4/11開幕|根津美術館85周年 特別展で『燕子花図』公開

開館85周年特別展

開催期間:4月11日〜5月10日

開館85周年特別展
チケットってどうやって取ればいいの?
原則オンラインの日時指定予約制で、公式サイトからクレジット決済で購入する方式。1回で10名まで申込可。当日券は+100円で混雑時は販売しない場合あり。
国宝『燕子花図屏風』っていつ見られるの?
開館85周年記念の特別展で展示されます。会期は2026年4月11日〜5月10日。5/5〜5/10は夜間開館で19時まで。詳細は公式サイトを確認してください。

開館85周年を迎える根津美術館の2026年度 ─ 国宝「燕子花図屏風」を軸に展開する一年

1941年に現在の南青山の地で開館した根津美術館は、2026年に開館85周年を迎えます。初代根津嘉一郎(1860-1940)が蒐集した古美術を基盤とし、長男の二代根津嘉一郎(1913-2002)が開館した同館のコレクションは、絵画、書蹟、彫刻、陶磁、漆工、染織、金工など幅広いジャンルを含み、現在約7,600件、うち国宝7件、重要文化財93件を擁します。

2026年度はこの節目の年にあたり、毎年恒例の国宝・尾形光琳筆『燕子花図屏風』(18世紀)を中心に据えた特別展を皮切りに、古美術入門から焼き物、舞楽装束、彫る漆、仏像コレクションと、6つの個性豊かな展覧会が予定されています。以下では各展覧会の概要、同時開催の小企画や出品例、休館情報、施設・利用案内を網羅的に整理します。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 2

2026年度の展覧会スケジュールと注目の出品

展覧会は特別展と企画展を中心に、展示室ごとの同時開催企画を交えながら年間を通して開催されます。各展覧会ごとに代表的な出品作や寄贈・所蔵情報を明記します。

ここからは開催順に全ての展覧会について、会期、展覧会タイトル、主な出品作品および同時開催展示を具体的に記します。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 3

開館85周年記念特別展「光琳派-国宝『燕子花図』と尾形光琳のフォロワーたち」

会期:2026年4月11日(土)〜5月10日(日)。本展は根津美術館所蔵の国宝「燕子花図屏風」(尾形光琳筆、18世紀)を中心に据え、光琳の影響を受けた作家や弟子の作品群を展観します。

出品例:国宝『燕子花図屏風』尾形光琳筆(日本・江戸時代 18世紀、根津美術館蔵)、『燕子花図屏風』渡辺始興筆(米クリーブランド美術館蔵、江戸時代 18世紀)ほか。渡辺始興、深江芦舟、尾形乾山、立林何帠など光琳派に連なる作家の作がそろいます。同時開催は展示室6で「初夏の茶の湯」です。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 4

企画展「はじめての古美術鑑賞 ー美術の中の文字-」

会期:2026年5月30日(土)〜7月12日(日)。シリーズ第7弾として、絵画や工芸に現れる文字や署名、賛の役割を取り上げ、専門用語を用例とともに平易に解説する趣旨の展示です。

出品例:色絵寿字文独楽形鉢(肥前・日本、江戸時代 17〜18世紀、根津美術館蔵・山本正之氏寄贈)、紅葉流水図(日本・室町時代 14〜15世紀、根津美術館蔵)。同時開催:展示室5「うた、ものがたりと蒔絵」/展示室6「涼一味の茶」です。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 5

全館休館(設備・環境整備)

期間:2026年7月13日(月)〜8月14日(金)。この期間は庭園およびNEZUCAFÉを含む全館が休館となります。展示替えや設備整備に伴う長期休館です。

休館情報は特に注意を要します。各展覧会終了後にも次回展準備のため庭園を含む全館休館があるほか、年末年始の休館(2026年12月26日〜2027年1月4日)もあります。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 6

企画展「焼き物名品紀行 -中国・日本・朝鮮半島-」

会期:2026年8月15日(土)〜10月12日(月・祝)。館蔵にある約2,300件の陶磁コレクションから名品を選び、地域別に中国・日本・朝鮮半島のやきものの魅力を紹介します。

出品例:三彩鍑(中国・唐時代 8世紀、根津美術館蔵)、重要文化財 錆絵染付金彩絵替土器皿(京都 尾形乾山作、日本・江戸時代 18世紀、根津美術館蔵)、粉青掻落牡丹文扁壺(朝鮮半島・朝鮮時代 15世紀、根津美術館蔵・秋山順一氏寄贈)。同時開催:展示室6「名物茶陶」です。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 7

特別展「舞楽装束」

会期:2026年10月24日(土)〜11月23日(月・祝)。外来の楽や舞を取り込みながら独自に発展した日本の舞楽を、装束と絵画の史料からたどる展覧会です。

出品例:舞楽図屏風(久住守景筆、日本・江戸時代 17世紀、根津美術館蔵)、宛帯(紅地龍鳳凰花唐草模様金襴、日本・南北朝時代 貞和3年(1347)銘、遠山記念館蔵)。同時開催:展示室5「白描の美」/展示室6「開炉-冬を迎える-」。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 8

企画展「彫る漆」および年末年始休館

会期:2026年12月5日(土)〜2027年1月17日(日)。ただし、2026年12月26日(土)〜2027年1月4日(月)は年末年始休館となります。本展では彫漆、鎌倉彫、鎗金、填漆、蒟醤など“彫る”ことによる漆工技術の多様な表現を特集します。

出品例:重要文化財『楼閣人物填漆箪笥』(中国・明時代 15世紀、根津美術館蔵)、牡丹堆朱盆(中国・明時代 15世紀、根津美術館蔵)。同時開催:展示室5「根津美術館の古典籍-百万塔陀羅尼から南総里見八犬伝まで-」/展示室6「冬の茶会-ゆく年くる年-」。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 9

企画展「根津美術館の仏像コレクション」

会期:2027年1月30日(土)〜3月28日(日)。根津美術館が有する仏像コレクションから優品を精選し、その質量を紹介する展覧会です。

出品例:菩薩立像(日本・平安時代 12世紀、根津美術館蔵)、不動明王立像(日本・鎌倉時代 13世紀、根津美術館蔵)。同時開催:展示室5「泥絵-幕末明治の都市と名所-」/展示室6「春の茶の湯」。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 10

コレクションの特色と常設・その他展示、施設案内

根津美術館は初代嘉一郎の蒐集方針に基づき、明治以降に流出しがちだった日本の美術品を積極的に収集してきた歴史があり、ガンダーラや中国、国内の木彫など多様な仏教美術、殷時代後期の青銅器などを所蔵しています。エントランスホールから展示室3、地下1階にかけて仏教美術の展示が行われます(展示室3は年1〜2回展示替えあり)。

展示室4には約3,000年前の殷時代後期の青銅器があり、重要文化財『双羊尊』(中国・おそらく湖南省 紀元前13〜紀元前11世紀、根津美術館蔵)など、世界的にも注目されるコレクションが並んでいます。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 11

庭園、NEZUCAFÉ、ミュージアムショップなどの施設

本館に併設された庭園は根津家私邸時代の面影を残す景観で、初夏のカキツバタ(4月下旬〜5月上旬)や秋の紅葉(11月下旬)が知られています。美術鑑賞後の散策が可能です。

NEZUCAFÉは本館同様に隈研吾氏設計による、3方をガラスで囲んだカフェです。ミュージアムショップは所蔵作品をモチーフにしたオリジナルグッズを揃えています。これらの施設の利用には入館料が必要です。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 12

利用案内:開館時間、休館日、入館料、予約、注意事項、アクセス、問い合わせ

開館時間は上記展覧会開催期間中の午前10時〜午後5時です。ただし、2026年5月5日(火)〜10日(日)は午後7時まで開館します。いずれも最終入館は閉館時間の30分前です。

休館日は原則として毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館)です。各展覧会終了後の展示替え期間は庭園を含む全館休館となります。特に2026年7月13日(月)〜8月14日(金)は設備整備のため全館休館、年末年始休館は2026年12月26日(土)〜2027年1月4日(月)です。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 13

入館料・予約・当日券について

入館は原則オンライン日時指定予約制です。料金は以下の通り(2025年11月現在の表示)。

  • 特別展:一般 1,500円、学生 1,200円(障害者手帳提示者及び同伴者1名はそれぞれ1,300円、1,000円)
  • 企画展:一般 1,300円、学生 1,000円(障害者手帳提示者及び同伴者1名は1,100円、800円)
  • 中学生以下は無料
  • 当日券は+100円。ご予約の方を優先して案内するため、当日券購入の方はお待ちいただく場合があります。混雑状況によっては当日券を販売しないことがあります。
  • 予約は当館ホームページ(https://www.nezu-muse.or.jp)で受け付け、クレジットカード決済。1回の予約で申し込める人数は10名まで。
  • 上記入館料で庭園を含む館内すべての展示の観覧が可能です。
【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 14

鑑賞時のお願い、撮影・商業撮影の規定

展示室内での撮影は禁止されています。撮影が可能な場所はエントランスホール、NEZUCAFÉ、庭園内のみで、他のお客様への配慮が求められます。撮影可能な場所でも他のお客様に迷惑となる場合は中止をお願いすることがあります。

敷地内での商業撮影、衣装や機材を持ちこんでの撮影、持ち込み飲食は固く禁止されています。これらの遵守を求める旨の案内が出されています。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 15

住所・アクセス・問い合わせ

住所:〒107‑0062 東京都港区南青山6‑5‑1。最寄りは地下鉄表参道駅(銀座線・半蔵門線・千代田線)。A5出口(階段)より徒歩8分、B4出口(階段とエスカレータ)より徒歩10分、B3出口(エレベータまたはエスカレータ)より徒歩10分です。

お問い合わせ先:根津美術館 広報課:所 , 村岡 TEL:03-3400-2538(直)。取材や掲載画像の申請については、同広報課へ連絡する旨の案内があります。公式ウェブサイトは https://www.nezu-muse.or.jp です。

【東京・南青山 根津美術館】2026年度展覧会スケジュールのお知らせ 画像 16

この記事の要点まとめ

以下の表は、本記事に記載した2026年度の主要展覧会と会期、代表出品、休館情報、基本的な利用案内を整理したものです。展覧会ごとの詳細な出品作品や同時開催の企画、休館日や入館料の条件等は上段本文の記載を参照してください。

項目 内容
開館・記念 1941年開館、2026年で開館85周年
所蔵件数 約7,600件(国宝7件、重要文化財93件を含む)
特別展(春) 2026/4/11〜5/10 「光琳派-国宝『燕子花図』と尾形光琳のフォロワーたち」〈国宝 燕子花図屏風(尾形光琳筆)など〉
企画展(初夏) 2026/5/30〜7/12 「はじめての古美術鑑賞 ー美術の中の文字-」〈色絵寿字文独楽形鉢、紅葉流水図など〉
全館休館(夏) 2026/7/13〜8/14(設備・環境整備のため庭園・NEZUCAFÉ含む全館休館)
企画展(秋) 2026/8/15〜10/12 「焼き物名品紀行 -中国・日本・朝鮮半島-」〈三彩鍑、尾形乾山作の皿、粉青掻落扁壺など〉
特別展(秋後半) 2026/10/24〜11/23 「舞楽装束」〈舞楽図屏風、宛帯など〉
企画展(冬) 2026/12/5〜2027/1/17 「彫る漆」※年末年始休館 2026/12/26〜2027/1/4〈楼閣人物填漆箪笥、牡丹堆朱盆など〉
企画展(翌年初春) 2027/1/30〜3/28 「根津美術館の仏像コレクション」〈菩薩立像、不動明王立像など〉
開館時間 通常 10:00〜17:00(最終入館は閉館30分前)。2026/5/5〜5/10は〜19:00まで。
休館日 原則毎週月曜(祝日の場合は開館し翌火曜休館)、展示替え期間、および上記全館休館・年末年始休館
入館料(目安) 特別展 一般1,500円/学生1,200円、企画展 一般1,300円/学生1,000円。中学生以下無料。障害者手帳提示者と同伴者割引あり。当日券は+100円。
予約 原則オンライン日時指定予約制(公式サイト)、1回10名まで、クレジットカード決済
撮影等の制限 展示室内撮影禁止。エントランスホール・NEZUCAFÉ・庭園は撮影可(他者への配慮必要)。商業撮影・衣装・機材持込・持ち込み飲食は不可。
住所・アクセス 〒107‑0062 東京都港区南青山6‑5‑1。表参道駅 A5出口 徒歩8分、B4/B3出口 徒歩10分。
問い合わせ 根津美術館 広報課:所 , 村岡 TEL:03-3400-2538(直) 公式サイト https://www.nezu-muse.or.jp

上表は展覧会の会期、代表的出品、休館日や利用に関する主要事項を整理したものです。各展覧会の詳細や展示替えの情報、最新の入館料・運営上の注意事項については、公式サイトでの確認や広報課への問い合わせが推奨されます。

参考リンク: