miiveが約15億円調達 福利厚生カード拡大へ

miiveが約15億円調達

開催日:11月5日

miiveが約15億円調達
miiveって何が他と違うの?
Visaプリペイドカードと専用アプリを組み合わせ、全国のVisa加盟店で使える点と企業ごとの付与設定の柔軟性が強み。導入後の月次利用率約90%、継続率99.57%の実績もあります。
今回の資金は何に使うの?
採用と組織の3倍化を目標に人員強化を進め、プロダクト開発と『福利厚生カード』の普及啓蒙に投資。2026年に食事補助やインセンティブ等の新プラン投入を予定しています。

約15億円の資金調達——miiveが描く福利厚生の再定義

福利厚生プラットフォーム「miive(ミーブ)」を開発・提供する株式会社miiveは、シリーズB 1stラウンドにおいて第三者割当増資およびデッドファイナンスを含む総額約15億円の資金調達を実施した。今回のラウンドを受けて累計調達額は24.8億円となる。

リード投資家はDNX Venturesで、合わせてあおぞら企業投資、三井住友銀行、みずほ銀行、北國銀行、十六銀行といった金融機関による融資が含まれる。miiveは本調達をもとに採用・組織強化、プロダクト開発、及び“福利厚生カード”の普及啓蒙に資金を充当する方針を示している。

福利厚生プラットフォームのmiive、約15億円の資金調達を実施。累計調達額は24億円へ 画像 2

調達の基本データ

資金調達の公式な概要は下記の通りである。企業の成長段階と資本構成を示す要点を押さえておくと、miiveの位置づけが明確になる。

  • ラウンド:シリーズB 1st
  • 調達金額:約15億円(今回)/累計24.8億円
  • 調達方法:第三者割当増資/デッドファイナンス
  • 株主(リード):DNX Ventures
  • 金融機関:あおぞら企業投資、三井住友銀行、みずほ銀行、北國銀行、十六銀行

投資および融資の組成は、成長を見据えた設備・人員投資と事業基盤の強化を目的としている点が強調されている。

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サービス設計と現場での利用実績—カードとアプリで“使える”福利厚生へ

miiveはVisaプリペイドカードとスマートフォンアプリを組み合わせたポイント型福利厚生プラットフォームだ。企業側で付与頻度、負担割合、金額などを自由に設定でき、従業員はカード決済を通じてポイントを利用するだけで良いという仕組みを提供している。

従来の福利厚生は使い勝手や公平性の課題、管理者側の人事施策と結びつけにくい点が指摘されてきた。miiveはこれらに対して、全国どこでも利用可能なVisaネットワークと専用アプリで“日常使い”を支援することで、利用の裾野と定着率を押し上げる設計を採用している。

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サービスの具体的な仕組み

miiveの利用フローと管理者側の設定自由度は、導入企業の運用負荷を下げながら従業員の実感を高めることを重視している。

企業側の設定
Visa加盟店であれば福利厚生の利用対象に設定可能。付与方法(定期付与・スポット付与等)、負担割合、金額、利用ルールを柔軟にカスタマイズできる。
従業員側の操作
スマートフォンアプリで支給されたポイント残高や対象店舗を確認し、専用のVisaプリペイドカードで決済するだけで利用が完了する。申請や事務手続きの負担を減らす設計。

この構造により拠点間や世代間での不公平感を抑え、従業員一人ひとりに届く福利厚生の提供を目指している。

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導入実績と評価指標—高い利用率と顧客満足が示すPMF

miiveは2022年のサービス開始以降、幅広い規模・業種の企業に採用されており、2025年時点で330社以上が導入していると報告されている。導入企業における従業員の月次利用率は約90%と極めて高く、導入後の月次継続率は99.57%に達する。

口コミサイト「ITreview」では福利厚生カテゴリーで満足度ランキング1位を6期連続で獲得し、さらに「ITreview Best Software in Japan 2025」のTop100にも選出されている。これらの外部評価は、サービスの市場適合性と運用上の有効性を支持するものだ。

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事例とユーザー調査の数値

具体的な導入事例として、レオパレス21では全国で約4,000名の従業員を対象に導入し、月次利用率90%を実現した事例が紹介されている。また、ゲーム会社コロプラの全社導入事例も公開され、社内方針に沿った制度設計の実例が示されている。

ユーザー満足度調査(Sean Ellis Test)では、2025年9月に7,768名の回答を得て、miiveが使えなくなることを残念と感じるユーザーは約88%に上るという結果が出ている。Sean Ellis Testの基準(40%以上が『とても残念』)を大きく上回る数値で、プロダクトマーケットフィット(PMF)の強い示唆となっている。

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資金使途、組織拡大、製品ラインナップの発表

miiveは今回の調達資金を、主に採用・組織づくり、プロダクト開発、並びに「福利厚生カード」ソリューションの普及啓蒙に充てる計画を公表した。組織面では1年間で3倍の規模拡大を目標としている。

また新たにビジョンとして「働く意味で、世界を満たす」を策定。ビジョンの下で開発と販売を進め、サービスの社会実装を加速させる意向を示している。

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新製品ラインナップ(スケジュール付き)

既存の「Standard」プランに加え、より導入しやすい「Liteプラン」を含む製品ラインナップの見直しを行うことが発表された。具体的なリリーススケジュールは下記の通りである。

  1. 2026年1月:第一弾として「miive 食事補助」をリリース予定
  2. 2026年4月:「miive インセンティブ」「miive 社割」をリリース予定

これにより、通常プランだけでなく企業ニーズに応じて選択肢が増え、導入検討のハードルが下がる設計となる見込みだ。

採用強化と説明会

miiveは全職種で採用を強化しており、採用ページおよび会社説明資料が公開されている。関心のある人材に向けたオンライン会社説明会を開催する予定で、CEO栗田氏とCOO鈴木氏が登壇する。

  • オンライン会社説明会:日時 11/25(火)12:00〜13:00
  • 採用ページ:https://hrmos.co/pages/miive
  • 会社説明資料:https://speakerdeck.com/miive/miivehui-she-shuo-ming-zi-liao

説明会では事業戦略、プロダクト・組織の現在地、資金調達の舞台裏などが共有される予定である。

主要ポイントの整理(表形式)

以下に、本記事で触れた主要な事実を表にまとめる。資金調達の概要、導入実績、製品リリース予定、採用・組織方針などを一目で確認できる構成とした。

項目 内容
会社名 株式会社miive
代表者 代表取締役CEO 栗田 廉
本社所在地 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿 16F
設立 2020年7月2日
事業内容 Visaカードとアプリを活用したポイント型福利厚生プラットフォーム「miive」の開発・運営
今回のラウンド シリーズB 1st(第三者割当増資/デッドファイナンス)
調達金額 約15億円(今回)、累計24.8億円
リード投資家 DNX Ventures
金融機関(融資先) あおぞら企業投資、三井住友銀行、みずほ銀行、北國銀行、十六銀行
導入企業数 330社以上
従業員月次利用率 約90%
導入企業の月次継続率 99.57%
ユーザー満足度調査(Sean Ellis Test) 回答者7,768名中、約88%がmiiveが使えなくなることを残念と回答
新ビジョン 「働く意味で、世界を満たす」
組織拡大目標 1年間で組織規模を3倍に拡大
新製品ラインナップ(予定) 2026年1月:miive 食事補助、2026年4月:miive インセンティブ、miive 社割
採用・説明会 全職種で採用強化。オンライン会社説明会 11/25(火)12:00〜13:00
公式サイト https://miive.jp/

以上が本件の要点である。miiveは既存の福利厚生制度が抱える運用上の課題に対して、カードとアプリを組み合わせた設計で高い利用率と定着率を示している。今回の資金調達を受けて、組織・プロダクトの強化と新ラインナップの投入を通じ、企業の人的投資に対する実務的な選択肢を拡げる動きを進める。

参考リンク: