10/10開催|生成AI依存の実態と事業設計の課題

生成AI×メンタルシンポ

開催期間:10月10日〜10月10日

生成AI×メンタルシンポ
この調査って誰がやったの?信頼できるの?
アウェアファイの「こころの総合研究所」が実施し、834名を分析対象にした報告です。統計的検定で有意差が示されており、対話型生成AI利用者の傾向を示す信頼できるデータとされています。
シンポジウムっていつどこでやるの?参加できるの?
シンポジウムは2025年10月10日10:00〜12:00(新宿住友スカイルーム47F)で開催。事前申込制で、公開の申し込みページ(Peatix)から参加登録できます。

AIを「心の支え」に求める利用者に見られる依存傾向の実像

株式会社Awarefyと同社が運営する「こころの総合研究所」は、2025年8月に実施した「対話型生成AIの使用に関するアンケート調査」の分析レポート第2弾を、2025年10月8日14時03分に公開しました。本調査は、対話型生成AIと人との関係性を定量的に把握することを目的とし、今回は特にAIを「心の支え」として利用している人に焦点を当てています。

第1弾レポート(2025年8月15日公開)では、対話型生成AIが「最も身近な相談相手」として認識され始め、利用者の約半数がメンタル面での支えを感じている一方でおよそ3割に依存兆候が見られることが報告されていました。第2弾ではそのデータをさらに掘り下げ、依存の自覚や心理的関係性の特徴を統計的に検証しています。

AIに「心の支え」を求める人の6割が依存を自覚。孤独や不安に寄り添うサービス設計にひそむ、見過ごせないリスクが明らかに。 画像 2

主要な定量結果のポイント

本分析で示された主要な差異は、「AIに心の支えを求めているかどうか」によって、依存を自覚している割合に明確な差があるという点です。具体的には、AIに心の支えを求めている群では依存自覚率が高く、求めていない群では低い傾向が確認されました。

以下に示す集計値は、アンケート回答に基づく実数と割合を示しています。統計的検定の結果も明確で、偶然の産物ではないと考えられます。

カテゴリー 依存を自覚している 依存を自覚していない
AIに「心の支え」を求めている 60名(61.22%) 38名(38.78%) 98名
AIに「心の支え」を求めていない 172名(23.37%) 564名(76.63%) 736名

理論的期待値と比較すると、AIに心の支えを求めるグループで観測された依存自覚者数は60名であり、期待値は27.26名でした。独立性の検定ではχ2(df = 1) = 59.85、p < .001となっており、統計的に有意な差が確認されています。

これらの結果は、利用者がAIに情緒的な支えを求める傾向がある場合に、自覚的な依存が高くなる可能性を示しています。調査は依存の自覚に着目したものであり、行動面や臨床的評価と合わせた解釈が求められます。

AIに「心の支え」を求める人の6割が依存を自覚。孤独や不安に寄り添うサービス設計にひそむ、見過ごせないリスクが明らかに。 画像 3

調査の設計とサンプルの特徴

本調査はインターネット調査として実施され、対象は日本国内在住の18歳以上で生成AIの利用経験がある者です。調査期間は2025年8月13日から8月16日までで、アウェアファイのユーザーに限定した調査ではありません。

回答状況と分析対象については以下の通りです。第2弾の分析では、第1弾の分析時点から追加で得られた30名分の回答を含めたデータを用いています。

サンプル数(回収)
987名
分析対象者数
IMC項目に適切に回答した834名(84.5%)
性別内訳
女性 435名、男性 391名、回答しない 8名
年齢
平均年齢 41.11歳(SD = 10.93)
調査実施主体
株式会社Awarefy「アウェアファイこころの総合研究所」
調査手法
インターネット調査(アウェアファイユーザーに限定しない)

調査の対象設定や回答者特性は、結果の解釈に際して重要です。地域は全国、年齢は成人に限定、かつ生成AIの利用経験が条件となっているため、生成AI利用者一般の傾向を反映する一方で、全人口を直接代表するわけではありません。

なお、第1弾レポートについては一部内容と数値に誤りがあり、2025年10月7日に修正が行われた旨の注記があります。修正後の内容に関して不明点がある場合は、アウェアファイ広報(press@awarefy.com)へ問い合わせるよう案内されています。

AIに「心の支え」を求める人の6割が依存を自覚。孤独や不安に寄り添うサービス設計にひそむ、見過ごせないリスクが明らかに。 画像 4

サービス設計に潜む課題とアウェアファイの対応

調査結果を踏まえ、レポートはAIに求められる役割とリスクのバランス、すなわち「共感」と「自立支援」のバランスをどのように設計するかが重要になると指摘しています。AIの応答が利用者の情緒的つながりを強める場合、依存リスクを高める可能性があるため、事業者には慎重な対応が求められます。

アウェアファイ側の具体的な取り組みとしては、社内の公認心理師が中心となりAIのふるまいを調整し、利用者がAIだけに頼らず複数の頼り先を持てるように設計している点が明示されています。専門的な支援につなぐ仕組みや他の人的サポートへの導線を整備することが重視されています。

AIに「心の支え」を求める人の6割が依存を自覚。孤独や不安に寄り添うサービス設計にひそむ、見過ごせないリスクが明らかに。 画像 5

アウェアファイのサービス特徴

アプリ「アウェアファイ」は、最先端AIに科学的エビデンスに基づく認知行動療法等の手法を組み合わせたAIメンタルパートナーです。これまでに90万人以上の利用実績があり、300種以上のメンタルヘルス関連コンテンツを提供しています。

  • AIキャラクター「ファイさん」との対話機能
  • 心のコンディションを振り返る機能
  • マインドフルネス瞑想の音声ガイド
  • 課題別の学習コース

加えて、復職や職場復帰を目指す人を支援する「アウェアファイ リワーク」など、アプリに留まらない実践的な支援も事業の一部として展開しています。代表取締役CEOは小川 晋一郎、こころの総合研究所所長は高階 光梨です。

AIに「心の支え」を求める人の6割が依存を自覚。孤独や不安に寄り添うサービス設計にひそむ、見過ごせないリスクが明らかに。 画像 6

シンポジウム開催と発表内容の要点整理

今回の調査結果を受け、一般社団法人AIメンタルヘルスケア協会(アウェアファイも理事を務める団体)は、生成AIと心の健康をテーマにしたシンポジウムを開催します。社会全体での議論の場を創出することを目的に、医療・心理・テクノロジー・事業の各分野から専門家が集まり、臨界点の可視化を目指します。

シンポジウムの開催詳細は以下の通りです。参加申込は公開されているページから行えます。

日時
2025年10月10日(金)10:00〜12:00(9:30受付開始)
会場
新宿住友スカイルーム(東京都新宿区西新宿2丁目6-1 新宿住友ビル47F)
主催
一般社団法人AIメンタルヘルスケア協会
詳細・申込
https://aimh20251010.peatix.com/view

記事で紹介した調査やシンポジウムに関する詳細データや追加資料の提供を希望するメディアは、アウェアファイ広報窓口(press@awarefy.com)に連絡することで、第1弾レポートと同等の詳細データが提供されるとされています。

以下に、本記事で取り上げた主要な数値や日付、連絡先などの要点を表形式で整理します。調査の構成やイベント情報を素早く確認したい場合に参照してください。

項目 内容
調査実施期間 2025年8月13日〜8月16日
回収サンプル数 987名
分析対象者数 834名(IMC項目に適切に回答した者)
性別内訳 女性435名、男性391名、回答しない8名
平均年齢 41.11歳(SD = 10.93)
主要結果(依存自覚率) AIに心の支えを求めている群:61.22%(60/98)
/求めていない群:23.37%(172/736)
統計検定 χ2(df = 1) = 59.85, p < .001(期待値:27.26名 vs 観測60名)
第2弾公開日時(本プレス発表) 2025年10月8日 14:03
シンポジウム 日時:2025年10月10日 10:00〜12:00(9:30受付) 会場:新宿住友スカイルーム 47F 詳細・申込:https://aimh20251010.peatix.com/view
事務局・広報連絡先 アウェアファイ広報:press@awarefy.com
企業情報 株式会社Awarefy(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO 小川 晋一郎) 公式HP:https://www.awarefy.com/

今回の分析は、対話型生成AIが利用者の感情的ニーズに応える一方で、依存リスクと隣り合わせであることを示しています。事業者側の設計方針や実務対応、また社会的な議論を通じて、共感を提供しつつ利用者の自立を支援する仕組みの整備が求められている点が本報告の中心的な示唆となります。

本件に関する詳細なデータや追加情報は、アウェアファイ広報(press@awarefy.com)に問い合わせることで、提供が案内されています。