宮古島でTOCKLE実証開始、観光移動の課題解消へ

宮古島TOCKLE実証実験

開催期間:10月25日〜1月31日

宮古島TOCKLE実証実験
TOCKLEってどうやって使うの?
TOCKLEは専用アプリで会員登録して車両を予約、アプリで解錠・決済して利用する仕組み。貸出は毎日6:00〜20:00で、宮古島市公設市場やパイナガマなど指定ステーションで借りて返却する。夜間はシステムで利用不可になっている。
夜でも乗れる?安全対策はどうなってるの?
夜間運用は全面禁止で貸出時間外は使えない。ジオフェンシングで侵入禁止エリアに入ると車両を停止し、走行制御や交通ルール試験を導入して事故・不適切利用を抑止する設計です。

宮古島で始まったTOCKLE実証実験の意義と背景

2025年10月25日、BRJ株式会社は沖縄県宮古島市において、電動二輪・三輪モビリティのシェアリングサービス『TOCKLE』を活用した官民共創型の実証実験を開始しました。実験は2026年1月31日まで実施され、観光地として年間約100万人が訪れる宮古島における移動課題の解消と、既存交通の補完を目的としています。

背景には、観光客増加に伴うレンタカー台数の過去最高更新、駐車場不足や交通渋滞、事故の増加、路線バスの便数不足といった課題があります。宮古島市はこれまでループバスやデマンド交通の導入などの対策を行ってきましたが、十分な移動ネットワーク確立には至っていません。今回の実証実験では、小型モビリティを導入して利用データを蓄積・分析し、移動ニーズの把握と地域交通政策への反映を目指します。

  • 開始日:2025年10月25日
  • 終了予定日:2026年1月31日
  • 導入主体(官民連携):BRJ株式会社、沖縄トヨタ自動車、宮古島観光協会、公共施設管理財団、宮古島市

実施内容と利用方法:運用時間、配置場所、料金体系

本実証実験の貸出時間は毎日6:00〜20:00で、夜間の運用は全面禁止とされています。利用は専用アプリ『TOCKLE』による会員登録とアプリ操作で行い、現地での貸出・返却や料金精算もアプリを通じて行われます。運用開始時点での配置場所は、宮古島市公設市場、パイナガマ海空すこやか公園、宮古島観光協会で、その他の地点も順次配置される予定です。

利用料金は用途に応じて二つのプランを用意しています。短時間利用向けの「サクッとプラン」と、6時間以内の中時間利用向けの「ゆったりプラン」があり、いずれも超過時は10分毎に均一の加算が発生します。

プラン名 料金 備考
サクッとプラン 基本料金150円 + 10分毎200円 短時間の観光移動や買い物に適する
ゆったりプラン 6時間以内定額4,500円(以降10分毎200円) 中時間利用での定額設定。6時間超過時には超過課金

利用の流れと注意点

まずTOCKLEアプリで会員登録を行い、アプリ内で車両の予約・解錠・課金が完了します。会員登録後に身分確認の流れや運転に関する注意事項が表示されるため、指示に従ってください。

返却は指定のステーションまたは順次配置される返却可能エリアに行い、車両を適切に施錠・停止してからアプリ上で返却手続きを完了させる必要があります。実証期間中は夜間利用は禁止されており、夜間における利用はシステム上制限されます。

安全対策と技術的特徴:ジオフェンシング、走行制御、夜間禁止

『TOCKLE』は安全を最優先にした設計を特徴としています。地方での展開に重点を置き、地方は都市に比べて交通量が少なく道幅に余裕があることから、安全運用が行いやすいと判断しています。BRJは自治体と連携し、地域の実情に応じた安全対策を講じながら導入を進めています。

実証実験で導入される主な安全機能には、ジオフェンシングによる侵入禁止エリア設定、夜間運用の全面禁止、走行制御や交通ルール試験の導入などがあります。これらは事故や不適切利用を抑止するための技術的・運用的施策です。

ジオフェンシング機能の詳細

車両はGPSを使って走行エリアを常時検知し、自治体が設定した「侵入禁止エリア」に入ると車両を停止させる仕組みになっています。侵入禁止エリアは自治体の判断で柔軟に設定可能で、観光地の立ち入り禁止区域や危険箇所、歩行者優先エリアなどを指定できます。

ジオフェンシングは静的な境界設定だけでなく、運用上のルール変更に応じて随時更新できるため、実証実験中に得られるデータを基に運用の最適化を図ることが可能です。

夜間運用の禁止とその根拠

業界では夜間運用が収益面で有利とされる場合もありますが、BRJは安全を最優先し、どの地域でも夜間の運用を一切行いません。終電を逃した利用や飲酒後の利用などリスクが高い利用が夜間に増えることを踏まえ、夜間運用禁止を明確に運用しています。

実証実験では、夜間帯はシステム上で車両が稼働しない仕様となり、夜間の返却や利用に伴うトラブルを未然に防ぎます。これは地域住民の安全確保と観光客の適切な移動支援を両立させるための方針です。

運営体制・導入実績と問い合わせ先

本実証実験はBRJ株式会社(代表取締役社長:宮内秀明、本社:東京都港区北青山1-2-3 青山ビル12F)が中心となり、沖縄トヨタ自動車、宮古島観光協会、公共施設管理財団、宮古島市と連携して運営されます。BRJは「人と街に感謝される未来の公共交通を創る」をビジョンに掲げ、シェアリング事業、レンタル事業、地域交通ソリューションを提供しています。

問い合わせは自治体担当の亀谷氏経由で行えます。問い合わせフォームはBRJのコーポレートサイト経由です。社のウェブサイト及びサービスサイトのURLは以下の通りです。

コーポレートサイト
https://www.brj.jp/
サービスサイト(TOCKLE)
https://tockle.jp/
問い合わせフォーム
https://www.brj.jp/contact

自治体での導入・検証実績

BRJおよびTOCKLEは既に複数の自治体で導入や検証を行っています。導入済みの自治体と検証中の自治体の一覧は、実証実験や導入を検討する際の参考情報として公開されています。

具体的な導入・検証の状況は以下の通りです。これらの情報は実績および進行中の検証案件として、地域ごとの運用条件や期間の異なる事例が含まれます。

  • 導入済:東京都立川市(2021年10月〜)、千葉県流山市(2022年8月〜)、福岡県福岡市(2024年7月〜)
  • 導入に向けた検証中:山梨県甲府市(2025年9月〜2026年1月)、佐賀県佐賀市(2025年9月〜2026年1月)、千葉県大多喜町(2025年9月〜2026年1月)、高知県室戸市(2025年9月〜2026年1月)、静岡県掛川市(2025年10月~2026年1月)、茨城県日立市(2025年10月~2025年12月)、長野県長野市・佐久市(2025年10月~2025年12月)
項目 内容
実証実験期間 2025年10月25日(土)〜 2026年1月31日(金)
貸出時間 6:00〜20:00(夜間運用禁止)
初期配置場所 宮古島市公設市場、パイナガマ海空すこやか公園、宮古島観光協会(その他順次配置予定)
利用方法 TOCKLEアプリで会員登録のうえ利用
料金 サクッとプラン:基本150円+10分毎200円、ゆったりプラン:6時間以内4,500円(以降10分毎200円)
安全機能 ジオフェンシングによる侵入禁止エリア、夜間運用の全面禁止、走行制御・交通ルールテスト
運営主体 BRJ株式会社(代表 宮内秀明)ほか、沖縄トヨタ自動車、宮古島観光協会、公共施設管理財団、宮古島市
問い合わせ 自治体担当:亀谷 / 問い合わせフォームhttps://www.brj.jp/contact

この記事では、宮古島で開始されたTOCKLEの実証実験の目的、運用概要、料金体系、安全対策、運営体制およびBRJの導入実績と問い合わせ先を整理しました。実証実験の期間や運用時間、配置場所、料金など具体的な事項を明示したうえで、安全面の技術的対策と自治体連携の体制を示しています。地域の移動ニーズ把握と政策への反映を目的とした今回の取り組みは、得られたデータを基に今後の交通ネットワーク設計に役立てられる見込みです。

参考リンク: