医療者向け無料配信:LGBTQ+とHIV基礎講座

LGBTQ+医療研修動画

開催期間:10月21日〜12月31日

LGBTQ+医療研修動画
この動画って誰が見られるの?
視聴は医療従事者・支援者と医療系学生に限定。視聴希望は公式申込サイトから申し込みが必要で、配信は2025年10月〜12月末まで無料です。
実際の診療で使える内容なの?
全10本・各20〜25分で臨床医、心理士、弁護士、当事者らが出演。問診票対応や面会対応など現場で即実践できる事例と改善策を解説します。

医療現場で見過ごされがちな課題と今回の取り組みの出発点

認定NPO法人ぷれいす東京は、2025年10月21日付で、医療従事者・支援者向けの学習動画シリーズ「日常診療・支援に活かすLGBTQ+とHIVの基礎知識」をリリースしたと発表しました。今回の公開は、LGBTQ+の人々を含む多様な患者が安心して医療にアクセスできる環境づくりを目指すもので、視聴は医療従事者や支援者(医療系学生含む)に限定され、2025年10月から同年12月末まで無料で配信されます。

医療機関は本来、誰にとってもアクセスしやすい場所であるべきですが、日本では医療従事者が「シスジェンダーかつ異性愛者であること」を前提に患者対応を考えてしまう誤認が根強く残っています。この誤認によって、患者が受診を躊躇したり、適正な医療提供が阻害されたりする事例が散見されるため、現場レベルで実践可能な改善策を提示することが目的とされています。

LGBTQ+患者対応に不安がある医療従事者へ。「日常診療に活かすLGBTQ+とHIVの基礎知識」入門動画を、12月末まで無料公開 画像 2

現場で生じている具体的な問題点

プレスリリースでは、現場で実際に発生している問題が具体的に示されています。代表的な事例として、アウティング(本人の同意なく性的指向や性自認が暴露される行為)を恐れて受診を避ける行動、問診票に性別適合手術やホルモン療法の有無を記載できないために薬剤選定に支障が出る可能性、同性パートナーが家族と認められず入院時の面会や説明が受けられないケースなどが挙げられています。

これらはいずれも、法律や制度の整備だけでなく、医療現場での対応改善により緩和可能な問題です。動画シリーズでは、こうした問題に対して「現場で出来ること」を事例に基づいて具体的に示す構成になっています。

LGBTQ+患者対応に不安がある医療従事者へ。「日常診療に活かすLGBTQ+とHIVの基礎知識」入門動画を、12月末まで無料公開 画像 3

10本構成の学習プログラムの中身と視聴方法

本プログラムは全10本、1本あたり20~25分程度の動画で構成されています。臨床医や心理士、作業療法士、弁護士、さらにLGBTQ+当事者やHIV陽性者が出演し、多角的な視点から日常診療や支援にすぐ役立つ知識と実践策を解説します。

視聴を希望する団体・個人は公式サイトから申し込みが必要です。ダイジェスト映像とコンテンツの一部は一般公開されており、詳細や申込は配信ページ(https://consent.info/for-medical)で確認できます。配信期間は2025年10月から12月末までとなっています。

配信プログラム(全10本)と出演者

以下は配信される全プログラムのタイトルと出演者です。各回は医療現場で直面する課題に即した内容で、具体的な改善策や事例紹介を含みます。

  • (1)LGBTQ+やSOGI(性的指向・性自認)に関する基礎知識 — 吉田 絵理子(にじいろドクターズ)
  • (2)LGBTQ+の医療アクセスに関する課題 — 金久保 祐介(にじいろドクターズ)
  • (3)Gender-Affirming Care とヘルスケア — 池袋 真(パーソナルヘルスクリニック)
  • (4)LGBTQ+とセクシュアルヘルス HIV診療の現場から — 村松 崇(東京医科大学病院臨床検査医学科)
  • (5)LGBTQ+とメンタルヘルス — 松本 武士(にじいろリハネット)
  • (6)医療アクセスを改善するためにできること — 金 弘子(まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト)
  • (7)SOGIに関する医療機関における組織的な取り組み — 武田 裕子(順天堂大学大学院医学研究科)
  • (8)法律面から考えるLGBTQ+と医療、人権 — 森 あい(弁護士) 聞き手:山下 洋充(にじいろドクターズ)
  • (9)LGBTQ+コミュニティのメンバーのトーク — 出演:堀川(トランスジェンダー男性)、さき(トランスジェンダー女性)、松本(ゲイ)、吉田(Xジェンダー、バイセクシュアル) 聞き手:久保田 希(にじいろドクターズ)
  • (10)HIV陽性者によるトーク — 出演:Kazuya、加藤力也、福正大輔 聞き手:四本 美保子(東京医科大学病院臨床検査医学科)。本回では視聴画面のスクリーンショットも用いて、当事者が医療現場で経験した実情を現役医師が聴き出す様子が示されています。

各回の聞き手や出演者は、多職種の視点を取り入れた構成になっており、臨床や支援の現場で即座に適用できる具体的な方法を解説しています。

制作体制、協力団体、助成元と運営情報

本プログラムはCONSENTプロジェクトが制作を行い、企画・運営は認定NPO法人ぷれいす東京が担当しています。撮影・編集は高坂裕希が担当し、協力としてにじいろドクターズ、にじいろリハネットが参加しています。

制作にあたっては、MSDのグローバルNPO支援プログラム「Solutions for Healthy Communities」からの助成を受けており、公的・民間支援を受けた形でコンテンツ制作が行われたことが明示されています。この助成により、質の高い教育コンテンツの提供が可能になったとしています。

企画・運営団体の概要と問い合わせ先

企画・運営を行う認定NPO法人ぷれいす東京の概要は以下の通りです。団体は1994年設立で、これまでHIV予防啓発や陽性者向けのグループプログラム、各種相談事業を実施してきました。近年はLGBTQ+の医療ニーズに関する全国調査(PRISM調査)や医療関係者向け啓発動画の制作・配信など活動領域を拡げています。

団体名
認定NPO法人ぷれいす東京
代表
生島 嗣
所在地
東京都新宿区高田馬場4-11-5 三幸ハイツ403
URL
https://ptokyo.org/

問い合わせ先は以下の通りです。電話は平日12時〜19時の受付で、水曜・土日祝を除きます。メールおよび問い合わせフォームからの連絡も受け付けています。

  • 担当者名:生島 嗣
  • 電話番号:03-3361-8964(受付時間 平日12時~19時 ※水・土日祝を除く)
  • メールアドレス:consent@ptokyo.org
  • 問い合わせフォーム:https://consent.info/

配信の条件、視聴申込方法、公開中のダイジェスト

視聴は医療従事者・支援者(医療系学生を含む)に限定されています。団体・個人で視聴を希望する場合は、公式の申込サイト(https://consent.info/for-medical)から申し込みが必要です。申込後に視聴方法やアクセス情報が案内されます。

また、現在公式サイトではダイジェスト映像とコンテンツの一部を一般公開しており、まずは内容の概要を確認したうえで申込手続きを進めることができます。配信期間は2025年10月から同年12月末までです。

視聴対象と配信期間の明確化

視聴対象はあくまで医療従事者・支援者および医療系学生に限定されています。配信は2025年10月から開始され、2025年12月末まで無料で視聴可能です。期間終了後の公開予定や継続配信に関する情報は、公式サイトやぷれいす東京からの案内を参照する必要があります。

申込や視聴に関する不明点は、上記の問い合わせ先まで連絡するよう案内されています。

この記事の要点まとめ

以下の表は、本記事で取り上げた主要情報を整理したものです。動画の配信期間、視聴対象、制作体制、配信プログラムなど、利用を検討する医療従事者や教育担当者が必要とする基本的な情報を網羅的に示しています。

項目 内容
公開タイトル 「日常診療・支援に活かすLGBTQ+とHIVの基礎知識」
配信期間 2025年10月〜2025年12月末(無料、医療従事者・支援者限定)
視聴対象 医療従事者・支援者(医療系学生含む)
視聴方法 公式申込サイトから申し込み(https://consent.info/for-medical)
動画本数・長さ 全10本、各20〜25分程度
主な出演者・講師(一部) 吉田 絵理子、金久保 祐介、池袋 真、村松 崇、松本 武士、金 弘子、武田 裕子、森 あい、当事者トーク出演者など
制作 CONSENTプロジェクト(企画・運営:認定NPO法人ぷれいす東京、撮影・編集:高坂裕希)
協力 にじいろドクターズ、にじいろリハネット
助成 MSDの「Solutions for Healthy Communities」助成
問い合わせ 認定NPO法人ぷれいす東京 担当:生島 嗣/電話03-3361-8964(平日12時〜19時、※水・土日祝除く)/メール consent@ptokyo.org

本記事は、同リリースに記載された全情報を網羅的に整理しました。医療現場での具体的な改善策や当事者の声、法律・人権の観点を含む幅広いテーマが扱われている点を踏まえ、関係者は公式サイトでのダイジェスト確認と申込手続きを速やかに行うことが推奨されます。

参考リンク: