流通課と記載され、出荷先は新たに翌日11月7日に旅館をオープンするつる幸となっています。つる幸の主人である竹本啓亮氏は、落札に臨む思いや開業にあたる意欲を語っています。
- かなざわ総合市場 初セリ最高落札額
- 加能ガニ「輝」 金額 4,500,000円 / 落札者 かなざわ総合市場流通課 / 出荷先 つる幸 / 重量 1.76kg / 甲羅幅 16.1cm
- 加賀支所 初セリ最高落札額
- 最高額 500,000円 / 落札者 やまは水産 / 出荷先 黒崎BASE / 重量 1.72kg / 甲羅幅 16.1cm
かなざわ総合市場での落札品に関しては、つる幸の竹本氏が「鮮度の良い立派なカニをお刺身で提供したい」と述べ、被災地の復興や石川県の魅力発信に期待を寄せました。一方、該当の底曳網漁師である長栄丸船長の森下秀和氏は、震災や復旧の経験を踏まえ、今回の落札を励みとするコメントを残しています。
今年の漁獲量とエントリー状況 — 数字で見る市場動向
今回の初セリにおける加能ガニおよび香箱ガニの出荷量は、昨年と比較して大幅に増加しています。以下に市場別の箱数と尾数を示します。数値はプレスリリースに基づきます。
これらのデータは、今季の資源管理や漁期運営の状況を把握するうえで重要な指標となります。特に加能ガニは日帰り操業が中心で、市場に並ぶ個体は鮮度が高い点が特徴です。
| 項目 | かなざわ総合市場 | 加賀支所 | 中央市場 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 加能ガニ 箱数 | 4,499 箱 | 650 箱 | 500 箱 | 5,649 箱(合計尾数 33,894尾) |
| 香箱ガニ 箱数 | 6,775 箱 | 800 箱 | 500 箱 | 8,075 箱(合計尾数 201,875尾) |
加能ガニは合計で5,649箱、1箱あたり6尾換算で33,894尾となりました(前年は16,320尾)。香箱ガニは合計8,075箱、25尾換算で201,875尾となり、前年の179,000尾を上回っています。
また、『蟹-1グランプリ』の事前エントリー数は、かなざわ総合市場が39尾(注記として85尾と記載された括弧内の数値があり)、加賀支所が10尾、合計49尾の出揃いとなりました。かなざわ総合市場での『輝』認定は1尾、加賀支所では『輝』『輝姫』ともに該当なしでした。
連動オークションと認定基準の全容
今回の『蟹-1グランプリ』の連動企画として、11月7日から11月9日までの期間にYahoo!オークション上で『蟹-1グランプリ 連動オークション』が開催されます。出品は漁師が選んだ『一番推し』加能ガニ1尾(ゆで)で、落札金は全額石川県の漁業復興に充てられます。
特設ページのURLは次のとおりです。https://auction.lycomm.co.jp/kani-1-01/。主催は石川県漁業協同組合で、一般の利用者も参加可能とされています。
加能ガニ『輝』および香箱ガニ『輝姫』の認定基準
最高級ブランドの認定基準は厳格に設けられており、選定は市場の限られた目利き人によって行われます。以下がそれぞれの詳細です。
- 加能ガニ『輝』の認定基準
- 重さ 1.5kg以上
- 甲羅の幅 14.5cm以上
- 全ての脚がそろっていること
- 甲羅が硬く、身入りが良好であること
- 鮮度の徹底(獲れた日をタグに記載)
- 資源管理に積極的に取り組んでいること(法令・自主規制の順守)
- 香箱ガニ『輝姫』の認定基準
- 甲幅 9.5cm以上
- 全ての脚が揃っていること
- 傷がなく色が美しいこと
- 身入りが良いこと
- 資源管理への積極的な取り組みが確認されていること
これらの基準は、希少で上質な個体を高級料亭や贈答用途などへ供給する目的で運用されています。資源管理面では禁漁期間やサイズ規制、改良網の使用など複数の取り組みが強調されています。
おいしかわ県PR協議会は石川県漁業協同組合を中心に設立され、水産課やデザイン会社など関係者が参画し、県内外へのPR活動を行っています。本イベントもその一環として実施されています。
まとめ: 主なポイントの整理
以下に本記事で扱った主要な事実を表形式で整理します。初セリの結果、漁獲量、認定基準、連動オークションの概要など、プレスリリースの全情報を含めてまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2025年11月6日(ズワイガニ漁解禁・初セリ)、発表 2025年11月6日 23時30分 |
| 出漁隻数 | 96隻(3年ぶりに全地区で出漁) |
| 蟹-1グランプリ エントリー数 | かなざわ総合市場 39尾、加賀支所 10尾、合計 49尾 |
| 加能ガニ合計箱数・尾数 | かなざわ総合市場 4,499箱、加賀支所 650箱、中央市場 500箱、合計 5,649箱(33,894尾) |
| 香箱ガニ合計箱数・尾数 | かなざわ総合市場 6,775箱、加賀支所 800箱、中央市場 500箱、合計 8,075箱(201,875尾) |
| 最高落札(かなざわ総合市場) | 加能ガニ「輝」 4,500,000円、重量 1.76kg、甲羅幅 16.1cm、落札者記録 かなざわ総合市場流通課、出荷先 つる幸 |
| 最高落札(加賀支所) | 金額 500,000円、落札者 やまは水産、出荷先 黒崎BASE、重量 1.72kg、甲羅幅 16.1cm |
| 『一番推し』導入 | 2025年より開始。漁師が当日一番と認めたカニを出品、船名タグ・九谷焼タグを付与 |
| 連動オークション | Yahoo!オークション「蟹-1グランプリ連動オークション」 出品期間 2025年11月7日〜11月9日、落札金は石川県の漁業復興に充てられる |
| 認定基準(輝 / 輝姫) | 輝: 重さ1.5kg以上、甲幅14.5cm以上 等。輝姫: 甲幅9.5cm以上、全脚揃い 等。資源管理の取組が条件 |
以上が、2025年11月6日に行われたズワイガニ漁の解禁と初セリ、『蟹-1グランプリ』に関するプレスリリースの要旨と詳細です。出荷量、落札結果、連動オークションの情報を含め、関連する数値とコメントを網羅しています。