11月3日発売 和と韓をつなぐ本革ブーツ+Z / Panchoppari
ベストカレンダー編集部
2025年11月2日 09:48
Panchoppari一般発売
開催日:11月3日
和と朝鮮半島の伝統を一足に:+Z / Panchoppari のコンセプトと公開日
京都・西陣の製靴工房「吉靴房」と、アートコレクティブ「HUMAN AWESOME ERROR(ヒューマンオウサムエラー)」が共同で開発した履物シリーズ、+Z / Panchoppariが、2025年11月3日(文化の日)に一般販売向けに公開されます。本発表はヒューマンオウサムエラー 合同会社より2025年11月2日 08時00分にアナウンスされました。
この作品は「和服にも韓服にも合わせることができる本革のブーツ」を目指して設計されており、日韓双方に根差した美意識と技術を融合させた点が特徴です。制作の背景には、日本と在日コリアンの間に生まれる複雑な感覚をつぶさに観察し、曖昧さを肯定的に捉えるという意図があります。
デザイン名と受賞歴
本作の正式名称は+Z / Panchoppariで、2023年に韓国ソウルで行われた国際賞「K DESIGN AWARD」を受賞しています。受賞は、国際的なデザイン評価を得たことを示すものであり、日韓双方の伝統を参照しつつ現代の履物へと翻案したデザイン性が評価されました。
一般販売の情報や製品ページは以下のURLで確認できます。公開と同時にオンラインストアからの注文が可能です。
かたちと構造の詳細:足袋・チプシンから生まれた造形と機能
+Z / Panchoppariは、中心に足袋から着想を得たプリーツを配した革のパターンが印象的です。このプリーツは見た目のアクセントに留まらず、足の動きに合わせたフィット感を創出する意図で設計されています。
さらに、朝鮮半島の伝統的な草鞋であるチプシンを模したスリット状のアクセントが外観に重ねられており、和装・韓服どちらにも違和感なく寄り添う佇まいを実現しています。デザイン要素は装飾にとどまらず、構造的な役割を持たせることで機能性と美しさを両立させています。
素材と革の扱い
素材は本革を用い、特に製作者側では基本素材としてヌメ革を採用しています。ヌメ革は使い込むことで経年変化が現れ、履き手ごとに唯一無二の表情を帯びる素材です。
吉靴房の技術により、革底からシームレスに革紐を取り回す設計が採用されています。縦型のスリット部分は端にノットを作り、単なる装飾ではなく、足袋のシルエットを足の動きに合わせて支える構造的機能を果たしています。
- 主なデザイン要素
- 中央のプリーツ(足袋由来)、チプシンを模したスリット、革底と革紐の一体化、ノットによる機能的装飾
- 素材
- ヌメ革を基本素材とした本革仕様
- 機能
- 装飾と構造を兼ねたスリット、足の動きに合わせたサポート設計
制作工程、発注から納品までの流れと購入に際しての注意点
吉靴房の制作プロセスは、伝統的な手仕事を重視し、デザイン、設計、裁断、製甲、釣り込み、底付け、仕上げといった全ての工程を手作業で行っています。これにより一足ごとに細やかな調整と品質管理が可能となります。
製作は受注生産を基本とし、発注から完成まで概ね約6ヶ月を要します。これは手作業での製作工程と、オーダーに応じたフィッティング調整期間を含むためです。
サイズ計測とフィッティングの推奨
お客様の足にぴったり合わせるために、3Dデータの送付またはアトリエでの足の計測が推奨されています。既製靴とは異なるオーダープロセスを踏むことで、履き心地と見た目の双方を最適化します。
試作段階では繰り返しの検証が行われ、細部のシルエットに至るまで型紙を詰めてきたとの説明があります。注文時には計測方法やデータ送付の手順について確認することが望まれます。
- 発注から完成まで:およそ6ヶ月
- 推奨フィッティング方法:3Dデータ送付、またはアトリエでの足計測
- 製作工程:全行程を手作業で実施(デザイン〜仕上げまで)
受賞歴と販売形態
2023年にソウルで開催された国際デザイン賞「K DESIGN AWARD」を受賞しており、デザインの国際的評価を得ています。受賞歴は製品の意匠的価値を示す要素の一つとして位置づけられます。
2025年11月3日より一般販売を開始し、オンラインストアでの購入が可能です。公開時点の販売ページはヒューマンオウサムエラーのオンラインストアに掲載されています。
制作主体と社会的背景:生まれる感覚と制作者情報
デザインは日本と在日コリアンの間に生まれた感覚から発しており、「どちらの感覚も持っていながらどちらでもない」複雑さを言葉で断定せずに受け入れる姿勢がデザインの根底にあります。多民族的なルーツを持つ個人の複雑な気持ちに寄り添う履物としての存在意義が意図されています。
また、日本の移民政策は限定的である一方で中長期の定住者は増加しており、2025年6月時点での在留外国人数は395万人(法務省出入国管理局ホームページより)と過去最高を記録しています。こうした社会的変化の文脈が、本作の背景理解を深める要素となります。
吉靴房について
吉靴房(きっかぼう)は製靴家・野島孝介が主宰する京都西陣のアトリエ兼ショップです。伝統文化の延長線上にある「日本の革靴」を現代の生活へと翻案することを目的に制作を行っています。
剣道を20年以上専門的に続けてきた経験を背景に、畳に素足が触れた時の開放感を靴でも再現することを目指すなど、独自の理論と技術で一足一足を手づくりしています。
- 吉靴房(Kikkabou)所在地・連絡
- 〒602-8406 京都府上京区大宮通寺之内下ル花開院町111-2
- 電話:075-414-0121 / FAX:075-414-0121
- 営業時間:金曜日・月曜日 10時~16時、土曜日・日曜日 14時~17時
- Web:https://kikkabo.info/
HUMAN AWESOME ERRORについて
HUMAN AWESOME ERROR(ヒューマンオウサムエラー)はアーティスト、エンジニア、研究者、工芸家らと共に社会の仕組みに生じる「エラー」を素材として世界を再解釈するアートコレクティブです。プロジェクトを通じて新たな視点やヒントを提示する活動を行っています。
連絡先とWeb情報は以下の通りです。
- E-mail:management@hae.tokyo
- Web:https://hae.tokyo/
- Instagram:https://www.instagram.com/humanawesomeerror/
要点の整理
以下の表に、本記事で取り上げた+Z / Panchoppariに関する主要な情報を整理します。発表日、公開日、製作情報、受賞歴、デザインの特徴、制作者の連絡先など、購入や関心を持った際に参照しやすい項目をまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | +Z / Panchoppari |
| 公開・販売開始 | 2025年11月3日(文化の日) 一般販売向けに公開 |
| プレスリリース日時 | 2025年11月2日 08時00分(ヒューマンオウサムエラー 合同会社発表) |
| デザインの特徴 | 中央の足袋由来プリーツ、チプシンを模したスリット、革底から取り回す革紐とノットによる構造的サポート |
| 素材 | 本革(基本素材:ヌメ革) |
| 制作方法 | 吉靴房による手作業での一貫製作(デザイン〜仕上げまで手作業) |
| 製作期間 | 発注から完成まで約6ヶ月 |
| フィッティング推奨 | 3Dデータ送付またはアトリエでの足計測 |
| 受賞歴 | K DESIGN AWARD(韓国ソウル、2023年)受賞 |
| 購入ページ | https://humanawesomeerror.stores.jp/items/64ccdf6c7beeeb0036359e1f |
| 吉靴房 所在・連絡 | 〒602-8406 京都府上京区大宮通寺之内下ル花開院町111-2 / 電話:075-414-0121 / Web:https://kikkabo.info/ |
| HUMAN AWESOME ERROR | E-mail:management@hae.tokyo / Web:https://hae.tokyo/ / Instagram:https://www.instagram.com/humanawesomeerror/ |
| 社会的背景 | 在留外国人数は2025年6月時点で395万人(法務省出入国管理局データ) |
以上が+Z / Panchoppariに関する全体の整理です。本稿は発表資料に基づいて構成しており、製品の設計理念、素材・構造、制作方法、受賞歴、購入・連絡先などの情報を網羅的にまとめました。購入や製作に関する具体的な手続きや計測方法、納期の相談は吉靴房またはHUMAN AWESOME ERRORまでお問い合わせください。
参考リンク: