壽屋×KDDI、3DGSでフィギュアの質感をWeb再現へ

3DGS製品表現検証開始

開催日:11月6日

3DGS製品表現検証開始
3D Gaussian Splattingって何が違うの?
光の特性を数値化した“ガウシアン”粒子で描く手法で、ポリゴンより透明感や光沢、微細な彫刻表現に強い。データが軽く撮影も一般機材で可能な点も利点です。
いつ公開されるの?
壽屋の特設ページで、2025年11月から12月にかけて順次3DGS化データを公開予定。詳細や公開タイミングは特設サイトと公式SNSで案内されます。

ホビーECで見落とされてきた〝手に取る感覚〟と3D表現の課題

2025年11月6日11時、株式会社壽屋と株式会社KDDIテクノロジーは、KDDIと連携して最新の3D表現技術「3D Gaussian Splatting」を活用した製品表示の検証を開始すると発表しました。発表文には、従来の写真・動画・360度ビューに続く表現手法としての3D表示の可能性と、ホビー分野における導入の難しさが詳述されています。

EC市場全体では顧客体験が購買行動に直結するため、表現手法の進化が続いています。しかしフィギュアやプラモデルなど、細密な造形と質感が価値を決めるホビー分野では、従来の3D表現が求められる精度や質感、透明感を十分に再現できず、ポリゴンモデルによる複製リスクや後加工のコスト負担が大きい点が課題として指摘されています。

  • 質感・透明感の忠実な再現が難しい
  • ポリゴンモデルは複製リスクと後加工コストが高い
  • 宣材写真の代替として現実的でないケースが存在する
KDDIテクノロジー、3D Gaussian Splattingによる製品表現の検証を開始 画像 2

3D Gaussian Splattingがもたらす表現力と配信面での利点

今回の検証で中心になる「3D Gaussian Splatting」は、従来の面ベース(ポリゴン)表現とは異なり、光の特性を数値化した粒子(ガウシアン)を用いて表現する手法です。これにより透明感や光沢、微細な彫刻表現、複雑な模様を自然に再現できると説明されています。

さらに、この手法は中間工程の削減とデータの軽量化を実現でき、高品質な表現を比較的少ないデータ量で配信できる点が大きな利点です。一般的な撮影機材で収録可能であること、そしてKDDI/KDDIテクノロジーの通信技術による高速配信と組み合わせることで、スマートフォンやPCブラウザ上で快適に閲覧できる環境を構築することが目指されています。

KDDIテクノロジー、3D Gaussian Splattingによる製品表現の検証を開始 画像 3

技術的特徴の要点

3D Gaussian Splattingはポリゴンメッシュではなく多数のガウシアン(粒子)で表現するため、光学的な特性を直接扱いやすく、透明部分や細かな光沢表現に優れます。これにより、フィギュアの塗装表現やクリアパーツの透過表現など、ホビー特有の表現をより忠実に再現できます。

また、ポリゴンモデルで発生しがちな複雑な後処理や大規模なデータ生成を圧縮できる点は、制作・配信の現場負担を低減することに寄与します。こうした特性はホビーECにおける3D表示の実用化を後押しする可能性があります。

撮影から配信までのフロー(検証内容)

プレスリリースでは、撮影・収録、3D Gaussian Splattingの生成、Web表示に向けた後処理、配信という一連の工程を通した検証を掲げています。これらの工程を通じて、どの段階で品質が決まり、どこがボトルネックになるかを確認することが目的です。

検証では具体的に、撮影機材での収録方法、収録データからのガウシアン生成手順、Webブラウザ上での描画モジュールの最適化、配信システムの帯域・遅延対策などが検討されます。これにより導入時の時間・コスト負担を抑える運用手法の確立を目指します。

プロジェクトの目的、役割分担、公開スケジュール

プレスリリースは検証の目的を明確に示しています。主たる目的は製品の質感をどこまで忠実に再現できるか、オンライン表示での操作性や品質、撮影から配信までの工程効率化です。これらを踏まえて、各社の役割分担が具体的に示されています。

各社の主な役割は次のとおりです。壽屋はキャラクター製品の提供およびデジタル表現の研究開発を担当し、KDDIはWeb描画モジュールと配信システムの開発を担当します。KDDIテクノロジーは撮影・収録、3D Gaussian Splattingの生成、Web表示に向けた後処理を担います。

壽屋(代表取締役社長:清水一行、本社:東京都立川市)
キャラクター製品の提供、デジタル表現に関する研究開発を担当。
KDDI(代表取締役社長:松田 浩路、本社:東京都千代田区)
通信技術と先端技術の組み合わせによる配信基盤支援。Web描画モジュールの提供支援。
KDDIテクノロジー(代表取締役社長:溝口 健次郎、本社:東京都江東区)
撮影・収録、3D Gaussian Splattingの生成、Web表示に向けた後処理を担当。

公開スケジュールとして、2025年11月から12月にかけて、壽屋製品の一部を3D Gaussian Splattingでスキャンしたデータを順次公開すると明記されています。詳細は壽屋の特設ページおよび公式SNSで案内される予定です。

特設案内サイト「プラモデル×3DGS WEB体験イベント」の案内先URLは以下です(プレーンテキスト表示)。
https://www.kotobukiya.co.jp/event/detail/1113/

検証で扱う製品の種類と関連情報の一覧整理

発表文ではプラモデルやフィギュアといったホビー製品を中心に検証を行うことが示されています。対象は壽屋が取り扱うキャラクター製品で、精緻な造形や塗装、透明パーツなどを含む製品群が想定されています。

また、関連する過去の発表として「デジタルフィギュアをテーマにした技術展示とアンケートのお知らせ(2024.9.27)」のプレスリリースが挙げられており、そのURLは以下です(プレーンテキスト表示)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000104990.html

項目 内容
発表日 2025年11月6日 11時00分
主催・参加企業 株式会社壽屋、株式会社KDDIテクノロジー(協力:KDDI)
代表者(各社) 壽屋:清水一行、KDDI:松田 浩路、KDDIテクノロジー:溝口 健次郎
本社所在地 壽屋:東京都立川市、KDDI:東京都千代田区、KDDIテクノロジー:東京都江東区
技術 3D Gaussian Splatting(ガウシアン粒子ベースの3D表現)
目的 ホビーEC向けに製品の質感・透明感・光沢等を忠実に再現し、撮影から配信までの工程効率化を検証
各社の役割 壽屋:製品提供・研究開発、KDDI:描画モジュールと配信支援、KDDIテクノロジー:撮影・生成・後処理
公開予定 2025年11月~12月にかけて順次データ公開(壽屋特設ページ・SNSで案内)
特設案内サイト https://www.kotobukiya.co.jp/event/detail/1113/
関連プレスリリース デジタルフィギュアをテーマにした技術展示とアンケートのお知らせ(2024.9.27)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000104990.html

以上が発表内容の整理です。発表はホビーECにおける3D表現の実用化に向けた具体的な検証開始を告げるものであり、撮影から配信までの技術的・運用的な課題を明確に意識した体制とスケジュールが示されています。公開予定のサンプルは2025年11月から12月にかけて順次公開されるため、発表された技術とその適用結果がどのように顧客体験に結びつくかを確認することが可能です。