ERPCがSLCリージョン新設 Premium VPSと専用線でSolana強化
ベストカレンダー編集部
2025年10月15日 16:23
SLCリージョン新設
開催日:10月15日
ソルトレイクシティを中核にした専用線ネットワーク再編と新設リージョンの位置づけ
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)とValidators DAOが運営するERPCは、2025年10月15日にソルトレイクシティ(SLC)リージョンでのPremium VPS提供を開始しました。今回の新設は、Solana DoubleZero CHI–SLC–LAX専用線ネットワークの中核拠点として米国西部から中西部にかけての通信効率と安定性を最適化することを目的としています。
SLCリージョンは、Jito BlockEngineが稼働する重要拠点に近接しており、ERPCは同一ネットワーク上にノードを構築しました。これにより、BlockEngineとの通信がゼロ距離に近い形で行えるため、トランザクション伝送の最短化と遅延低減が期待されます。発表日時は2025年10月15日12時37分です。
- 中核ルート:Solana DoubleZero CHI–SLC–LAXの100Gbps専用線が稼働。
- 地理的利点:西海岸(LAX・SJC・SEA)と中西部(CHI・DEN)双方への効率的な接続。
- 運用安定性:電力の安定供給、低い自然災害リスク、広帯域ネットワーク環境。
DoubleZero専用線の設計と効果
DoubleZeroはSolanaのバリデータやRPCノードを専用線で直結するネットワーク構成で、パブリックインターネットに起因する経路変動や混雑の影響を抑える設計です。この構成により、トラフィックの再ルーティングによる遅延やパケットロスの発生頻度が低減します。
ERPCのSLC新設により、CHI(シカゴ)–SLC(ソルトレイクシティ)–LAX(ロサンゼルス)を結ぶ経路が中核に配置され、米国西部から中西部への経路短縮と伝送一貫性の向上が見込まれます。これによりSolanaノード間の同期性が改善します。
- 専用線帯域
- CHI–SLC–LAX間で100Gbps専用線を稼働。
- 設置目的
- 専用の低遅延経路確保により、トランザクション処理とShred配信の再現性を高める。
Premium VPSとLimited Shredstream:構成と性能の詳細
SLCで提供が開始されたサービスは主にPremium Ryzen VPSとLimited Shredstream(Ryzen構成)です。Premium Ryzen VPSは高クロックを重視した構成で、Solana RPC環境に必要な計算性能と通信性能を両立することを意図しています。
主なハードウェア仕様と設計方針は、5.7GHz高クロックのRyzen CPU、ECC DDR5メモリ、NVMe4ストレージ、25Gbps×2のネットワークを備え、仮想環境ながらオーバーコミットを行わない設計を採用している点です。これにより、ベアメタル級の一貫した処理性能を提供し、Solana RPCに求められる安定した応答を実現します。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| CPU | Ryzen(最大クロック5.7GHz) |
| メモリ | ECC DDR5 |
| ストレージ | NVMe4 |
| ネットワーク | 25Gbps×2 |
| 仮想化方針 | オーバーコミットなし、ベアメタル級の一貫性能 |
Limited Shredstream(Ryzen構成)の位置づけと性能
ShredstreamはUDPベースの超低遅延配信方式であり、再送制御を行わないためネットワーク距離と安定性が速度と再現性に直接影響します。ERPCはSLCにリソースを配置することで、BlockEngineとの同一ネットワーク内でのパケット損失やジッターの最小化を図っています。
Limited Shredstream(Ryzen構成)はPremium Ryzen VPSを基盤とする専有構成で、早期テストおよびユーザー報告によればこれまでの専有Shredstreamよりも87%以上高速であることが確認されています。共有Shredstreamと比較しても確実に安定性と速度の再現性が高いと報告されています。
- UDPの特性:再送がないためパケット損失が直接影響。
- 専有構成の利点:ネットワーク帯域の独占、ジッター低減。
- 移行効果:Dedicated Shredstreamから移行したユーザーで即時の性能向上観測あり。
Bundleプラン、導入支援、解決を目指す課題の整理とまとめ
ERPCは単一サービスの提供に留まらず、Solana RPC Bundleプランを用意しています。BundleはRPCとgRPC(Geyser含む)をベースにしつつ、Shredstreamをセットにして提供することで、導入コストの心理的・金銭的ハードルを下げる構成です。特に開発初期におけるWebSocketやgRPCからの着手を容易にし、そのままShredstreamによる高性能化へ移行しやすい設計になっています。
BundleのgRPCはフィルター制限がなく、開発段階ではRPCのDevnetおよびTestnetにも対応します。これにより、まずRPC+gRPCでベースアプリを構築し、同一環境内でShredstreamを学びながら本番移行できる運用フローが想定されています。
- まずRPC+gRPCでアプリの基盤を構築(Devnet/Testnet対応)。
- 同一環境下でShredstreamを導入し、Shredsの恩恵を並行して取り込む。
- 必要に応じてDedicated構成への移行や調整を実施。
ERPCおよびValidators DAOが解決を目指す代表的な課題は以下の通りです。
- RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動の低減。
- 多くのインフラプロバイダーによる性能制限の克服。
- ネットワーク距離が通信品質に与える影響の軽減。
- 小規模プロジェクトでも高品質インフラへアクセスしやすくすること。
これらは、オープンソースプロジェクトやSolana NFTカードゲームプロジェクトEpics DAOの開発過程で顕在化した課題に対する対応策に基づいており、ERPCやSLVはその知見を製品化したものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年10月15日 12:37 |
| 発表主体 | ELSOUL LABO B.V.(代表:川崎文武)、Validators DAO(ERPC運営) |
| 新設拠点 | ソルトレイクシティ(SLC)リージョン |
| ネットワーク | Solana DoubleZero CHI–SLC–LAX専用線(100Gbpsルート) |
| 主なサービス | Premium Ryzen VPS、Limited Shredstream(Ryzen構成)、Solana RPC Bundleプラン |
| Premium VPS主な仕様 | Ryzen(5.7GHz)、ECC DDR5、NVMe4、25Gbps×2、オーバーコミットなし |
| Limited Shredstreamの性能 | 専有構成で従来の専有Shredstreamより87%以上高速(早期テスト・ユーザー報告) |
| サポート・導入窓口 | Validators DAO公式Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR |
| 関連リンク | ERPC: https://erpc.global/ja SLV: https://slv.dev/ja elSOL: https://elsol.app/ja Epics DAO: https://epics.dev/ja ニュース: https://labo.elsoul.nl/ja/news/2025/10/15/erpc-slc-region-premium-vps-launch/ |
この記事では、ERPCによるSLCリージョン新設の目的、DoubleZero専用線の稼働状況、Premium VPSおよびLimited Shredstreamの技術仕様と性能、Bundleプランの特長、そして導入支援の窓口まで、発表された全ての情報を整理してまとめました。必要に応じて関連サイトやValidators DAO公式Discordから詳細な資料や導入相談を行うことができます。
参考リンク: