11/29開幕 サンゲツ×we+「壁を装う展」の見どころ
ベストカレンダー編集部
2025年10月28日 17:30
壁を装う展
開催期間:11月29日〜12月5日
壁装材を「素材と文化」で読み解く──東京で開催される企画展の全貌
株式会社サンゲツは、コンテンポラリーデザインスタジオ・we+と共同でリサーチプロジェクト『壁を装う展 – Wall Covering and Beyond』を開催します。本展は、壁紙を単なる内装材料としてではなく、素材・技術・美意識が交差する文化的遺産として再解釈することを目的としています。
プレスリリースは2025年10月28日14時10分に配信され、公式情報は以下のURLで公開されています。詳細な開催情報や背景は主催者の告知ページに掲載されています:
https://www.sangetsu.co.jp/information/detail/20251027134832.html
展示の構成と見どころ
本展は、サンゲツの豊富なアーカイブを起点に、壁紙の製造工程や素材名を手がかりに体系化された展示構成をとっています。会場は21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で、来場は無料です。
以下では、会場の4つの主要構成を順に紹介します。各セクションは展示物の実物や図解、アーカイブ資料を組み合わせて〈壁を装う〉文化の諸相を可視化します。
1. イントロダクション:素材・構造を通した壁紙の特徴紹介
イントロダクションでは、壁紙が日本で広く普及するに至った素材や構造に焦点を当て、実際の製造工程ごとの実物展示を通して壁紙の特性を示します。製造プロセスに伴う物理的・視覚的な差異や、仕上がりに影響する要素が具体的に解説されます。
このセクションでは、来場者が触れて確認できる実物サンプルを用意し、表面の質感、裏打ち材、接着・施工方法などの違いを体感できるよう構成されています。壁紙普及の歴史的背景に関する簡潔な解説も含まれます。
2. 素材からみる壁紙系統図:プリミティブな素材が起点
サンゲツのアーカイブ数万点を紐解くと、壁紙のインスピレーションは〈石・土・木・紙・織〉などのプリミティブな素材に根ざしていることが浮かび上がります。本セクションでは、この「素材」という視点から壁紙を系統的に分類し、マインドマップ形式でその変遷を可視化します。
展示は、素材ごとに分類された見本や図解、系統図によって構成され、素材がデザイン表現や技術革新に与えた影響を読み解けるようになっています。素材の選択が時代ごとの住宅様式や気候、海外文化との交流にどう反映されたかをたどります。
3. これからの壁紙:素材発想から拓く可能性
素材を起点に進化してきた壁紙は、今後どのような方向へ展開しうるのかを提示するコーナーです。ここでは既存の素材と技術の組み合わせ、サステナビリティや新素材・新技法の示唆など、未来像への示唆を具体的に示します。
未来セクションは概念展示だけでなく、試作サンプルやプロトタイプ、研究的な断片を通して来場者に素材と技術の可能性を提示し、実務・デザイン双方の視点から議論を促します。
4. 日本独自の壁紙見本帳:見本帳アーカイブと選ぶ楽しさ
1960年にサンゲツが初めて発行した壁紙の見本帳から現代までのアーカイブを系図とともに展示するエリアです。見本帳は、ニーズや技術の多様化に合わせて常に進化してきた足跡を物語ります。
本部門では、過去の見本帳を並べることで〈選ぶ行為〉の変遷を体感できる構成となっています。見本帳の紙質、レイアウト、色見本の提示方法といった細部に注目することで、時代ごとの消費文化や流通の変化も読み取れる内容です。
主催者とリサーチパートナーの役割・プロフィール
主催・企画はサンゲツ、ディレクション・プランニング・リサーチおよび空間デザインにwe+が関与しています。両者の協働により、実務的なアーカイブ提供と研究的な視点が組み合わさった展示になっています。
以下は関係者プロフィールとプロジェクトにおける役割の一覧です。プロジェクトの構成や制作体制を確認できます。
- 主催・企画
- サンゲツ(株式会社サンゲツ)
- ディレクション・プランニング・リサーチ/空間デザイン
- サンゲツ、we+(メンバー:安藤 北斗、林 登志也、関口 愛理、猪上 気広)
- グラフィックデザイン
- STUDIO TATSURO SHOJI / 庄司 竜郎
- 撮影
- digni photography / 平松 岳大、BOUILLON INC. / 井上 昌明
- 施工
- 椿や
サンゲツについて
サンゲツは1849年創業のインテリア総合企業で、壁装材、床材、ファブリックの開発・販売だけでなく、空間デザイン、設計、施工まで手がけています。約180年にわたる歴史の中で、日本の空間づくりに関わってきました。
企業は2030年の企業像を『スペースクリエーション企業』と位置づけ、商品・デザイン・物流・施工を組み合わせたソリューション提供を目指しています。企業理念は「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」です。
we+について
we+は2013年に林 登志也と安藤 北斗が設立したコンテンポラリーデザインスタジオで、リサーチと実験に基づく手法を特徴とします。自然や社会環境と共存するオルタナティブなデザインを探求しています。
受賞歴にはFRAME Awards 2024のDesigner of the Yearをはじめ、Wallpaper* Design Awards、Dezeen Awards、EDIDAなどがあり、作品はVitra Design Museumなどに収蔵されています。
開催情報と関連リソース
本展の開催概要、入場方法、会場所在地、スケジュールなどの情報を以下に整理します。入場は無料で、会期中無休です。
また、サンゲツが主催する『サンゲツデザインアワード』についての情報も掲載します。本アワードは2017年に壁紙デザインアワードとして開始され、2023年から対象を拡大して継続しています。
- タイトル:壁を装う展 – Wall Covering and Beyond
- 会期:2025年11月29日(土)〜 2025年12月5日(金)
- 時間:10:00 – 19:00(会期中無休)
- 会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
- 入場料:無料
- 公式WEB:https://www.sangetsu.co.jp/information/detail/20251027134832.html
- 企業サイト:https://www.sangetsu.co.jp
サンゲツデザインアワードについては、2017年に壁紙デザインアワードとして始まり、2023年からは壁面デザイン全般を対象にリニューアルしています。第9回目となる本年(2025年)も開催され、作品募集は2025年10月14日(火)より開始されています。詳細はサンゲツの情報ページで告知されています。
展示要点の整理
最後に、本展で提供される主要情報を表形式で整理します。これにより会期、会場、主催、出展構成などの要点を一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会タイトル | 壁を装う展 – Wall Covering and Beyond |
| 主催・企画 | 株式会社サンゲツ |
| 協力(ディレクション等) | we+(安藤 北斗、林 登志也、関口 愛理、猪上 気広) |
| 会期 | 2025年11月29日(土)〜 2025年12月5日(金) 10:00-19:00(会期中無休) |
| 会場 | 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン) |
| 入場料 | 無料 |
| 会場構成 | 1.イントロダクション/2.素材からみる壁紙系統図/3.これからの壁紙/4.日本独自の壁紙見本帳 |
| 関係者クレジット | グラフィック:STUDIO TATSURO SHOJI(庄司 竜郎)/撮影:digni photography(平松 岳大)、BOUILLON INC.(井上 昌明)/施工:椿や |
| プレス発表日 | 2025年10月28日 14:10 |
| 参考リンク | 展覧会情報/サンゲツ公式サイト |
本稿では、サンゲツとwe+による本展示の趣旨、会期・会場、展示構成、主要な関係者や関連プロジェクトの情報を整理して紹介しました。素材を手がかりに壁装材の文化を再解釈し、過去のアーカイブと未来への示唆を併せて提示するという、リサーチに基づく企画である点が特徴です。
参考リンク: