しりあがり寿の“カワイイ地獄”展、南青山YUGENで体験

しりあがり寿が描き直す「カワイイ地獄」──展覧会の全体像と開催期間

漫画家・しりあがり寿（Kotobuki Shiriagari）がYUGEN Galleryで開催中の個展「加我威異地獄（カワイイ地獄）」は、伝統的な“地獄”のモチーフを現代の視点から再構築した展覧会です。会場全体を覆う大判紙に鬼や妖怪を描き、〈カワイイ〉を軸に据えた独自の世界観を展開しています。

会期は2025年10月4日（土）から10月19日（日）まで。会場はYUGEN Gallery（東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F）で、入場は無料です。平日は13:00〜19:00、土日祝は13:00〜20:00（最終日のみ17:00終了）、入場は閉場30分前までとなっています。会期中無休で公開されています。

本展はしりあがり寿が40年以上にわたり取り組んできた漫画、映像、アートの横断的表現の延長線上に位置づけられるもので、代表作『真夜中の弥次さん喜多さん』『地球防衛家のヒトビト』『あの日からのマンガ』などで培われた視覚と物語の感度が発揮されています。

展示詳細や入場に関する情報はギャラリー公式サイトの展覧会ページに掲載されています。URLは以下の通りです。

• YUGEN Gallery：加我威異地獄（展覧会ページ）
• YUGEN Gallery 公式サイト

会場構成と作家の意図

展示では大判紙を用いたインスタレーションや、しりあがり寿独特の表現による墨絵的な描写が中心です。〈カワイイ〉を媒介にしつつ、地獄的要素をユーモアと切実さで織り交ぜる構成となっています。

しりあがり寿は展覧会を通して、言葉と絵の間にあるずれや、古典的なモチーフを現代の感覚で読み替える作業を提示します。会場は視覚的なインフォメーションと身体的な距離感を意識した展示設計で、鑑賞者は一枚の大紙が作る空間の中に入り込むように作品と対峙できます。

特別イベント「落語&トーク『地獄De落語』」──日時・プログラム・観覧状況

展覧会期間中の特別イベントとして、2025年10月11日（土）15:00より、落語とトークを組み合わせた「落語&トーク『地獄De落語』」がYUGEN Galleryで開催されます。本イベントは落語家・立川寸志をゲストに迎え、地獄にまつわる落語の披露と、しりあがり寿とのトークセッションで構成されます。

会場での観覧（定員30名、要予約）は好評につき満席となりましたが、当日はYUGEN Galleryの公式Instagramアカウントにてライブ配信が行われます。会場に来場できない方もオンラインで視聴できるよう配慮されています。

当日のタイムラインと配信について

当日のプログラムは次の通りです。進行状況により時間が前後する可能性があります。

ライブ配信はYUGEN Gallery公式Instagramで行われます。配信ページは以下のリンクから確認できます。

• YUGEN Gallery 公式Instagram

参加費は無料です。会場観覧は予約制で定員に達したため締切となっていますが、オンライン配信で当日の様子を視聴できます。また、会場でアンケートに回答した来場者には、しりあがり寿のインスタレーション作品をモチーフにした特製しおりが無料配布されます。

落語家・立川寸志との対話──イベントの核となる共演の背景と期待

今回のゲストである落語家・立川寸志は、来秋に真打昇進が決定している若手の実力派です。博識として知られ、落語界内でも知見の広さと話芸の深さに定評があります。しりあがり寿とのトークでは、落語という伝統芸能の言語と、現代美術的発想が交差するやり取りが想定されます。

落語の演目は地獄にまつわるものが予定されており、語りの間としりあがり寿の視覚的表現がどのように響き合うかが注目点です。落語と美術の接点に着目したプログラムは、来場者が作品世界を別の感覚で体験する仕掛けになっています。

期待される対話のテーマ

対話の主題として想定されるトピックは次のようなものです。

1. 地獄というモチーフの現代的再解釈
2. ユーモアと恐怖、可愛さと深淵の関係性
3. 伝統芸能と現代美術の表現技法の差異と共鳴

これらのテーマは落語の語り手としての経験と、しりあがり寿が長年にわたり培ってきた視覚表現が交差することで、観客に新たな視点を提示することが期待されます。

作家・ギャラリー・主催企業の情報──出展者プロフィールと運営組織

以下では、作家の略歴、YUGEN Galleryの概要、主催会社である株式会社ジーンの事業概要と連絡先を整理します。

しりあがり寿（Kotobuki Shiriagari） プロフィール

氏名

しりあがり寿（Kotobuki Shiriagari）／1958年静岡市生まれ

経歴

1981年 多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。1984年『流星課長』で漫画家デビュー。

代表作・受賞

代表作に『エレキな春』『真夜中の弥次さん喜多さん』『地球防衛家のヒトビト』『あの日からのマンガ』。受賞に第46回文藝春秋漫画賞、第5回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞、第15回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞。2014年紫綬褒章受章。

近年の展覧会

2020〜2025年にかけて、国立新美術館、すみだ北斎美術館、東福寺塔頭 光明院、日比谷図書文化館、ギャラリーQほかで展覧会を開催。

しりあがり寿は漫画表現のみならずインスタレーションやパフォーマンス的要素を含む展示を行っており、今回の「カワイイ地獄」でもその多面的な表現力が展開されています。

YUGEN Gallery とその運営

YUGEN Galleryは2022年2月設立の現代アート専門ギャラリーで、東京・南青山と福岡・天神に拠点を持ちます。ギャラリー名は日本の美的概念「幽玄（YUGEN）」に由来し、奥深さや崇高さを持つ作品を紹介することを旨としています。

ギャラリーの東京・南青山の住所は東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F、福岡拠点は福岡市中央区大名2-1-4 ステージ1西通り4Fです。公式サイトとSNSで展覧会情報やオンライン販売を案内しています。

• 公式サイト: https://yugen-gallery.com/
• 公式SNS（X/Twitter）: https://twitter.com/yugengallery_jp
• 公式Instagram: https://www.instagram.com/yugengallery.jp/
• 公式Facebook: https://www.facebook.com/yugengallery.jp/

主催：株式会社ジーン（企業概要と事業内容）

本展の運営主体である株式会社ジーンは、デジタルマーケティング事業、アート・メディア事業、ライフスタイル事業を展開する企業です。インターネット広告運用、リサーチ、クリエイティブ制作といったデジタル施策のほか、YUGEN Galleryの運営や出版事業、地域メディアの運営も行っています。

会社の主な情報は以下の通りです。

同社はまた、ASPサービス「カチカチ」、湘南エリア情報サイト「湘南人」、出版ブランド「Jeane Books」など多岐にわたる事業を持っています。その他、コスメや不動産、求人といったライフスタイル領域にも事業を展開しています。

要点の整理（表）と締めくくり

以下の表は、本記事で触れた展覧会・イベントの主要情報と問い合わせ先を整理したものです。必要な情報を簡潔に参照できます。

しりあがり寿の「カワイイ地獄」は、視覚的な驚きと語りの力が交差する展示です。会場での観覧は満席のプログラムがありますが、オンライン配信を通じて展覧会の一端に触れることができます。展示やイベントの詳細はYUGEN Galleryの公式サイトおよびSNSで案内されていますので、確認のうえ視聴や来場の計画を立ててください。