11月8日開催 ソーシャルキャリアフェスで考えるAI時代の仕事観
ベストカレンダー編集部
2025年10月2日 17:06
ソーシャルキャリアフェス2025
開催期間:11月8日〜11月9日
AI利用の増加が示した「社会的意義を重視する働き方」への変化
株式会社スターコネクトが実施した「ソーシャルキャリア意識調査」では、AIの普及と利用状況が個人の働き方やキャリア観に具体的な影響を与えていることが示されました。とくに、AIを頻繁に利用する層の6割が「社会的意義を重視する」と回答しており、AIの導入が単に効率化をもたらすだけでなく、人間にしかできない領域に価値を見いだす動きを促している点が注目されます。
この章では、調査の主要な指標とその意味を整理します。AIの定型業務化が進む現在、共感・対話・創造性といった人間固有の能力を軸にした「ソーシャルキャリア」の台頭が示唆されています。具体的な数値と分類をもとに、どのような変化が起きているかを読み解きます。
- AI頻繁利用層(ほぼ毎日・週に数回): 「社会的意義を重視する」割合 60%
- 非利用者: 同指標は約30%
- 社会的意義への関心の高まり: 課題に挑戦する好奇心を持つ人の約48%がこの3年で関心が高まったと回答
これらの結果は、AIとの共存を前提に「人間らしい仕事」の価値を再評価する風潮が広がっていることを示しています。AIで代替されにくい領域に注力することがキャリア選択の新たな基準となりつつあると考えられます。
「AIでは代替できない仕事」として挙がった領域と世代別の関心テーマ
回答者全体の61.8%が「AIには代替できない仕事がある」と答え、上位3項目は次の通りでした。これらは、対人性や合意形成、創造性といった人的スキルが中心です。AI利用が浸透する層ほど、企画や合意形成の代替困難性を強く認識する傾向がありました。
- 人の気持ちを理解し、共感や支援を行うこと
- 利害の異なる人々との調整や合意形成
- 新しい企画やアイデアの創出
さらに、世代別に関心の高いテーマを分析すると、社会が抱える課題に対する視点の違いが見えてきます。これは、職業選択や副業・複業への態度、将来設計に影響を与える重要なファクターです。
世代別の傾向は以下の通りです。各世代がどのような社会課題に注目しているかを把握することで、企業や支援組織が提供すべき機会やプログラムの方向性が見えてきます。
- 20代: 環境・テクノロジー・食など、いわゆる「未来課題」志向
- 30代: 国際課題・格差・地域など、幅広い社会課題への関心が強い(この年代は収入重視の傾向も併存)
- 40代: 教育・人材・多様性に寄った「人に寄り添うテーマ」志向
- 50代: 地域・福祉・教育など生活基盤に直結するテーマ志向
働く目的の変化と世代間ギャップ〜収入重視から社会的意義重視への移行兆候
調査では、働く目的について「収入」から「社会的意義」へシフトする兆候が示されました。回答者全体の約25%が「収入より社会的意義を重視」と答え、さらに「この3年で社会的意義への関心が高まった」とする人は約20%にのぼります。とくに30代は約3割が社会的意義への関心が高まったと回答しました。
一方で30代は収入重視の回答も多く、「理想と現実のギャップを抱える世代」であることが浮き彫りになっています。この点はキャリア設計や企業側の人材施策にとって示唆に富む要素です。実務的な収入確保と社会的意義の追求をどのように両立させるかが課題となっています。
- 収入より社会的意義を重視する割合
- 約25%
- この3年で社会的意義への関心が高まった人
- 約20%(30代は約30%)
こうしたデータは、副業・複業といった働き方の多様化が定着する中で、リスクを分散しつつ社会的価値を追求するキャリア形成の現実性を示しています。企業側にとっては、従業員が社会的意義を持って働ける環境設計が人材確保の重要な要素となり得ます。
調査概要とイベント情報:データの裏付けと実地での体験機会
本調査はインターネットアンケート方式(QiQUMO使用)で実施され、2025年9月8日から10日の期間に有効回答数500件を得ています。調査主体は株式会社スターコネクトであり、調査名は「ソーシャルキャリア意識調査」です。設問は現在の就業状況、生成AIの利用状況、働く目的、AIで代替できないと感じる仕事、関心のあるテーマ領域などを含みます。
また、調査結果を受けて、社会的意義を重視した新たなキャリアの可能性を体感できる場として「ソーシャルキャリアフェス2025」が開催されます。開催日程や出展者、登壇者などの詳細は以下にまとめます。
| 調査名 | ソーシャルキャリア意識調査 |
|---|---|
| 実施主体 | 株式会社スターコネクト |
| 実施期間 | 2025年9月8日〜10日 |
| 有効回答数 | 500件 |
| 調査方法 | インターネットアンケート(QiQUMO使用) |
ソーシャルキャリアフェス2025は2025年11月8日(土)・9日(日)の2日間開催され、約100団体が出展する予定です。登壇予定者には、深井龍之介氏(コテンラジオ)、篠田真貴子氏(エール株式会社)、駒崎弘樹氏(つながりAI株式会社)、安部敏樹氏(リディラバ)など社会的インパクトの最前線で活動する人物が含まれます。イベントの詳細と参加申込は専用サイトで案内されています(https://sociareer.com/social-career-fes2025)。
代表コメントの要旨
代表取締役CEOの水本洋志氏は、調査結果から得られた示唆を踏まえ、AI時代における人間の役割と働き方の変容について言及しています。水本氏は、30代の生活基盤に直結する要因が失敗回避を強める一方で、複業という形でリスクを抑え社会的意義を追求するキャリアが現実的な選択肢になると述べています。
また、AIを頻繁に利用する層ほど社会的意義を重視する傾向が明確であることから、AIに任せられる領域と人間にしか果たせない領域(共感・対話・創造性)を切り分ける働き方が広がると指摘しています。スターコネクトは本調査を通じて『社会の課題』と『個人の価値観』を結びつける働き方を発信し、多様な人材が活躍できる環境づくりに寄与する意向を示しています。
本稿の要点整理(表形式)
以下に、本記事で触れた調査結果と関連情報を整理した表を示します。主要な数値、世代別傾向、イベント情報、調査の基本情報をまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | ソーシャルキャリア意識調査 |
| 調査主体 | 株式会社スターコネクト |
| 実施期間 | 2025年9月8日〜10日 |
| 有効回答数 | 500件 |
| AI頻繁利用層の特徴 | 「社会的意義を重視する」割合 60%。企画・合意形成の代替困難性を強く認識。 |
| 非利用者の傾向 | 社会的意義重視は約30%にとどまる。 |
| AIでは代替できない仕事(上位3) | 1位 共感・支援 2位 合意形成 3位 企画・アイデア創出 |
| 働く目的の変化 | 収入より社会的意義を重視する人 約25%。この3年で関心が高まった人 約20%(30代は約30%)。 |
| 世代別関心テーマ | 20代: 未来課題、30代: 広い社会課題、40代: 教育・多様性、50代: 地域・福祉 |
| フェス開催日 | 2025年11月8日(土)、9日(日) |
| 出展・登壇 | 約100団体出展。登壇者に深井龍之介氏、篠田真貴子氏、駒崎弘樹氏、安部敏樹氏など。 |
| 関連URL | https://sociareer.com/social-career-fes2025(参加申込・詳細) |
本調査は、AI時代における働き方の価値観の変化を数値で示す資料として有用です。AIの普及が進む中で、人間にしか担えない領域を明確にし、その上でキャリアや働き方を設計する動きが広がっていることが確認されました。調査結果とフェスの開催は、実務者・転職希望者・企業のいずれにとっても示唆に富む情報を提供しています。
参考リンク: