ワタミ、定年65歳へ 11月1日施行 再雇用は75歳に
ベストカレンダー編集部
2025年10月30日 17:47
ワタミ、定年65歳へ
開催日:11月1日
ワタミ、定年を60歳から65歳に引き上げ——施行日は2025年11月1日
ワタミ株式会社は2025年10月30日14時36分付の発表で、従業員の定年年齢を現行の60歳から65歳へ引き上げると公表しました。制度改定の施行日は2025年11月1日です。同社は併せて再雇用制度を拡充し、従来の70歳から75歳まで延長することも発表しました。
本件は、ワタミが掲げる経営理念「社員の幸せ」を背景に、より長く安心して働ける体制を整備する一連の施策の一部として位置づけられています。発表においては、社員それぞれが長期的なキャリアを描き、経験を次世代に継承することを重視する狙いが示されています。
- 発表日時:2025年10月30日 14時36分
- 制度改定日:2025年11月1日
- 定年:60歳 → 65歳に引き上げ
- 再雇用制度:70歳まで → 75歳までに延長
背景と目的:経済環境とシニア雇用の両面からの判断
ワタミは創業以来、経営理念の第一に「社員の幸せ」を掲げており、今回の定年延長はその理念に基づく施策と説明されています。発表文では、社員が「幸せに働き、幸せに暮らす」ための環境整備を目的とすると明記されています。
制度変更の背景としては、近年続く円安や物価上昇による生活費の増加、年金の実質的な減少が挙げられています。こうした経済的な負担が高齢社員の生活安定に影響を与える可能性を鑑み、定年延長や再雇用期間の拡充を通じて収入確保や生活の安心を支える狙いが示されています。
- 経済的要因
- 円安と物価上昇による生活コストの上昇、年金の実質的な低下への対応。
- 社会的要因
- 日本社会の高齢化に伴うシニア人材の活用と知識継承の必要性。
- 企業理念
- 「社員の幸せ」を掲げる方針に基づく長期的な雇用環境の整備。
制度の具体的な内容と運用方針
発表によれば、定年延長と再雇用期間の延長は2025年11月1日より適用されます。制度の主な変更点は、定年が65歳に引き上げられることと、再雇用制度が75歳までに延長されることです。これにより、勤続年数が長い社員に対して継続的な雇用機会を提供します。
また、ワタミでは勤続10年・20年・30年の節目を創業記念祭で表彰し、感謝の意を示す取り組みを継続している点にも触れられています。表彰制度と合わせてキャリアの節目を評価することで、長期勤続を支える企業文化の維持を図ります。
| 制度項目 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 定年年齢 | 60歳 | 65歳 |
| 再雇用制度 | 70歳まで | 75歳まで |
| 施行日 | - | 2025年11月1日 |
運用にあたっての考え方
ワタミは多様な人材を尊重し、社員が自律的なキャリアを描ける環境整備を重視すると表明しています。年齢だけで雇用関係を区切るのではなく、健康や意欲、能力に応じた働き方を支援していく方針です。
経験豊富なシニア社員の知識や技術を次世代に継承するための仕組みづくりにも取り組むとされ、単なる年齢延長にとどまらない運用が想定されています。
影響とポイント:社員・職場・地域に及ぶ波及効果
定年延長と再雇用制度の延長は個々の社員の生活設計に直接影響を与えるだけでなく、職場の人材構成や若手社員との世代間連携、さらには地域経済にも一定の影響を与えます。高齢者の就労機会を拡大することで、現役世代の技能継承や職場の安定化が図られる一方で、人員計画やポジションの調整が求められる場面も想定されます。
一方で、企業側の期待としては、定年延長により得られる長年の知見やノウハウを活かし、サービス品質の維持・向上や新人育成の強化につなげることが挙げられます。ワタミとしては、心身ともに健康で長く活躍できる企業風土の実現を目指すと明記しています。
- 社員生活の安定化と収入確保
- 経験継承によるサービス品質の維持
- 人材配置や昇進・採用計画の見直しが必要になる可能性
- 地域・業界全体での高年齢就労モデルへの影響
ワタミの会社概要と発表内容の要点まとめ
以下の表は、本記事で取り上げたワタミの制度改定に関する主要情報と併せて、会社の基本情報を整理したものです。施行日や年齢の変更など、記事内で触れた数値や日付を網羅しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日時 | 2025年10月30日 14時36分 |
| 制度改定日 | 2025年11月1日 |
| 定年(改定前) | 60歳 |
| 定年(改定後) | 65歳 |
| 再雇用制度(改定前) | 70歳まで |
| 再雇用制度(改定後) | 75歳まで |
| 会社名 | ワタミ株式会社 |
| 代表者 | 代表取締役会長 兼 社長 CEO 渡邉 美樹 |
| 所在地 | 東京都大田区羽田 1-1-3 |
| 設立 | 1986年5月 |
| 事業内容 | 国内外食事業、海外事業、宅食事業、農業、環境事業、人材サービス事業 |
| ホームページ | http://www.watami.co.jp |
報道発表の内容は以上のとおりで、ワタミは多様な人材を尊重し、社員が自律的なキャリアを描ける環境を整備することで、全社員が心身ともに健康で長く活躍できる企業風土の実現を目指すとしています。勤続節目の表彰や再雇用制度の拡充といった具体的な施策を通じて、長期的な雇用維持と知識の継承を図る方針が示されています。