多摩トキワソウ団地、11/30でサービス終了　拠点は上池台へ

多摩トキワソウ団地のサービス終了 — 日程と背景

LEGIKAは、マンガ家育成シェアハウス事業・トキワ荘プロジェクトの拠点であった「多摩トキワソウ団地」（所在地：東京都日野市多摩平3-1-8、りえんと多摩平内／総居室数：53室）について、サービス提供を2025年11月30日をもって終了すると発表しました。発表日時は2025年11月6日 15時33分です。運営主体は特定非営利活動法人LEGIKA（所在地：東京都品川区北品川5-5-15 大崎ブライトコア4階 SHIP、理事長：小崎文恵）です。

多摩トキワソウ団地は2021年6月1日にオープンした団地型の大規模シェアハウスであり、マンガ家の育成を目指す拠点として運営されてきました。LEGIKAは国の新たなクールジャパン戦略におけるコンテンツ産業の人材強化という政策的重要性を踏まえ、関係者との調整を続けてきましたが、利用建物の契約期間満了および建物貸主の意向により今回のサービス終了を決定したとしています。

サービス終了の公式発表と理由

発表文では、経済産業的な意義を認めつつも、建物契約と貸主の方針が主要因であることが明示されています。LEGIKAは関係者と協議を重ねた上での判断であると説明しています。

発表当日は、サービス終了日程の明示に加え、今後の拠点移行に関する具体的な方針も公表されました。以降の章では、移転先や並行して継続するサービス、プロジェクト全体の実績などを整理します。

多摩トキワソウ団地の実績とここまでの歩み

多摩トキワソウ団地はオープン以来、マンガ家育成の場として多数のプロ作家を輩出してきました。2023年度には年間平均入居率が約99.77%に達し、入居希望者の待機期間が1年以上に及ぶ状況が生じるほど高い評価を受けていました。

加えて2025年3月時点で、建物居住者のうちプロデビュー者の比率が3割を超える結果となり、国内で類を見ないハイレベルなマンガ家生活拠点として機能していたことが報告されています。多摩トキワソウ団地の外観や集合イベントの様子は、プロジェクトの活動記録としても示されています。

具体的な実績データ

開業日

2021年6月1日

総居室数（多摩トキワソウ団地）

53室

年間平均入居率（2023年度）

約99.77%

入居待機期間

1年以上のケースあり

建物居住者に占めるプロデビュー者割合（2025年3月時点）

3割超

これらの数値は、団地型シェアハウスが単なる住居にとどまらず、マンガ表現の実践場・交流の場として機能していたことを裏付けています。

移転先と並行する提供体制 — 上池台トキワソウルームと日野トキワソウスタジオ

サービス終了後、LEGIKAはマンガ家育成の拠点機能を東京都大田区にある「上池台トキワソウルーム」へ移転します。上池台トキワソウルームの所在地は東京都大田区上池台5-37-8（スタイリオウィズ上池台）、延床面積は2,543.26平方メートル、総居室数は55室で、そのうち34室がアトリエプラン付き居室です。事業主は東急株式会社、貸主・運営管理は特定非営利活動法人LEGIKAです。

上池台トキワソウルームでは広い共用スペースを活用し、これまで以上に実践型創作と交流を重視した運営を行うとされています。共用スペースやワークスペース、アトリエスペースのイメージやイベントの様子が紹介されており、創作環境の拡充が意図されています。

日野市内でのサービス継続

東京都日野市における住環境がマンガ家から高く評価されている点を踏まえ、LEGIKAは日野市内にある現役マンガ家をターゲットとしたワンルーム型提携ハウス「日野トキワソウスタジオ」のサービス利用を引き続き展開します。これにより、地域特性に応じた住まいの提供を継続しつつ、拠点機能を大田区へ移す形になります。

移転・継続に際しては、既存の入居者に対する具体的な調整や移転支援などの詳細は発表文では明示されていませんが、LEGIKAは運営管理者として各拠点の特性を生かす方針を示しています。

トキワ荘プロジェクト全体の数値とLEGIKAの事業概要

トキワ荘プロジェクトのサービスコンセプトは「中長期的にプロのマンガクリエイターとして活躍することを目指し、共に暮らし、共に競い、共につくることをキャリアづくりのキーとしてマンガ人材開発に取り組む」ことと明示されています。プロジェクト全体の実績や参加者数などの数値は以下の通りです。

発表時点での主要な統計情報を示します。LEGIKAの直営・提携ハウスの数、参加者数、プロデビュー者数、掲載実績や受賞実績など、具体的な数値が公開されています。

• ハウス数：直営4棟、提携2棟（2025年10月31日現在）
• 総参加者数：712名（2025年11月05日現在）
• 参加後のプロデビュー者数（参加前に既にプロデビューしている者は除く）：148名（2025年11月05日現在）
• プロデビューしたマンガ家総数（参加前に既にプロデビューしている者を含む）：通算209名（2025年11月05日現在）
• 雑誌・WEB掲載実績：587件（2025年10月10日現在）
• マンガ賞受賞実績：183件（2025年10月10日現在）

代表的な輩出作家と代表作

トキワ荘プロジェクトからは複数の著名な作家が輩出されています。発表に挙げられた代表的な作家と代表作は以下のとおりです。

• 西 修（代表作：「魔入りました！入間くん」）
• カメントツ（代表作：「こぐまのケーキ屋さん」）
• 藏丸竜彦（代表作：「数学ゴールデン」）
• 西村ツチカ（代表作：「北極百貨店のコンシェルジュさん」）
• 雲母坂盾（代表作：「ドリトライ」）

LEGIKA自体は2009年10月30日に設立登記を行ったNPO法人で、団体ビジョンとしてマンガ表現を通じたメッセージ・デザイン事業とコミュニティ・デザイン事業を掲げています。主要事業には高品質マンガ制作事業「レジカスタジオ」、マンガ家育成事業「トキワ荘プロジェクト」、シェア型学生寮事業「チェルシーハウス」などがあります。

まとめと主要項目の整理

以下に本件で明らかになった主要事項を表形式で整理します。サービス終了の日時、移転先、各拠点の住所・規模、プロジェクトの主要数値、LEGIKAの基本情報などを網羅しています。

以上が今回の発表内容の要点と各種データの一覧です。多摩トキワソウ団地は契約満了と貸主の意向により2025年11月30日でサービスを終了し、拠点機能は上池台トキワソウルームへ移されます。同時に日野市内での日野トキワソウスタジオ等の提携サービスは継続されるため、地域や形態を変えつつマンガ家育成事業は継続していく方針が示されています。