アニコム損保×ソニー損保が共同で「どうぶつ健保」販売

アニコム損保とソニー損保が共同で販売開始したペット保険の全体像

2025年11月4日15時16分付で発表されたリリースによれば、アニコム損害保険株式会社（代表取締役：野田真吾、本社：東京都新宿区、以下「アニコム損保」）とソニー損害保険株式会社（代表取締役社長：坪田博行、本社：東京都大田区、以下「ソニー損保」）は、2025年11月4日より共同でペット保険の販売を開始しました。両社はそれぞれの強みを持ち寄り、ペットと飼い主の日常的な安心を支える商品を提供するとしています。

発表はアニコムグループ名義で行われ、リリース本文では共同販売の意義、背景、商品仕様、付帯サービス、販売体制や今後の取り組みなどが詳細に説明されています。以下では、プレスリリースの全内容を漏れなく整理し、読者にとってわかりやすくまとめます。

なぜ共同販売に至ったのか：背景と目的

リリースはまず社会的背景と目的を説明しています。少子高齢化や単身世帯増加に伴う孤立・孤独化が社会課題となる中、人々にとって家族の一員であるペットの存在意義が高まっている点が挙げられています。こうした状況に対応するため、飼い主とペットの安心・安全につながるソリューションの提供が求められていると指摘しています。

ペット保険の普及率は着実に上昇しており、日本国内の普及率は約21％とされ（※1）、さらなる市場拡大が見込まれます。これを踏まえ、アニコム損保（ペット保険最大手としての知見と動物病院等とのネットワーク）とソニー損保（ダイレクト型保険のノウハウ）とが協業する形で、商品開発と販売を行う基本合意を経て共同販売に至った経緯が説明されています（※2）。

出典・参照

リリース内で参照された出典は次の通りです。統計や以前の業務提携に関する情報は公表資料に基づいて算出・提示されています。

• ※1 一般社団法人ペットフード協会「令和6年（2024年）全国犬猫飼育実態調査」、（株）富士経済発行「2025年ペット関連市場マーケティング総覧」より算出
• ※2 2024年6月21日付ニュースリリース『アニコム損保とソニー損保　ペット保険商品の共同開発に向け業務提携契約を締結』（参照URL：https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2024/20240621/）

商品「どうぶつ健保」の仕様と販売方法

共同で提供される商品はソニー損保のペット保険「どうぶつ健保」です。販売開始日は2025年11月4日で、補償開始日は申込手続きが完了した日の1か月後となる点に注意が必要です。なお、本商品はインターネット専用商品として提供され、見積り・申込みはソニー損保の専用ページで行います。

見積り・申込みページのURLはリリースに記載されています（https://www.sonysonpo.co.jp/pet/pet_sim/）。インターネット専用の商品設計により、申し込みや契約内容の変更手続きは24時間いつでも行える利便性が打ち出されています。ただし、契約内容の変更の一部は書面での手続きや継続時の手続きになる場合があることに留意が必要です（※4）。

基本的な商品情報

以下はリリースに示された商品情報の主要項目です。販売形態、対象、年齢制限、保険期間、支払方法といった基本仕様が明確に提示されています。

補償内容と付帯サービスの詳細

本商品の補償はケガ・病気に関する通院・入院・手術をトータルでカバーします。契約プランは診療費の70％を補償する「70％プラン」と50％を補償する「50％プラン」の2種類から選択できます。補償の支払いは、被保険者が診療費を負担した場合に、補償対象となる診療費に対して所定の支払割合を乗じた金額を支払う形です。

年間の最大補償額は業界最高水準であると記載されています（※3）。ここでの「年間最大補償額」は、通院・入院・手術に支払われる年間上限保険金額の合計を指し、同条件（支払割合70％プラン）の比較によるソニー損保内部調査（2025年10月27日）に基づく表現です。

窓口精算と請求手続き

加入者にはペットの写真入りのオリジナル「どうぶつ健康保険証」が発行されます。ソニー損保の「どうぶつ健保」対応病院においてこの保険証を提示すると、病院窓口で保険を使った精算が可能となり、保険金の請求手続きが不要になります。なお、ソニー損保の対応病院はアニコム損保の対応動物病院とは異なります。

窓口精算が利用できない場合や窓口以外で保険金請求を行う場合には、専用ウェブサイトから請求が可能です。窓口精算の利用可否については、受診先の病院が「どうぶつ健保」対応であるかどうかを事前に確認する必要があります。

付帯サービスと保険料割引

本商品にはアニコムグループの研究データや提携ネットワークを活用した付帯サービスが用意されています。具体的には、保険期間中に1回無料で受けられる腸内フローラ測定や、結果に応じて所定の動物病院での血液検査（健康診断）が無料となるサービス「どうぶつ健活」、約150名の獣医師やドッグトレーナー等がLINEで相談に応じる「どうぶつホットライン」、迷子時に専門のペット探偵が出動する迷子捜索サービス（3日間の捜索料金と出張料が無料※7）などが含まれます。

保険料割引制度として、ソニー損保で自動車保険、火災保険または医療保険をすでに契約している同一契約者が、ソニー損保のウェブサイト「ご契約者ページ（マイページ）」から申込みを行った場合、新規契約保険料を1,000円割引（年払）または月払の場合は1回分あたり90円割引する「マイページ新規申込割引」が適用されます。ただし、ペット保険専用マイページからの申し込みは本割引の対象外である点や、火災保険は2018年11月11日以降始期の契約に限るなどの条件があります（※5, ※6）。

共同保険の体制と業務分担、今後の位置づけ

本商品は共同保険商品であり、ソニー損保が幹事保険会社（所謂幹事社）となり、アニコム損保が非幹事保険会社として参加しています。販売窓口や商品案内はソニー損保が担当し、契約の保全や保険金支払いに関する業務・事務はアニコム損保が業務代理・事務代行会社として行う体制が取られます。

この共同体制により、ソニー損保のダイレクト販売ノウハウとアニコム損保の動物病院ネットワークおよびペット領域の知見が連携され、保険商品の普及とサービス提供の効率化を図る狙いが示されています。リリースはまた、両社の経営理念やビジョンを掲げ、商品提供を通じた社会貢献の意向を明記しています。

ソニー損保の主な役割

幹事保険会社として商品案内や販売窓口を担当。

アニコム損保の主な役割

非幹事保険会社として契約保全、保険金支払い等の業務代理・事務代行を担当。

両社は引き続き共同で保険商品・ソリューションの開発・提供に取り組み、ペットを取り巻く社会課題の解決や人とペットが共生する社会の実現に貢献するとしています。アニコム損保の経営理念（ani＋communication＝∞）やソニー損保のビジョン（価値ある「違い」で安心と感動を）に基づく中長期的な協業の姿勢が明示されています。

まとめ（要点一覧）

以下の表に、本リリースで示された主要事項を整理します。販売条件、補償内容、付帯サービス、共同保険の体制などを一目で確認できます。

以上が発表内容の全体的な整理です。発表文には商品設計の細かな条件や各種注記、参照元が明記されています。加入を検討する際は、補償の開始時期や適用条件、対応病院の範囲、割引適用条件（※5・※6）および付帯サービスの適用範囲（※7）などを確認のうえ、見積りページで具体的な保険料と契約条件を確認することが必要です。