伊藤桂司、黄緑の大地を描く個展が渋谷で開催
ベストカレンダー編集部
2025年10月25日 18:59
楽しくなってきた展
開催期間:10月25日〜11月23日
伊藤桂司の新作群が描く“黄緑の大地” — 『楽しくなってきた It’s Getting Fun!』開催
HARUKAITO by ISLAND にて、伊藤桂司の個展「楽しくなってきた It’s Getting Fun!」が開催されます。本展は2025年10月25日(土)から11月23日(日)までの会期で、会場は東京都渋谷区神宮前のBLOCK HOUSE 2Fにある展示空間です。開催情報は企画・主催のisland JAPANおよび会場情報により公表されています。
プレスリリースの発行はアイランドジャパン株式会社、発表日時は2025年10月25日 16時52分、クレジット表記は ©️ KEIJI ITO と明記されています。テキストは鈴木沓子が担当しています。
会期・開場時間などの基本情報
展覧会の会期は2025年10月25日から11月23日まで。会場の開館時間は木曜から日曜の13:00〜19:00です。初日にはオープニングレセプションが同日18:00〜20:00に予定されています。
会場の所在地・問い合わせ先は以下の通りです。所在地は 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F(英語表記: 6-12-9-2F BLOCK HOUSE Jingumae Shibuya-ku, Tokyo 150-0001 JAPAN)。問い合わせ・情報はisland JAPAN(www.islandjapan.com / info@islandjapan.com)および会場のウェブサイト www.blockhouse.jp を参照してください。関連リンクとして展示案内ページ http://islandjapan.com/exhibition/1424/ が示されています。
作品世界の構成 — 黄緑の大地とシュルレアリスム的響き
本展で発表されるのは、伊藤が近年取り組んでいるペインティングシリーズの新作群です。満天の星空の下に広がる黄緑色の大地が象徴的に描かれ、視覚的に強い印象を残します。伊藤自身はこのシリーズの成立背景について、都市生活における「緑への欲求」やパースペクティブの遮断による息苦しさといった感覚が影響している可能性を指摘しています。
彼は次のように述べています。「都市生活のなかで感じる緑に対する欲求や、パースペクティブが遮断されている息苦しさから生まれた反動によるものかもしれない。とりわけこの数年の流行り病による閉塞感は、気持ちよく広がる緑の空間への渇望を促進させたように思う。」この言葉は、近年の社会的状況が作家の表現に直接的な影響を与えていることを示しています。
イメージの構築手法と主題
新作群は、作家が旅先で訪れた山道や自身が撮影した風景、蒐集してきた置物や雑誌の切り抜きを素材として構成されています。日常の断片がコラージュ的に重ね合わされ、奇妙な動植物や多様なキャラクターが画面で邂逅することで、自然と人工、現実と非現実、無機物と有機物の境界が曖昧に撹拌されます。
黄緑の大地は、グリーンバックを想起させる無機質な平面性を帯びつつ、シュミラークル(模像)としての世界を否定も肯定もせずに受容する視線が存在します。こうした表現は、ウォーホル的な大量生産や“スーパーフラット”のシニシズムと異なり、記号化された現実を再生し直す意図を伴う視覚的冒険として位置づけられます。
関連作品と作家の言説 — 伝統と現代の接点
本展では新作ペインティングに加えて、1990年代〜2000年代のペインティングやコラージュ作品、さらに近年のアルバムジャケットを模したシリーズ「SOUNDLESS SLEEVE」も併せて展示されます。これにより、近作がどのような系譜に連なっているのかを時系列的に確認することが可能です。
伊藤は幼少期からの世界認識についても言及しており、「幼少期から、死後の世界を思うときは、恐怖よりも興味が勝っていた。そのイメージは、得体のしれないものとして“夜”や“宇宙”を想起させた」との言葉を残しています。こうした個人的なイメージは、作品の夢うつつの輪郭を形作っています。
批評的視点と参照文献
批評家・椹木野衣は伊藤の絵画について次のように評しました。「永遠に失われてしまったこの純粋な想像力の王国が、彼の絵の中に描かれた得体の知れない“異国”としてあらわれているのではないだろうか。もうけっしてわたしたちの誰もそこにはたどりつくことのできない“異国”として。」この言葉は作品集『LANDSCAPE AND FLOWERS』(1996)に所収された評言であり、作家の想像力と画面上の異界性を読み解く手がかりとなります。
同時に、作家の表現は国内外の展覧会での発表歴と結びついており、初期のデビューは1980年代の雑誌『JAM/HEAVEN』にさかのぼります。以降、音楽・雑誌・広告・書籍・映像など幅広い分野でアートディレクションとグラフィックワークを手掛けてきました。
展示の構成、作家プロフィール、そして問い合わせ
展示は近作ペインティングを中心に、1990〜2000年代の作品、コラージュ、アルバムジャケット風シリーズ「SOUNDLESS SLEEVE」を含む構成です。展覧会テキストは鈴木沓子が執筆しており、作家の言葉や批評家の評言と併せて、作品群を多角的に読み解くことができます。
以下に本展の要点を整理した表を示します。展覧会の基本事項、会場情報、連絡先、展示内容、作家プロフィールの主要事項を網羅してあります。続く段落で簡潔に締めくくります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会タイトル | 楽しくなってきた It’s Getting Fun! |
| 作家 | 伊藤桂司(Keiji Ito) |
| 会期 | 2025年10月25日(土)– 11月23日(日) |
| 開館時間 | 木曜〜日曜 13:00–19:00 |
| オープニングレセプション | 2025年10月25日(土)18:00–20:00 |
| 会場 | BLOCK HOUSE 2F(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-12-9) |
| 主催 / 企画 | island JAPAN(www.islandjapan.com) |
| 問い合わせ | info@islandjapan.com / www.blockhouse.jp |
| 関連リンク | http://islandjapan.com/exhibition/1424/ |
| プレス発表 | アイランドジャパン株式会社(発表日: 2025年10月25日 16:52) |
| クレジット | ©️ KEIJI ITO / テキスト: 鈴木沓子 |
| 展示内容 | 近作ペインティングシリーズ、1990〜2000年代のペインティング・コラージュ、アルバムジャケット風作品「SOUNDLESS SLEEVE」 |
| 作家プロフィール(抜粋) | デビュー: 1980年代『JAM/HEAVEN』。活動: グラフィックワーク、アートディレクション、映像。受賞: 2001年 東京ADC賞。主な仕事: キリンジ、テイ・トウワ、木村カエラ、スチャダラパー、GRAPEVINE、THE BAWDIES、PES from RIP SLYME、高野寛、ohana、オレンジペコー、ボニー・ピンク、愛知万博EXPO2005世界公式ポスター、イギリスのクラヴェンデール、SoftBank キャンペーン、KEIJI ITO × graniph Collaboration等。作品集: 『LA SUPER GRANDE』(ERECT LAB.)、『DAYS OF PAST FUTURE』(共著)他。役職: 京都芸術大学大学院教授、UFG代表。展覧会参加歴: 『CLOSE UP of JAPAN』(サンパウロ美術館)、『四次元を探しに――ダリから現代へ』(諸橋近代美術館)、『VERDE COSMICO』(PARCEL)、『TRANQUILO』(Gallery Trax)等。 |
本展は、伊藤桂司が長年にわたり蓄積してきたイメージ、素材、そして個人的な想像力が可視化される場として構成されています。展示に並ぶ近作と過去作の対比を通じて、作家の思考の変遷や共通項を確認することができるでしょう。展覧会の詳細は企画元および会場の公式情報を参照してください。
参考リンク: